東工大ニュース
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東京工業大学の公認サークル「ロボット技術研究会」の部員で構成するチームMaquinista(マキニスタ)が、6月4日に行われた「NHK学生ロボコン2023」(主催NHK、NHKエンタープライズ)に出場し、特別賞 マブチモーター株式会社賞を受賞しました。
「NHK学生ロボコン」は1991年より開催されているロボットコンテストで、2002年からは「ABUアジア・太平洋ロボコン」の日本代表選考会として、今年は日本全国から22チームが出場しました。
競技内容は毎年異なり、2023年は“Casting Flowers over Angkor Wat”というテーマで、世界大会開催国カンボジアの名所「アンコールワット」を模したエリア内にある11本のポールに、花に見立てたリング(輪)を投げ入れる「輪投げ競技」でした。2チームでの対戦形式で行われ、大きさ、重量、安全性等、厳しい規定に沿って製作した2台のロボットで挑みます。
2台のロボットが協力して3分間チームカラーのリングを投げ入れ、各ポールの一番上にリングが乗っているチームがポイントを獲得し、合計ポイントで勝者が決まります。決められた8つのポールの一番上に自チームのリングが乗った状態を、コールド勝ちを意味する“Chey-Yo(チェイヨー)”と呼び、チェイヨー達成の瞬間、試合途中であっても勝者が確定します。
予選第1試合では、試合が開始してもすぐにマキニスタのロボットが動き出さず、先制点を取られてしまうアクシデントがありましたが、すぐに復旧して逆転勝利しました。予選第2試合では、片方のロボットがうまく動作せず、想定通りに試合を進められないまま相手チームにリードを広げられてしまい、敗北しました。その結果予選リーグは1勝1敗となり、決勝トーナメントへの進出は叶いませんでした。
マキニスタを含め多くの出場チームは、ローラーでリングを上下から挟み、モーターを回転させて射出する機構を採用していました。その際用いられる通常のローラーは円柱状ですが、マキニスタは、チーム内で「ニンジンローラー」と呼んでいるテーパー※のかかった特殊形状のローラーを開発してロボットに組み込みました。この、他のチームには見られない特徴を持つローラーの開発が評価され、マキニスタは特別賞 マブチモーター株式会社賞を受賞しました。
両側に相対する傾斜が対称的についている傾きのこと
1年間の開発・練習の成果を結果として出せなかったことは大変悔しいですが、特別賞受賞という形で残せたことは嬉しく、私たちのアイデアを評価していただけて大変光栄です。
私自身は応援のみの立場でしたが、前日のテストランでうまくいかないことが多かった中でも1勝でき、出場メンバーはベストを尽くしてくれたと思っています。今回無事に大会への出場ができたのも、日頃から応援していただいている方々のおかげです。本当にありがとうございました。
現在、私は機械系で熱流体の研究をしています。マキニスタでは材料や情報の勉強をしている人たちも活動をしていて、普段は必ずしもロボコンに関係があることを学んでいるわけではありません。少しでもロボットに興味があれば、学院や系にかかわらずマキニスタで活躍できます。私も自分の研究には直接関係しませんが、このチームで得た経験は今後の人生で必ず役立つと思っています。このような貴重な経験が積めたのも、一緒に戦ってくれたチームのメンバー、そして活動を支えてくださった皆さまのおかげです。
来年こそは優勝を目指して活動を続けていくつもりです。今後とも応援のほど、よろしくお願いいたします。
この1年間苦しいことも多々ありましたが、作り上げてきたロボットが「NHK学生ロボコン」の大きな舞台で動く喜びは、言葉では言い表せないものでした。結果としては1勝のみで大変悔しいですが、日頃の努力の成果もあり、特別賞のマブチモーター株式会社賞を受賞することができました。
大学入学後からプログラムを始めた私が、リーダーとしてチームを率いることができる程大きく成長できたのは、今まで指導してくださった先輩方や共に戦ってくれた仲間たちのおかげです。今年のマキニスタのメンバー、そして応援してくださった皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。