キャンパス・アジア KAIST International Summer School <Research-Oriented> 韓国科学技術院(KAIST) 2019 年 8 月 12 日 ~ 2019 年 9 月 6 日

キャンパス・アジア KAIST International Summer School <Research-Oriented> 韓国科学技術院(KAIST) 2019 年 8 月 12 日 ~ 2019 年 9 月 6 日

東工大での所属:
理学院 物理学系
留学先国:
大韓民国
留学先大学:
韓国科学技術院(KAIST)
留学期間:
2019年8月12日~2019年9月6日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概略

8月12日から9月6日までのおおよそ一か月間、韓国のKAISTにて研究型のサマープログラムに参加させていただいた。KAISTは、ソウルと釜山のおおよそ中間に位置する大田市にある理系専門大学である。韓国ではトップクラスの大学であり、理系学部がメインであることから日本でいうところの東工大に近いような位置づけであると思う。

KAISTのメイン キャンパスは大岡山キャンパスと比べると 圧倒的に大きく、いくつもの寮の建物や、食堂、売店、カフェなどがあり 、学生の生活はキャンパス内で完結できるようになっている。 キャンパス内には大きな池や小さな森などもある。 何羽もの大きなガチョウが道路を渡っているのを 毎日見かけることができる。また、キャンパスの目の前には川が流れていて見晴らしの良く 芝生が一面に広がっており、学校内外ともに自然豊かなところである。

留学前の準備

研究室選びに関してはどの分野も自分にとっては新しかったため、興味のある内容をやっている 研究室をいくつかリストアップしてそれぞれのホームページに行って詳細を調べた。最終的には希望の研究室を5つほどに絞ってKAISTのコーディネーターの方に伝えた。その後はコーディネーターの方が私が提出した希望順にしたがって各先生へ連絡してくださり最終的な研究室を決定していただいた。研究室が決定してからは先生に連絡し、自分の興味のある内容を伝え、相談しながら滞在期間でのテーマを決めていった。

これと並列してKAISTのコーディネーターの方に必要な書類を送りつつ、VISAの取得などを行った。航空券に関しては東工大の事務の方に準備していただき、寮の手配などはコーディネーターの方に行っていただいた。そういう点でありがたいことに準備に関して自分で行うものはあまりなかったと記憶している。

事務手続き以外では、自分のテーマの内容に関連した本を図書館で借りたりネットで調べたりと基本的なことに関しては勉強した。それと同時にその分野で頻繁に出てくる英単語なども調べておいた。

韓国語に関してはハングルの読み方やちょっとしたフレーズなどを軽く勉強しておいた。ハングル文字は簡単なのですぐに読めるようになるし、街中などで文字を読む機会もしばしばあるので渡航前にやっていくことをお勧めする。

留学先での住居

KAISTの寮のほとんどはメインキャンパスもしくは少し離れた小さなキャンパスの敷地内にあるが、今回滞在したのはキャンパス外にある唯一の 男子寮であったため、毎日KAISTのシャトルバスを使い片道30分ほどかけて行き来していた。自分と同じ時期にキャンパスアジアのサマープログラムに参加していた清華大学の男子生徒も同じ寮に宿泊していた。女性はメインキャンパスの女子寮に空きがあるのでそこに滞在していた。値段に関しては利便性からメインキャンパスよりも安い価格となっている。

部屋は別のプログラムで半年ほどKAISTに来ていた大学院の学生との二人部屋であった。彼は毎 朝早く寮を出発してしまい、帰りは お互い夜遅くに帰ってくるため日中会話する機会はほとんどなかったが、夜にお互いの一日を話し合ったり、おすすめの観光スポットを教えあったりと楽しい 寮生活が送れた。その他にも寮内には外国人留学生が多くいて、フレンドリーな人が話しかけてくれたりと友達を増やすこともできた。

留学中のプログラム内の活動及び感想

研究室の人はみんなフレンドリーでとてもやさしくしていただいて充実した一か月間を送ることができた。到着した最初の週にはウェルカムパーティーを開いてくださり、先生も含めてボーリングへ行きそのあとには韓国料理を楽しんだ。研究に関しては研究室の院生が自分についてくれて基礎から教えてくださった。わからないことがあると夜遅くでも丁寧に説明してくださりとても感謝している。

研究室には毎朝大体10時くらいに到着するように寮を出ていた。お昼ご飯と夜ご飯は研究室のメンバーと学内の食堂に行くことがほとんどであった。時々、寮でできた新しい友達や同じプログラムできている清華大学の人たちとキャンパスのすぐ横にある様々な飲食店が並ぶところへ行くこともあった。帰りは 大体夜9時、10時くらいであった。コアタイムは無く、登下校時間は自由であったが自分に足りないことを調べたり、一か月という限られた時間しかないので研究室のメンバーと専門の話や大学の話など様々な会話をした。研究室のメンバーは勤勉な方が多かったので夜遅くまで残っている人も多かった。他の研究室にいる清華大学の生徒は夕方6時くらいには帰宅していたりと、時間は自由に使うことができた。

今回はResearch-Oriented型であったので授業の履修は含まれていなかったが、週に二回夜7時から9時までの二時間の韓国語の授業だけはプログラムに含まれていた。自分よりも前にこのプログラムに参加した人たちに話を聞くと、毎年先生が違うそうで、内容も異なるようであった。私の先生は文法などについての授業はあまりなかったので韓国語力はあまり上がらなかったが韓国の文化であったり観光スポットの歴史などを教えてくださった。(韓国語が学びたい人は事前に自分で勉強するのが良いのかもしれない。)

プログラムには一泊二日のField Tripが含まれていて、KAISTがある大田市から少し離れた歴史的な町へ行き博物館などを回った。プログラムのメンバーとははじめの方はあまり会う機会がなかったのでこの旅で仲良くなることができてとてもいい思い出となった。

留学中のプログラム外の活動及び感想

Field Tripがあった週を除き、毎週土日は時間があるので初めての韓国を満喫しようとKTX(韓国でいう新幹線のようなもの)を使って釜山やソウルなどへ出かけた。交通費は日本に比べるととても安いので気軽に他の都市に行けるのはよかった。みんなでゲストハウスに泊まったり、現地で有名な料理などを食べたりと充実した休日が過ごせた。毎週とにかく休日は歩くことが多く、一日で20km以上を歩くことも少なくなかった。町ごとに違った雰囲気や人柄を感じることができてとても楽しかった。

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

まず研究について。派遣先の研究室での内容は自分にとっては新しいものであったが、研究室の先輩や先生との会話から徐々に理解を深めていけたことはとても楽しかった。また、最後には自分がこの一か月間何をしたのかということをみんなの前で発表させてもらう時間をいただき、難しいことをわかりやすくかみ砕いて説明するいい練習となった。このプログラムに参加した理由の一つとして、自分の専門である物理に焦点をあてた留学がしたいという思いがあったので、それを実現することができたので今回の留学の経験は非常に貴重なものとなった。

文化の違いについて。韓国の方は初対面の人とでもあまり壁を感じずに話す方が多いと感じ、会話という面に関しては日本人よりも人との距離感が近いような気がして非常に過ごしやすい雰囲気であった。今回の滞在で会った方はどの人もとてもフレンドリーに接してくださり、こちらが困っていることがあると進んで助けてくれる暖かい人たちであった。日常のなかでも日本人とはちょっとした考え方の違いであったり、振る舞いなども見ることができてとても良い経験となった。また、それらの違いについて話し合うのも楽しかった。日本人と顔が似ていることもあり無意識のうちに自分たちと同じ常識を共有していると考えがちではあるが、実は小さな違いなどがあるということを実感していく過程はとても興味深くておもしろかった。

留学費用

航空券や海外保険なども負担していただくだけでなく、KAISTからも奨学金をもらっているので生活費と寮費はその奨学金で賄った。経済的支援がとても充実していて非常に助かりました。私が今回使っていた寮は月に65,000KRWであった。奨学金をゲットできるまでは時間がかかるため、 はじめの1,2週間は持参したクレジットカードで支払いを行った。

Wi-F iに関しては今回の滞在ではポケットWi-F iは借りなかった。また、simカードに関しても購入しなかった。(僕のスマホがsimに対応できなかったため。)キャンパス内と寮内ではWi-Fiが通っているが、週末に外出することを考えるとレンタルしておくと困らず便利だと思います。

留学先での語学状況

研究室では基本的に英語であった。日常会話などの英語力に関してはお互い母国語ではないため大した差は感じなかった。ただし専門分野についての会話となるとKAISTの学生は英語で授業を受けていることもあり流暢に話すと感じた。

キャンパス内ではほとんどの学生が英語は話せるため困ることは無かったが、一歩キャンパスを出ると日本のように英語が通じるところはとても少なかった。私は韓国語は話せないが、感謝の言葉や簡単な単語などは韓国語で伝えるようには心掛けた。

単位認定(互換)

自分の所属している系に対応するような科目が無いので単位認定をする予定はない。

留学経験を今後、どのように活かしたいか

国で自分がしてもらったようなことは周りの人にもしていきたい。今回できた研究室や、寮、プログラムでの友達とは引き続き交流を続けてお互い切磋琢磨していきたい。一か月間一人で海外で過ごすのは初めての経験であったが問題もなかったので自信につながった。

異なったバックグラウンドを持つ人たちと議論を交わして研究を行うことの楽しさを知ったので今後もこのような機会があれば積極的に参加していきたいと思う。

留学先で困ったこと(もしあれば)

基本的には困ったことはなく快適に過ごすことができた。小さなことでもコーディネーターの方に相談すればなんでも対応してくださり感謝している。

ただし、寮がキャンパスから離れていてシャトルバスを待たなければいけなかったことや、寮の周りにレストランやコンビニがなかったのは不便に感じた。その分、寮費は安いので他にお金を使えると考えるようにしました(笑)。平日でも2am,3amくらいまでバスがあるため終バスを逃すことは無いと思う。

留学を希望する後輩へアドバイス

海外へ行くだけでなく、自分の専門科目に関連した留学を行いたいと考えている人には強くおすすめ をする。また、経済面 でのサポートは充実しているため他のプログラムと比べても良い点しか思い浮かばない。留学先はお隣の 国であ り、海外という大きなギャップはあまり感じないため 留学に不安を感じている人も安心して参加できると思います。

あっという間の一か月ではありますが、人との交流を通して様々なことを学べて他ではできない経験ができます。少しでも迷っているならこの機会を逃さないでぜひ応募してみてください!

この体験談の留学・国際経験プログラム情報