キャンパス・アジア KAIST Fall-Winter Program <Research-Oriented> 韓国科学技術院(KAIST) 2017 年 8 月 27 日~2017 年 9 月 15 日

キャンパス・アジア KAIST Fall-Winter Program <Research-Oriented> 韓国科学技術院(KAIST) 2017 年 8 月 27 日~2017 年 9 月 15 日

留学時の学年:
学士課程3年
東工大での所属:
生命理工学部 生命科学科 生命情報コース
留学先国:
大韓民国
留学先大学:
韓国科学技術院(KAIST)
留学期間:
2017年8月27日~2017年9月15日
プログラム名:

留学の概要

TKT CAMPUS Asia(日中韓先進科学技術大学教育環高度化プログラム)のうち、KAISTの“Research Oriented Program”に参加し ました。このプログラムでは、KAISTの研究室に所属し研究活動を行うことができます 。私はDepartment of Biological Sciencesの研究室に3週間所属し、神経細胞に関する実験チームに加わりました。9月からは週2回の韓国語の授業も受講しました。

留学前の準備

ビザ取得

私は“D-2-8 Short-term Exchange Student Visa”を申請しました。ビザ取得に必要な書類のほとんどは、KAISTのコーディネーターさんが準備してくださいました。私の場合、金曜日にビザ申請を行い、翌週の火曜日に受け取ることができました。申請中はパスポートを領事館に預ける必要があります。

受入先研究室との連絡

プログラムの申し込み時に、自分の興味のある分野の研究室を5つリストアップしたところ、KAISTのコーディネーターさんがその中から受け入れ可能な研究室を手配してくださいました。私は第一希望の研究室に所属することができました。研究室が決定するまでには3週間ほどかかりました。研究室が決定した後は、KAISTの教授にメールで連絡をとり、研究内容について相談しました。

留学中の活動

研究室

私はKim Eunjoon教授の研究室 “Synaptic Brain Dysfunctions Lab” に所属しました。この研究室では、神経細胞におけるシナプス接着分子をターゲットに、自閉症や統合失調症といった精神病のメカニズムの解明や、新しい治療法の確立を目指した研究を行っており、私も実験チームの一員として参加することができました。研究を進めるにあたって必要な基礎的知識の導入から、実験で使用する遺伝子改変マウスの管理、遺伝型の特定、ノックアウトマウスの社会的行動や脳疾患の発病率の追跡などを行いました。新しい知識や実験手順を覚えるのは大変でしたが、分からないことを調べるたびに理解が深まり、実験スキルも身についていくことを実感しました。東工大の授業で習得したことを、実際の研究に応用することができたことも嬉しかったです。英語での研究ディスカッションに参加することができ、英語力にも自信がつきました。研究の現場というのを学部3年生で、英語漬けで、体験できたのは本当に貴重な経験でした。

授業

韓国語の初級クラス(19:00〜21:50)を週2回受講していました。夕方まで研究室で活動した後に約3時間の授業を受けるのは大変でしたが、授業に参加する度に新しい韓国語を学ぶことができ、それを実生活ですぐに応用できる楽しさが良いモチベーションとなりました。一緒に授業を受けるクラスメイトも海外からの留学生だったので、韓国での生活やお互いの国の文化などについても語り合うことができ、とても楽しかったです。初回の授業はハングルの読み方から教えていただけるので、韓国語の勉強をしたことがない私でも安心して始めることができました。

休日

最初の週末はKAISTの留学生の紹介で、Daejeonのバレーボールクラブに参加することができました。クラブのメンバーは高校生から社会人までと幅広く、バレーをしながら多くの方とお話できる良い機会になりました。スポーツを通じて交流を深めることができ、現地の新しい友達が増えました。

KAISTの“Buddy Program”のパートナーもDaejeonを案内してくれました。水族館や市場を巡り、Daejeonで有名な 伝統料理のお店へ連れて行ってくれました。現地の友達の存在が本当に心強かったです。

翌週は 研究室の方がSeoulを案内してくださいました。研究室の方の家族と一緒に、Seoulの世界遺産や観光スポットを訪れました。Seoulの訪問を歓迎してくださりとても嬉しかったです。幸運にも、韓国の伝統的な結婚式に招待していただき、その様子を見学することができました。

翌日はKAISTのISSS(International Scholar and Student Services)主催のField tripでJeonjuを訪れました。Jeonjuは歴史ある地区で、美しい伝統的街並みを見学することができました。歴史を学びながら、美味しいビビンバも食べ、楽しい1日を過ごすことができました。

留学費用

CAMPUS Asiaの手厚いサポートのおかげで、留学にかかる費用は奨学金でほとんどカバーすることができました。韓国語の授業料、テキスト代、Field trip代もKAISTから支給されました。

  • 渡航費:往復44,000円(東工大より支給)
  • 食費:10,000〜15,000Won/日
  • 住居費:寮費165,000Won+bedding expenses 50,000Won
  • 保険料:8,138円(AIU損害保険Bプラン+危機管理サービス)
  • 奨学金:800,000Won

私はMain CampusのNarae Hall (W6) に滞在しました。研究室から徒歩10分ほどの場所だったので、大変便利でした。この寮は留学生が多いようで、ラウンジなどでは様々な言語が飛び交っていました。寮にはジム、コンビニのほか、洗濯機、乾燥機、ウォーターサーバーがあり、快適に過ごすことができました。オンキャンパスだったため、Wifiも利用できました。時々接続が悪くなることもありましたが、無料で利用できるので助かりました。

私の部屋は二人部屋で、最初の週は一人で生活していました。二週目以降はカナダから来た学生とルームシェアしました。ルームメイトと一緒に食事をしたり、お互いの国や将来の夢などについて語り合ったりして、研究室から帰った後も充実した時間を過ごすことができました。寮に戻っても英語で会話できる生活は本当に良い環境でした。

食事

キャンパス内のカフェテリアやキャンパスからすぐ近くのレストランで食事 することが多かったです。キャンパス内には多くのカフェテリアがあり、韓国料理はもちろん、日本料理や中華料理なども充実していました。カフェテリアなら一食3,500〜5,000Wonほどです。支払いは現金でも可能ですが、クレジットカードやデビットカードがあるとスムーズで便利でした。キャンパスの外にも多くのレストランがあり、現地の学生に案内してもらいながら、毎回違うお店やメニューを試していました。

交通

韓国にもT-Moneyと呼ばれる、SuicaやPasmoと同じような交通系ICカードがあります。KAISTの留学生はKAISTオリジナルのT-Moneyカード (3,000Wonチャージ済み) をいただくことができました。地下鉄やバスに乗る時には、このT-Moneyカードを利用すると大変便利です。

韓国のタクシーや高速バスは日本よりも安く利用できました。

  • 金浦空港〜Government Complex(KAIST近くのバス停):バス14,300Won
  • Government Complex〜KAIST:タクシー 3,900Won

※タクシーの運転手さんと英語でやりとりするのは難しかったです。事前に目的地を韓国語で書いた紙を用意すると安心です。

週末にソウルへ行った際にはKTXを利用しました。高速バスと比べると高いですが、目的地まで快適に過ごすことができました。

Daejeon Station〜Seoul Station:KTX 23,700Won

留学先での語学状況

研究留学するのは初めてだったため、専門分野の英語力まで十分かどうか不安でしたが、いざ研究を始めてみるとそれほど 問題なく 理解する ことができました。(私の専門分野がバイオロジーだったことも関係しているかもしれません。)英語で研究を進めることで、むしろ論文も読みやすくなりました。分からないことが出てきても、英語でやりとりして学ぶことができるので、英語力を伸ばすためには最高の環境だったと思います。

単位認定

生命理工学部の「生命海外研修第二」(2単位)を申請しました。これは海外で生命に関する研究活動やインターンシップを行った際に認定される科目です。

感想

私は東工大の授業の都合上、3週間の留学となってしまいましたが、もし時間が許すのであれば、もっと長期で研究を続けたいと感じました。本当に多くの方が韓国やKAISTに来たことを温かく迎えてくださり、親切にしてくださいました。海外での生活は慣れないことが多く、不安になることもありますが、現地の 友達や研究室のみなさんのおかげで、韓国での滞在を楽しむことができました。留学先の大学にサポートしてくれる方がいるだけで、どれほど心強いかということを実感しました。優しく声を掛けてくれる人の存在が、心の距離をぐっと縮ませてくれました。帰国後は、韓国の友達や研究室の方が助けてくれたように、私も東工大の留学生のサポートができればと思いました。

このプログラムに参加し、Kim Eunjoon教授の研究チームに加わることができて本当に良かったです。神経科学の研究はやはり興味深く、本気で取り組みたい分野だと感じました。専門知識、研究スキル、英語力、どれも今後の学生生活でさらに磨きをかけていきたいと思います。

留学を希望する後輩へアドバイス

CAMPUS Asiaの魅力的な点は、協定校同士のプログラムであるため、研究室配属の手続きやビザの申請がスムーズで、留学期間を自由に設定できるところにあると思います。 私は今回の留学費用は全て自分で用意しようと思っていたため、奨学金のサポートが手厚いところも大変助かりました。将来やりたいことが決まっている人もそうでない人も、海外で授業や研究に励むことで、新たな目標や夢が見つかると思います。それが、次のステップへと歩み出す自信や勇気につながると感じました。新しい人々や環境との出会いが、今後の学生生活や人生をより豊かにし、かけがえのない財産となると思います。私はCAMPUS Asia のおかげで、学部3年生のうちから海外での研究を体験することができ、将来の夢に向けた新たなモチベーションが生まれました。CAMPUS Asiaの留学に関して質問などがありましたら、いつでもご連絡ください。

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