キャンパス・アジア KAIST Fall Exchange Program <Course-Oriented> 韓国科学技術院(KAIST) 2016 年 9 月 15 日~ 2016 年 12 月 22 日

留学時の学年:
学士課程3年
東工大での所属:
工学部 機械科学学科
留学先国:
大韓民国
留学先大学:
韓国科学技術院(KAIST)
留学期間:
2016年9月15日~2016年12月22日
プログラム名:

留学先大学の概略

国立特殊大学(科学技術省が一流研究者の育成などを目的にして設立した国立大学)である.全ての講義が英語で行われている.2016年度QS世界大学ランキングでは,46位である(東工大は,56位).授業料を払う必要はなく,院生は給料が出る.韓国人は,2年間の兵役が義務付けられているが,KAISTで研究することで,兵役が免除される.

世界中のトップ大学と協定を結んでおり,交換留学も活発に行われている.講義が英語であることもあり,欧米からの留学生も多く在籍していた.

留学前の準備

学部で留学した場合:研究室配属、学士論文研究、就職活動または大学院入試と留学との兼ね合いを含め、卒業までの計画をどう立てたか

3年の前期で,卒業研究以外の,卒業に必要な単位は揃っており,研究室配属もまだだったので,特別何か準備はしていない.

その他、留学情報の入手方法、専門分野・語学の準備方法、留学先の研究室に所属した場合は、留学先大学の指導教員との準備、ビザ取得方法、住居の探し方など

グローバル理工人コースのメールにより,このプログラムを知った.留学先の研究室は,研究室のホームページにより決めた.どの研究室もすべて,韓国語だけでなく,英語でも書かれていたため,苦労しなかった.留学先の指導教員とは,メールでやり取りをしたが,基本的に大学に着いてから,話し合うという方針の方だったため,いつ頃行くか程度のことくらいしかやり取りはしていない.KAISTのコー ディネーターの方が,寮の手続きをしてくださったので,自分では何もしていない.ビザは,KAISTから送られてきた書類にサインをして,韓国領事館で手続きをし,2日ほどで取得できた.

学部3年で研究経験がなかったので,教員や先輩などから,研究についていろいろ聞いていた.また,あらかじめ考えていた,研究分野に関する勉強もしていた.このプログラムの前に,他のグローバル理工人の留学プログラムにも参加しており,そちらで英語でディスカッションをしたりして,英語の勉強をしていた.他にもPodcastやYouTubeなどを活用して,リスニングの勉強をしていた.

留学中の勉学・研究

授業登録の有無、授業や研究方法についての感想
※履修登録した科目と履修結果、また、その結果についての自己分析(この部分はHP非公開です)

研究のみのプログラムであったため,授業は取ってない.主に,水上や水中での自律移動ロボットに関して,制御や画像認識,経路決定など様々な研究を行っている研究室に所属し,研究をした.3年で,十分な知識や研究時間が少なかったこともあり,教授から,新しい研究を行うことは厳しいとのアドバイスを受けた.そこで代わりに,研究室のロボットの,実験や解析で使われるソフトウェアを開発していた.また,週に1回,研究室の学生2人が自分の研究成果をそれぞれ1時間程度で発表するセミナーがあり,それに参加し,最先端の研究について学んだ.帰国直前に,このセミナーで自分の開発したソフトウェアについて発表をした.

また,博士課程の人の指導を受けながら,ロボットの研究をしていく上で必要な知識などを勉強していた.

留学中に行った勉学・研究以外の活動

ボランティア、インターンシップ 、旅行、スポーツなど、幅広く体験を教えてください

隔週で週末に,ソウル,全州,群山,順天などを観光した.韓国語が分からないと,観光するのも厳しかったので,至る所で知り合った他の留学生に,観光に行くことがあったら誘ってと声をかけておき,観光に行く際について行った.観光当日に,初めて会う人がほとんどだったが泊まりで行くことが多かったので,すぐに仲良くなることができた.

バドミントンクラブに参加し,金曜の夜に2時間ほど,バドミントンをしていた.留学生向けのクラブで,他の留学生と仲良くなって,ご飯を食べに行ったり,一緒に観光に行った.

留学生向けに,いろいろと観光などを企画するサークルがあり,そこが企画したイベントやフィールドトリップなどにも参加した.たくさんの留学生と知り合うことができた.

また,留学生交流課が主催して,いろいろな国を紹介するイベントが月1回ほどあり,時々参加していた.

ノーベル賞受賞者や,ロッキードマーチンのCTOなどが講演していたので,参加したりもしていた.他にも海外の有名な人が講演に来ていた.翻訳する必要がないので,呼びやすいのだろうと思った.

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

他国の学生等との交流、海外における勉学・研究等の学校生活や日常生活を経験して、自身の成長を実感したことと思います。留学前に立てていた目標に対する達成度や苦労話など、何でも結構ですので、自身の成長を実感した中で一番記憶に残っているエピソードを教えて下さい。

一番記憶に残っているエピソードを決められないので,成長したと思うことをいくつか箇条書きする.

  • KAIST内に自分以外日本人がいないという状況で,どう生きていくか,どう人を頼るかなど,サバイバル能力がついたと思う.もちろん英語力もついた.
  • いろいろな問題や苦労に,絶え間なく遭遇したおかげで,少しのことでは動じなくなったなど,メンタル面がすごく鍛えられた.
  • これからどのような勉強,研究をしていくかがある程度明確になり,将来どのように生きていくかも考えることができた.
  • 海外で研究したり,国際学会などで発表するためにどの程度英語力が必要なのか知ることができた.

留学費用

渡航費、生活費、住居費、保険料、奨学金の有無など。

渡航費:行きの飛行機は35,402円で,帰りの飛行機は27,000円だったが,帰りの飛行機代は大学が出してくれた.

※2019年4月現在、往復航空券をプログラムから支給しています。(事務局追記)
  • 生活費:食事代やコーヒー代,観光費などを合わせて,毎月およそ3-4万円使っていた.また,寝具,ドライヤーなどで1万円ほど使った.
  • 住居費:寮費は,毎月50,000won(およそ5千円).
  • 保険料:大学指定の保険のEタイプに加入した.保険料は,39,340円.
  • 奨学金:このプログラムから,毎月800,000won(およそ8万円)頂いていた.しかし,振り込まれるのが遅く,最初の1か月は自分のクレジットカードで支払いをしていた.

留学先での住居

寮の有無、申し込み方法、ルームメイト、その他

大学の寮に住んでいた.寮の手続きは,KAISTのコーディネーターの方がやってくださった.ほとんどの寮は,メインキャンパス内にあるが,メインキャンパスの外にある寮に住んでいた.キャンパスアジアの学生は,この寮になることが多いそう.寮から大学までは,大学のシャトルバスで30分ほどかけて通学した.遠い以外は特に問題はない寮であった.

寮は,2人1部屋で,机やベッド,クローゼットなどの基本的なものは常備されていた.シャワーやトイレも部屋の中についていた.ただ,布団や枕,ドライヤーはついていなかったので,自分で買う必要があった.洗濯は,無料でできたが, 乾燥機を使う際は100円ほどかかった.Wifiは無料で使えた.ルームメイトは最初の1か月はいなかったが,途中からできた.大学内の寮で罰則を犯して,移動になったそうである.ウクライナ人であった.最初にルームメイトと,どういう生活スタイルか話し合っておくとよいと思う.

寮の管理人は英語が話せなかったので,Google翻訳を使ったり,あらかじめ用事が決まっているときは,韓国人の友達にメモを書いてもらった.

留学先での語学状況

例えば、授業、研究には○○語が必須だが、生活は○○語を利用。留学前のTOEFL等語学試験は、○○だったが、十分であった(最初の2,3ヶ月は苦労した)など。

研究室では,全て英語だけで活動ができた.大学内では,学生はほとんどの人が英語を話せるが,学食のおばちゃんや,カフェ,雑貨店では,英語がほとんど通じなかった.寮の管理人も韓国語のみであった.大学回りの飲食店や,日用品店などでは,英語が全く通じなかった.電車は,英語表記があるが,バスは全て韓国語であった.

このプログラム以前に何個か留学プログラムに参加していたため,英語での日常会話などで は,完璧に聞き取れたり,流暢に自分の言いたいことが言えるわけではないが,なんとかコミュニケーションは取ることができた.スペイン人とアイスランド人が研究室にいたのでよく会話して英語の練習をしていた.KAISTの学生は,確かに英語ができるが,ネイティブレベルというわけではなかったので,話すのが早くてついていけないなどといったことはなかった.しかし,ラボのセミナーなどを通して,国際学会で発表するためには,相手の言っていることは当然すべて理解した上で,自分の意見をしっかり伝える必要があり,もっと英語力を上げる必要があると感じた.
TOEFLは受験したことがない.

単位認定、在学期間

留学中に取得した単位の認定を東工大で行ったか(行う予定か)?在学期間の延長を行ったか?

単位認定を行う予定はない.また,在学期間の延長もしない.

就職活動

留学先で行ったこと、また帰国後どのように活動する(予定)など。

大学院に進学する予定なので,就職活動はしていない.

留学先で困ったこと(もしあれば)

韓国語が話せないことで,いろいろ苦労することはあったが,それが原因でトラブルに巻き込まれることはなかった.
最初の日に布団がなく,次の日自分で買いに行く必要があった.

留学を希望する後輩へアドバイス

この留学プログラムは,他の派遣留学プログラムと比べて,コーディネーターの方がいろいろと手続きをしてくださる ため,自分で面倒な手続きをする必要がなく,また,毎月十分な額の奨学金がもらえるため,自分で一切費用を負担しなくても留学ができます.自分は学部生だったため,1セメスター在籍する必要がありましたが,院生であれば1か月以上から手軽に留学を経験することができます.留学したいけど,いろいろ面倒な手続きがなぁとか,経済的に厳しいという人には本当におすすめのプログラムです.

また,KAISTは東工大と同じようにレベルの高い研究をしており,研究室でも英語だけで活動することができます.さらに,交換留学生がとても多く,特にドイツやフランスからは1セメスターに30-40人ほど来ており,積極的に行動すれば,韓国にいながら世界中に友達を作ることができます.欧米の人と韓国を旅行するという,とても珍しい体験をすることができます.普段とは違う研究室で研究をしたい,世界中に友達を作りたいという人にもおすすめのプログラムだと思います.

東工大にはいろんなプログラムがあるので,少しでも興味があるならとりあえず参加してみるといいと思います.

最後に観光などで撮った写真を載せます.







この体験談の留学・国際経験プログラム情報