キャンパス・アジア 清華大学サマースクール (Tsinghua International Summer School ) 2017 年 7 月 16 日 ~ 2017 年 7 月 29 日

キャンパス・アジア 清華大学サマースクール (Tsinghua International Summer School ) 2017 年 7 月 16 日 ~ 2017 年 7 月 29 日

留学時の学年:
修士課程2年
東工大での所属:
情報理工学院 情報工学系 知能情報コース
留学先国:
中華人民共和国
留学先大学:
清華大学
留学期間:
2017年7月16日~2017年7月29日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概略

清華大学のサマースクール、「Tsinghua International Summer School」というテーマ研究型のプログラムに参加しました。

7つの分野(Architecture, Creative City, Environment, International Relations, Industry Frontiers, Urbanization, Gender)から1つを選択し、そのテーマに関する講義、ディスカッション、フィールドトリップ、プレゼンテーションを通じて、現代中国の社会的な問題について学びます。

留学前の準備

大学院1年の秋ごろから準備をはじめ、大学院2年の夏の2週間で留学しました。修士2年夏は、一般的にはちょうど就活が終わる時期で、就活に割いていた時間をすべて修論に使えるようになります。どちらにも影響が出ないよう就活から修論への移行期間を留学に充てること に決めました。修士の間に海外で勉強する機会が得られたのは、期間・費用・内容的にも自分のイメージと合致したプログラムを見つけることができたからだと思います。

留学に必要な情報は、留学生交流課のCAMPUS Asia 事務局の方々に直接教えて頂くことが多く、手続きや準備はメールでのやり取りで行いました。不安なことがあればすぐに相談できたので助かりました。語学の準備として、プログラム参加に必要な英語のスコアをとるための勉強以外には、専門知識として重要な単語を事前に予習しておきました。ビザは2週間の滞在では必要ありませんでした。住居はプログラムの支援内容として、清華大学内の宿舎を無償提供してもらいました。

留学中の活動及び感想

プログラムではUrbanizationを選択しました。中国の急速に発展する都市の中での人々の生活や交通の問題にフォーカスし、実際に現地を見て回りながら学ぶということがこのコースのコンセプトでした。2週間のうち、授業では 中国の都市化や都市計画について座学を受け、フィールドワークでは天壇・北京市規劃展覧館・798芸術区・万里の長城・北沟村を訪れました。その他、単位取得に必要な成果として課題が設定され、1週目は個人レポートを提出し、2週目はグループワークで、座学とフィールドワークで得た知見を基にポスター作製とプレゼンテーションを行いました。

中国・北京の街並みを見て、日本人が想像している以上に中国は発展していることや 、技術 ・能力・マンパワーがあることを 肌で感じました。また、海外の学生は講義やフィールドワークの途中で気になったことがあれば、躊躇なく質問をしていました。授業中に質問があるか聞かれてもなかなか生徒から質問が出ない(しにくい)日本とは、かなり環境が異なると感じました。



留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

私は特にグループワークや ディスカッションが印象に残っています。自らの意見を英語で表現して、現地の学生や海外の学生と議論を交わすのはとても 大変でした 。英語の難がある分チームの足を引っ張ることもあり、険悪な雰囲気が流れることもありましたが、最後までやり遂げたときには経験したことのない達成感と開放感を得ました。

また、チームのメンバーとは放課後に学内でサッカーをしました。プログラム内だけの関わりではなく、こういった時間を共有できたことは結果的にグループワークをする上でも有意義なものになったのではないかと思います。



留学費用

留学に関する費用はほとんどかかりませんでした。プログラム参加費(授業料)は免除され、住居費も 大学の宿舎に泊まることができたので必要ありませんでした。生活費として200元がチャージされた学内用パスが参加者全員に配布されました。また、奨学金を申請することができ、渡航費はそれを充てることができました。そのため、自己負担は保険代とお土産代に留まりました。

留学先での住居

清華大学内の宿舎は、申し込みは必要なく、プログラムの初日に本人確認を行うのみで、一人一部屋用意されていました。部屋には机、ベッド、クローゼットが付いていました。シャワーとトイレ、簡易キッチンは2部屋につき1つ共用でしたが、別の棟では1部屋にすべて備え付きの部屋もあったそうです。

留学先での語学状況

留学期間中は英語を使用 しました。ただ、留学前のTOEICやTOEFL等の英語試験は結果が振るわず、留学中も苦労しました。最低限の会話はこなせるものの、専門性のある議論となると難易度が上がったように感じられ、うまく話すことができませんでした。他の留学生は母国語が英語であったり、そうでない学生もほとんどが英語を流暢に話すことができ、語学に難のある学生は少なかったように思います。

単位認定(互換)

プログラムは清華大学の単位として認められており、2単位分の成績が付きます。成績証は、プログラム終了後1か月ほどでメールにて送付されます。取得した単位は東工大で「グローバル理工人研修アドバンスト1A」として認定されるそうです。卒業に必要な単位をすでに取得していたため、今回は単位互換を行いませんでした。

留学経験を今後、どのように活かしたいか

今回の留学で、中国と自分の国である日本のことを更に深く知りたいと思いました。2週間という短い期間では、中国はおろか北京でさえも、その全容や人々の生活を把握することは難しいと感じました。また振り返ると、自分自身日本についてもよく知ることができていないと気が付きました。

専門とする建設・土木の業界で今後生きていく上で、実際に現地を見ることは新しい知見を得ることにつながるということを再認識しました。少子高齢化が進む世界でも稀な先進国である日本の対応を、今後同じ状況になっていく国々にノウハウやアイデアとして提供することができればと思っています。

留学先で困ったこと(もしあれば)

自身の語学力です。英語を使った交流や議論がメインとなるようプログラムが組まれているだけあって、先生や他の留学生との会話は必要不可欠です。うまく意思が伝わらなかったり、話すスピードが速くついていけないことが常でしたが、メンタルが折れない程度にしつこく話し続けることを心掛けました。

プログラムには世界中の大学から生徒が集まるので、様々な国の人と会話できるこの環境はとても良いと思いました。日本人が少ない環境でもあると聞いていたので、半ば強制的に日本語を話せない環境に身を置くことも成長につながるかと思います。

留学を希望する後輩へアドバイス

留学のハードルはそこまで高くないということです。海外で勉強することに興味があっても、語学力の不安や、授業や研究・論文、就活への影響を考えるとなかなか留学しにくいなと考えている人ほど、一度留学生交流課に相談に行ってみるのが良いと思います。東工大は 支援も制度も厚く提供されているので、うまく利用して積極的に留学してほしいと思います。



この体験談の留学・国際経験プログラム情報