TAIST-Tokyo Tech 国際連携大学院 開設
Automotive Engineering(AE)プログラム開講
国際交流
東京工業大学は、日本だけでなく海外でも人材育成に取り組み、国際貢献に寄与しています。TAIST-Tokyo Tech(以下、TAIST(タイスト))は、東工大が独自にタイの関連機関と連携して運営している大学院です。これまでも親密であった日本とタイとの関係を活かし、これからのアジアでのネットワークをより広く深く築いていくための、先駆け的な取り組みです。
TAISTは、Thailand Advanced Institute of Science and Technologyの頭文字です。タイ政府からの要望により、理工系分野での高度な「ものつくり人材」の育成と研究開発のハブを目指して、2007年に設立されました。タイにおいて、急速な工業化から派生する諸問題の解決や持続可能な発展に資する研究開発、人材育成を目的としています。
東工大は、タイ国立科学技術開発庁(以下、NSTDA(ナスダ))及びタイのトップクラスの大学と共同で、高度な知識を有する研究技術者・開発担当者を養成しています。主に、東工大は教員の派遣、あるいは遠隔配信による講義の提供を、NSTDAは施設の提供を、タイ連携大学は修士号の授与を行い、Tokyo Tech ANNEX Bangkokを活用した綿密な協力体制の下に運営されています。学位取得のための研究については、東工大、NSTDA、タイ連携大学からそれぞれひとりずつ指導教員が付きます。また、タイ学術研究会議(NRCT)から奨学金支援を受けています。
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タイ連携大学:キングモンクット工科大学ラカバン校、キングモンクット工科大学トンブリ校、タマサート大学シリントーン国際工学部、カセサート大学、マヒドン大学
講義風景
現在、TAISTでは、タイの産業界からのニーズと、東工大の強みが合致した、3分野のプログラムを展開しています。講義は全て英語で開講されています。
このほか、3プログラム共通の副専攻として、タイのマヒドン大学の協力のもと、Rail Transportation Curriculum(RT)を2018年に開講しました。
研究所見学
また、2015年度からは、このTAISTを活用した派遣・受入プログラム「TAIST-Tokyo Tech学生交流プログラム」を実施しています。派遣プログラムでは、東工大の学生がタイにおいてTAIST学生と共に講義を受講し、NSTDAにおけるインターンシップに参加します。受入プログラムでは、TAIST学生を本学に受け入れ、学位取得のための研究における東工大の指導教員の研究室で研究を進めます。
TAISTは、2007年の設立以降、毎年約50名の修了生を輩出しており、日系やタイ企業を含め、様々な民間企業への就職はもちろん、タイの大学や研究所への就職、また東工大をはじめとする日本や欧米の大学での博士課程進学へと、幅広く羽ばたいています。こうした修了生たちを通じて、本学との研究交流や産学連携が、日本とタイ、そして近隣アジア諸国とのネットワ一クにまで発展していくことが期待されています。
修了式
TAIST-Tokyo Tech 国際連携大学院 開設
Automotive Engineering(AE)プログラム開講
Information and Communication Technology for Embedded Systems(ICTES)プログラム開講
TAIST-Tokyo Tech フェーズ2(2012 - 2016年)開始
Advanced and Sustainable Environmental Engineering(EnvE)プログラム開講
TAIST-Tokyo Tech フェーズ3(2017 - 2021年)開始
EnvEプログラムをSustainable Energy and Resources Engineering(SERE)プログラムに名称変更
副専攻としてRail Transportation Curriculum(RT)開講
AEプログラムをAutomotive and Advanced Transportation Engineering(A2TE)プログラムに名称変更
ICTESプログラムをArtificial Intelligence and Internet of Things(AIoT)プログラムに名称変更
TAIST-Tokyo Tech フェーズ4(2022 - 2027年)開始
キングモンクット工科大学ラカバン校
(TAIST所属プログラム:Automotive Engineering(当時))
アッサウィン サリー
もともと自動車が好きで、自動車業界で働きたいと考えており、これまでにない経験ができると思い、TAISTに入学しました。TAISTは、私が望んでいたものに加え、情熱があれば成功できることを証明する大きなチャンスを与えてくれました。専門分野について幅広い経験をお持ちの東工大の先生から直接教わることで、知識とビジョンを得られたこと、優秀な研究者との研究を通して専門的な理工学のスキルを身に付けられたこと、また、TAIST修了後に奨学金を受けて、日本のトップ大学である東工大の博士後期課程に入学し、博士号を取得できたことは、素晴らしい経験でした。
博士号取得後は、タイ石油公社の科学技術研究所(PTT Research and Technology Institute)で、自動車技術関連の研究者として働いています。TAISTおよび東工大で学んだことが、仕事でも、仕事以外のスキルや物事の考え方でも、非常に役立っています。今後もより優れた仕事をするため、能力の向上に努めます。
株式会社ぐるなび 代表取締役会長・創業者
滝 久雄
人材育成を通じてタイのものつくりに貢献できる、TAIST-Tokyo Techプログラムを支援できることを、東工大卒業生の一人として、とても誇らしく思います。すでに、ここで育った多くの人材が今日のタイの目覚しい発展の一助となっていることは、10年近く前にこのプログラムの実現を応援した一人として、とても感慨深いものがあります。今後も、多くの学生たちが、TAIST-Tokyo Techで身につけた知識と技能によってタイの科学技術振興を担い、さらに発足が予定されているASEAN経済共同体(AEC)においてはもちろん、広く世界中の国々で活躍する人材に育つことを期待しています。そして、このプログラムが、タイと日本のよりよい交流の場の一つとして続いていくことを願っています。
(2014年9月 TAIST修了式にて)
国際舞台での修了生の活躍の場は次第に拡大し、TAISTによるタイでのものつくり人材の育成およびアジアにおけるネットワークの構築は着実に進んでいます。今後も、これまでのタイにおける人材育成はもちろん、学生交流プログラム等を通して、アジアや世界で活躍できる東工大生の育成にも取り組んでいきます。TAISTのさらなる飛躍にご期待ください。
TAIST10周年(2017年)
TAISTは、以下に記載の企業・団体様、個人様をはじめとする様々な方から支援をいただき運営しています。ここにご紹介申し上げると共に、厚く御礼申し上げます。
Bridgestone Asia Pacific Technology Center Co., Ltd