TASTE 海外短期語学学習(ドイツ語)夏派遣 ハノーバー大学 2019年8月5日~8月29日

TASTE 海外短期語学学習(ドイツ語)夏派遣 ハノーバー大学 2019年8月5日~8月29日

留学時の学年:
学士課程3年
東工大での所属:
工学院 機械系
留学先国:
ドイツ連邦共和国
留学先大学:
ハノーバー大学
留学期間:
2019年8月5日~8月29日
プログラム名:

留学中に受講したコース

今回の留学先はドイツのハノーバー大学(Leibniz Universität Hannover)であり、そこで行われる外国人向けの夏の語学コース( Sommer Akademie Kurs )に一ヶ月通った。

このコースはハノーバー大学の語学課が主催するものであり、後述する自由参加の課外活動費込みで600ユーロ程度であった。奨学金を受ける機会もあり、私は授業料免除と400ユーロの支給を受けた。コースにはレベル別にいくつかのクラスが用意されていた。基本的には応募時に申請したレベルのコースに配属になるが、初日のレベル分わけテストで十分な結果を出さないと、希望したクラスに入れないこともある。もちろんその逆も然り。私はTestDaFというドイツ留学に必要な資格の準備コースを受講したかったが、応募が遅く、申し込み時はB2という1つ下のクラスとなっていた。しかし、留学直前にドイツ語C1の試験に合格しており、レベル分けテストでも好成績を出せたので、TestDaFコースに入ることができた。TestDaF(またはDSH)はドイツの大学に“入学(交換留学はこの限りでない)“するのに必須の資格である。

コースでの授業内容はTestDaFとDSHの対策が全てであり、頻出の文法問題との解説や各大問の解法などのレクチャー、そしてそれぞれ4回分程度の模試を行った。各週で授業内容は以下の通りである。

  • 1週目:接続法、冠飾詞、受け身と能動態の変換等の高度な文法のおさらい。
  • 2週目:TestDaF と DSH の四技能それぞれの大問の傾向とその解法のレクチャー。
  • 3、4周目:毎日どちらかのテストの模試を行う(途中 DSH を用いた期末試験あり) 授業は合計90時間であり、週5日間午前8時半に始まり、午後1時に終了した。

私はこの報告書を帰国後9月12日のTestDaF直後に書いているが、今回のコースによって十分に準備ができたと思う。詳しくは添付するコースの先生あてに書いたテストレポートを参照してほしい。リスニングは単語を拾って、文章を再構成して回答しないといけないため、書いた回答があっているか現時点ではわからないが、それ以外の三技能では十分な実力を発揮できたと思う。

授業が13時に終了し、土日には授業がないため、毎日十分な課外活動をする時間があった。課外活動の選択肢として、自由参加の課外活動が用意されており、これはプログラム参加費に含まれていた。活動内容の詳細は添付の写真を参考にしてほしいが、ハンブルクへの遠足やドイツ語での映画鑑賞、ビール工場見学など多種多様にわたった。遠足などでは、参加の際にあらかじめアンケートで参加意思の表明が必要であったが、基本的には集合場所に行くだけでよく、お金もかからないので気軽に参加できた。もちろん個人的な趣味などを優先する人もいた。留学生は総勢60人ほどおり、この課外活動を通して他クラスの学生と仲良くなれた。学生の中にはまだドイツが苦手な人もいたが、基本的に学生同士の会話はドイツ語であった。この自由参加の課外活動以外にも週に一度のペースで友達とボルダリングにいったり、土日に観光に行ったりした。後述するが、十分早くチケットを予約すると電車もバスも安いので、都市間移動はなかなかリーズナブルであった。(〜③1260語)



④留学から得たものとして、自分自身の目標の再確認ができたことが大きいと思う。高校時代に留学を決意して、運命の導きでオーストリアに滞在し、そこで現地の生活を目の当たりにした。もともと現代社会が好きだった新聞少年だったため、日本にある根本的な問題がここでは解決されているように感じた。帰国後オーストリアで就職したいと考えた。ドイツ語圏で就職するためにはドイツ語圏の大学の修了が必須であり、そのため、もともと東工大を中退して学士から留学する予定であった。しかし、大学の環境に流されてここまで学士を続けてきた。東工大という想像よりよい大学に入学して、環境が大きく変わったことにより、毎日が新鮮に感じたのが大きいと思う。しかし、日本で感じる社会的な倦怠感と疎外感はやはり時が経つにつれて再び感じるようになってきていた。今回の留学で、再び現地の文化に触れ、自らに適合するのはやはりドイツ語圏であると感じた。よって、留学前では踏切りがつききれていなかった、ドイツ(またはオーストリア)で博士課程をするという目標が明白になった。

また、今回の留学で明白になったのは目標だけではない。課題も多く浮かび上がってきた。それは特に語学力の低さだ。ドイツ語と英語が同じ語学的な分類にあるため、1月から本腰を入れて始めたドイツ語の学習で英語の会話力が大幅に下落したことは自覚していた。一方でTOEFL ITPのために一時期英語を学習しており、スコアも570点となかなか良かったので、パッシブな英語力に関しては問題ないと思っていた。しかし、留学生同士(英語が母国語)の会話には全くついていけず、今後の授業が英語でも行われることを考えると英語力の強化が必須だとわかった。また、C1を獲得し、かなり専門的な内容まで話せるようにはなったものの、ドイツ語力にも大きな改善の余地があることは話すたびに感じている。複雑な文法と単語力が伸びしろである。これらをアウトプットでも用いることができれば、より自然な会話ができるようになると感じる。タンデムパートナーとの会話だけでなく、毎日ドイツ語のニュースを聞いて、読んで、毎日ドイツ語に触れていきたい。また、先述した英語の会話力の改善のために、これらの二言語を同時に話すトレーニングを行い、英語を話す際にドイツ語が混じる現象を解決したいと思う。(④:961語)

報告事項

ここに記入する内容は私自身にあてた備忘録を兼ねているので、思いついたことをつらつらと書いていこうと思う。そのため箇条書きを多用する予定である。もし今後この内容を参考にする人がいたら必要な情報だけを抜き出してほしい。

出国前にやること

1.医療関係

  • 母子手帳で予防接種の確認
  • 歯医者に行っておく
  • 常用している薬を 40 日分もらう

2.確認しておくこと

  • 外務省の海外安全 HP と大使館(結果論:ドイツは安全だった)
  • 保険の内容の確認(提携病院の Google Map への保存)
  • 旅レジの登録

3. 調べておくもの

  • Prepaidのsimカードの入手方法(まずスマホがキャリアフリーであることが前提。キャリアフリーについては自分で調べてほしい。ローミングはお金が飛んでくのでやめたほうがいい。結局O_2(下付)というお店で5GBとかけ放題で25ユーロで買えた。パスポートがあれば帰る。Saturnというお店では身分証に居住地が書かれていないとダメで買えなかった。中国の留学生はかなりお得なsimを中国で購入しており、もしかしたら出国前に日本でも購入できるのかもしれない(要確認)。ネットに関しては大学では使い放題(東工大より安定しており高速)なので、simがなくてもなんとかなる。)
  • クレジットカードの送金・キャッシング(現地でのキャッシングがどのような支払いになるか確認(そもそも外国で使えるか確認)。自分はヤフーカードとソニー銀行(デビット)を持っていった。クレジットカードのユーロ払いが一番手数料的に得なので、基本それを使った。キャッシングすると自動的にリボ払いになるようだった。しかし奨学金により十分な現金を最初に得たので、キャッシングとは無縁だった。カードに関しての注意点は、日本のカード会社のセキュリティーは海外では誤作動を起こすことが多々あり、実際DBという日本でいうJRみないな鉄道会社のネットでチケットを買うときには何回もセキュリティーに引っかかり買えなかった(なんどもトライすると買えたりする)。日本でDBのチケットをまとめ買いしてた時はカード会社から電話が来たりする。そのときにセキュリティーを外してもらうとちゃんと買える。この時に不安になったので、これこれの期間どこどのに留学します、と会社に伝えておいた。

4. もっていくもの

  • パスポート・身分証明証のコピー*2(財布にパスポートのコピーを入れといた。パスポートは普段はスーツケース)
  • 予備の証明写真(実際トラムの定期を買う際必要だった)*2
  • クレジットカードのコピー(無くした時用)
  • アイラック緊急相談窓口のコピー
  • 服(気温があまりに読めなかったので色々持っていった。結果として、朝は10度前後、昼は最高32度であった。空気は乾燥しており、32度とはいえ快適。ただし、7月は熱波により38度まで上がっているので、薄着は必須(ドイツにクーラーはない)。

以下持っていった服のメモ(長ズボン*1七分丈ズボン*2半ズボン*1 半袖*3 Yシャツ*2 パーカー*2 ニット*1要は温度調整できる服装下着は5セット(洗濯は寮に備え付けのコインランドイリーを用いる。一回2ユーロ)水着はあってもいいかも(泳げる課外活動のリスト参照))

  • 洗面用具(歯ブラシ、シャンプーとかは日本製万歳!とか教えられるけど、現地で買うのも楽しい。とくに歯ブラシは先端が大きくなかなか使い勝手が良いように思われる)
  • 薬(風邪薬、お腹の薬(胃腸薬と便秘下痢用の成分は違うので、体質に合うものを))
  • 小物(コンセント変換プラグ、圧縮袋、ポケットティッシュ等(隙間に詰めて緩衝材、あとドイツのと比べて薄くて使いやすい(日本製万歳!))

5.これが欲しかった(後悔)

  • 旅するなら小型のチェーンキー(スーツケースを預ける時にくくれたりと便利
  • 室内用のサンダル(スポーツシューズ一足しかなく雨降ったりすると最悪+毎回の脱ぎ履きが面倒)
  • 国際学生証(東工大の学生証が日本語で書かれているせいで博物館とかでの割引を受ける際に毎回説明する羽目に。向こうはドイツ語話せるとおもって聞いてくるので、説明する自信ない人、面倒な人はあらかじめ入手しておくと良いと思う。ちなみにハノーバー大学からは(正式な)身分証明証は発行されない(学食で使えるものはあった)。
  • 皿、フォーク、フライパン等調理用具(共用キッチンには共用の皿等はない。そのため各自購入の必要あり。フライパンは小さくても最低15ユーロから。皿もコップも高いから持っていくことをお勧めする。)

6.航空券

できるだけ早く買いましょう(今回は4月に買って往復16万円だった。時期が悪すぎる。)
まとめサイトで買う際は手荷物に注意。重量は各航空会社のHPで確認する必要あり。

7.ビザは必要なし(日本のパスポート強し)

8.語学はいつも通りに。

ドイツ語やるような人はそもそも東工大にそこまでいないと思うので、必然的にそんな人は学習方法を熟知していると思う。もし初心者で話聞きたい人は留学情報館を通して連絡ください。

留学費用

  • プログラム参加費(600ユーロ→免除)
  • 航空券16万円(オーバーブッキングの振替輸送に同意したら300ユーロもらった)
  • 生活費(学食は3~4ユーロあれば男子でも十分食べられる。それ以外は共用キッチンで自炊。スーパーを選べばかなり安く済む。自分の場合は学食込みで1日10ユーロ程度(日本での自炊と比べると高いが、調味料を揃える必要がったため、それが高かった)。ただし、頻繁に飲みに連れてかれたので、外食費はそれなりにかかった。日本並みの安さの定食屋さんはケバブ以外にないので、外食するとかなりかかる(一食18ユーロから)。
  • 寮(260ユーロ+リネン代35ユーロ)
  • 保険料(親にとりあえず一番いいやつ入っとけ、と言われて2万円のに入った。完全に掛け捨てだった。クレジットカードの保険等と比べて、物損等の内容が重複しないように選べば安くなったと思う)
  • 奨学金(ハノーバー大学から400ユーロとJASSOから8万円)

留学期間だけでいえば、結局10万円かからなかった(その後に旅行したのでそれに結構かかった。多くのコース受講生はDAADからの奨学金を受けている人も多く、大学の審査に落ちた人はこちらを試すのも良いと思った。

都市間(国家間)の電車とバスのチケット

電車はDBという国鉄みたいなところが管理しており、国家間の移動でもそこを通してチケットを購入できる。スマホにはDB Navigatorというアプリを入れるとオンラインチケットが簡単に見せられる。バスはFlixbusがめちゃくちゃ安いので時間と金額をDBと比べて安い方を選択するとよい。

住居

寮住み。個室と共用のトイレとキッチン等。意識しないと他の留学生との交流はない。夏休みのため、こちらも意識して声かけないと隣人との交流もない。申し込みはコース申し込みと同時。調理用具等は持っていくべし(隣人が親切なら貸してくれる)

困ったこと

自分自身に特に困ったことはなし。別件として、コース長のMarkusに言われたことだが、日本人は日本人で固まって他と交流を持とうとしないことが多いらしい。実際他にいた3人の日本人もそうであり、非常にもったいない時間の使い方をしていた。また、彼らは日本人の癖で、わからなくてもとりあえず頷く、愛想笑いでごまかす、ということが多く誤解による問題を起こしていた(集合時間を理解せず遅れる等)。

後輩へのアドバイス

東工大でドイツ語やりたい人はそれなりに理由とモチベーションがあると思うので、やりたいようにやってください。わからないことあったらいつでも相談受け付けます(留学情報館通して連絡)

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