キャンパス・アジア 清華大学セメスタープログラム(Tsinghua Fall Semester Program) 2018 年 9月 8日 ~ 2019年 1月 15日
留学時の学年: |
修士課程2年 |
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東工大での所属: |
環境・社会理工学院 融合理工学系 地球環境共創コース |
留学先国: |
中華人民共和国 |
留学先大学: |
清華大学 |
留学期間: |
2018年9月8日~2019年1月15日 |
プログラム名: |
留学先大学(機関)の概略
今回留学したのは清華大学です。世界大学ランキングで毎回上位にランクインしているので、ほとんどの方は聞いたことがあると思います。一応総合大学という事になっていますが、理系重視とも言われています。中国では理系の清華、文系の北京大学と言われています。面白いことに、北京大学と清華大学は道を挟んですぐ隣に位置しており、お互いの学生がお互いの授業を聞きに行くこともあるそうです。大学は五道口という、東京で言う高田馬場のように大学が集まっている場所に位置しています。主に飲み屋やショッピングモール、美容院、病院などありとあらゆる物が揃っています。大学の面積は東京ドーム87個分もあり、大学内をバスが走っています。また、学生は基本的に一人一台自転車を持っていて、授業の時間になると自転車が滝のように流れていて、道を渡るのにも一苦労です。
前述した通り、大学が非常に広く大学外に出るのも一苦労です。そのため、大学内にはスーパーマーケットや床屋、音楽ホールまで存在します。大学外に行くのは友達と飲みに行く時くらいでした。
寮について。学生の数が非常に多く、中国人学生は主に4人部屋で生活をしているようです。ただ大学院生になると、3人部屋になったり、部屋が広くなったりと多少住みやすくなるみたいです。
留学前の準備
元々帰国してから就職活動を始めようと思っていたため、特に留学により就職活動へ影響が出るといったことはありませんでした。留学先では研究室に所属しました。自分の研究テーマと関わりのありそうな研究室の教授にメールをしました。二人に送り、一人から返信があり最終的にその教授から受け入れ許可を頂き所属が決定しました。
中々、交換留学で受け入れ先を探すのは大変かもしれませんが、根気強く探すのが良いと思います。元々東工大での研究テーマが中国であったため、現地の研究室でも同じテーマで研究していました。
留学中の勉学・研究
元々、研究室には所属せず授業のみの留学を予定していましたが、出発直前に受け入れ研究室が決まったため、研究中心の留学に変更しました。ただ、最初の内は、中国語の授業なども聴講という形で参加させて頂きました。全て中国語で行われるため、もし中国語の授業を受ける予定ならば、事前に中国語の学習を進めていくことを強くお勧めします。
研究室の活動としては、毎週木曜日にゼミがあり全員発表することが義務付けられています。中々東工大で毎週進捗をメンバーの前で発表するということは無いかもしれません。最初の方は毎週研究とゼミの資料作りに追われかなり忙しく感じました。ただ、段々と慣れてきたので最後の方は特に問題を感じませんでした。私が所属するまでは中国語でゼミを行っていたようですが、教授の方針として全員が英語で発表を行うようになりました。ただ、せっかく中国に留学したので最終週には中国語で発表させていただきました。
留学中に行った勉学・研究以外の活動
特に清華大学のサークルなどには参加しませんでした。また今回はキャンパスアジアのプログラムで留学させていただきましたが、東工大のようにキャンパスアジア生向けの交流会などは一切ありませんでした。ただ、偶然KAISTから留学していた韓国人のキャンパスアジア生と知り合えたので自分から探せば交流が出来ると思います。
また旅行にも行きました。嬉しいことに日本から友達が訪中してくれて上海、そして北京観光などしました。また一人で土日を使い、成都、重慶にも旅行しました。
留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード
まず、清華大学の学生は非常に勤勉だと感じました。土日も研究室に来ており時間が空けば研究しているような感覚です。また、修士の修了要件として、論文をジャーナルに投稿しなければならず、修士論文とジャーナル用の論文を同時平行して行うなど非常に忙しそうに感じました。私も東工大生として留学している以上、しっかりと研究活動に打ち込みました。日本にいる時以上に研究したように感じられ、研究内容についても満足のいく結果が得られたように感じます。
中国人の日本への感じ方について。12月13日は南京大虐殺が起こった日と言われています。実際その日、黙祷の意を込めて中国全土でサイレンが鳴るようです。やはり中国人にとって忘れてはならない日であるようで皆黙祷していました。ただ、友達から、君は南京大虐殺についてどのように思うのか、日中戦争についてはどうなのか、日本はこれからどのようになるのかなどと歴史問題について色々質問を受けました。ある程度私は中国の歴史について興味があったので色々と話し合いましたが、あまり詳しくない人は事前に調べておいたほうが良いと思います。彼らとの話を通じて、より中国の歴史や中国人の考え方など色々と知識を深められたかなと感じています。
また中国では現地の人はあまり英語を話しません。そのため、一歩大学の外に出ると中国語オンリーの生活になるため、全く中国語がわからないと非常に困ると思います。私は留学前から東工大で中国語の授業を取っていたためある程度の会話は特には問題になりませんでしたが、専門的な話になると話がついていけなくなっていました。ただ、4ヶ月中国に生活して最終的には中国語で自分の研究を発表できるようになるなど、中国語も相当上達したと感じました。
留学費用
往復航空券はキャンパスアジアから支給されました。寮費に関しては免除という扱いです。また生活費として、中国政府から毎月3000元振り込まれました。大学内でご飯を食べる分には、一食100円程度で済むためむしろ余るくらいでした。また、地下鉄なども一回乗って100円もしないので非常に安く出かけることが出来ました。
通信費として、学生限定のSIMカードを買うと毎月1000円程度でデータ通信使い放題になります。保険は、東工大指定の保険に入りました。およそ6万円程度でした。去年から清華大学に留学する際は、中 国政府が指定した医療機関での健康診断書提出が義務付けられ、その費用として3万円程度負担しました。ちなみに私は代々木の日中友好病院で受診しました。
留学先での住居
寮は大学内にあり、徒歩1分でスーパーマーケット、食堂があり非常に便利でした。部屋は二つ、リビングが一つ、そして共有のトイレ、シャワーがあります。一応個室とはなっていますが、壁が非常に薄いため、隣人の声などうるさく感じた時もありました。外国人と中国人のルームシェアと決まっているらしく、私のルームメイトは東北出身の博士課程の中国人でした。
留学先での語学状況
述した通り、ゼミでは英語を用いて発表をしていました。特に問題は感じませんでした。私の研究の特徴として、中国語の論文を読まなければならず、辞書片手に必死に読んでいました。
そのためにも、中国語の学習は必須だなと感じました。
単位認定(互換)、在学期間
留学中履修登録をしていなかったので単位交換はありません。また在学期間の延長もありません。
就職活動
他の学生たちと同じように3月から就職活動を始める予定です。
留学先で困ったこと(もしあれば)
一度、大学の外で羊肉串を食べた時、恐らく生焼けだったらしく帰り道から腹痛、吐き気が始まり、寮に帰った時には、下痢嘔吐でトイレから出られない状態が続きました。その次の日も症状は続き、ベッドから立ち上がれない状態でした。そしてその次の日病院に行き薬の処方、そして点滴を打ってもらい、段々と症状は回復していきました。飲食店での衛生状況は場所によっては非常に劣悪でしっかり焼けているかどうか確認してから食べたほうが良いと思います。
留学を希望する後輩へアドバイス
キャンパスアジアのプログラムで派遣していただきましたが、未だに韓国に留学する人が多く感じます。恐らく語学の問題による事だと思いますが、清華大学でも英語の授業が開講されているため、英語だけでも留学することは可能です。日中友好のためにももっとたくさんの学生に中国留学してもらいたいと思います。