TASTE 海外短期語学学習(英語)夏派遣 2025年6月30日~7月23日
留学時の学年: |
B3 |
---|---|
東工大での所属: |
生命理工学院 生命理工学系 |
留学先国: |
イギリス |
留学先大学: |
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン |
留学期間: |
2025年6月30日~7月23日 |
プログラムの概略
私はUniversity College LondonのサマープログラムであるUCLサマースクールに参加しました。いくつか授業のプログラムがありましたが、私はそのうちの一番基礎的なものであるEnglish Language Skills for Academic Purposesの授業を受けました。UCLは2025年の世界大学ランキングでは9位、イギリス国内ではケンブリッジ大学、オックスフォード大学に次ぐ名門大学です。その特徴はなんといってもロンドン中心部にあることだと思います。生徒は世界の数十か国もの国から来ていて、大学内はグローバルな印象です。キャンパスはメインキャンパスと都市に一体化するように点々と大学の建物があります。
留学先での授業内容
English Language Skills for Academic Purposesでは、英語での論文の正しい書き方を学び、それに関連する4技能(Reading, Writing, Listening and Speaking)を向上させるという趣旨の授業でした。初回授業では、早速「UCLは市外に移転するべきか、もしくはロンドン中心部にとどまるべきか」をテーマにグループに分かれてディスカッションを行い、トピックに対して多角的な回答を行うことの大切さを学びました。授業の終わりの方にWritingの課題「過去一年間で最も役に立ったことは?」が150wordsを目安に出されて、それに取り組みました。2回目の授業では、宿題として出されていた「大英博物館を訪ねて、一番興味のあったオブジェクトについて3分間程度プレゼンテーションをする」を授業の初めに行いました。私は大英博物館の展示物の中のロゼッタストーンについて、その歴史と発見されたことの重要性についてプレゼンテーションを行いました。その後、睡眠科学者のアリック・プラザーが睡眠について語っている3分ほどの動画とミュージシャン兼編曲家のジェイコブ・コリアーが音楽のハーモニーについて語っている同じく3分ほどの動画を一度だけ見て、それをペアの人と概略と要点は何だったのかを話し合いました。一度しか聞けない中ですべての内容を把握しきるのはとても難しかったです。それを最後に要約したものを提出してその日の授業は終わりました。3回目の授業では、サンプルエッセイを2つ読み、どちらが論文(レポート)として適切かどうかを話し合い、その改善点を出し合いました。授業の後半では、pecha kuchaという日本から取り入れられた形式(20秒程度の短いスパンで簡潔にスライドを進めていくプレゼンテーション形式のこと)を実践するには?というテーマのもとで中間プレゼンテーションに向けた軽いプレゼンテーションを準備して、その場で発表しました。4日目の授業では、正しいスピーキング能力をつけるべく、似ている単語の発音を比較して綺麗なブリティッシュイングリッシュの発音を学びました。第二週目、第三週目の授業では、主に最終プレゼンテーションと1500wordsの最終レポートへの準備(正しい引用の仕方や書き方)などに充てられました。
留学先での課外活動
ライオンキングのカーテンコール
大学が実施する課外活動にいくつか参加しました。具体的には、初日に行われた歓迎会やカラオケナイト(カラオケをするパーティー)、休日にはストーンヘンジやバースを回るツアー、最終日にはボートパーティーに参加しました。日本人はほとんどいませんでしたが、中国や台湾、アメリカやイタリアなどの留学生(サマースクール参加者)たちと友達になり、楽しい時間を過ごせました。
UCL以外の課外活動では、自分が音楽系のサークルに入っていることもあり、あらゆる音楽の刺激を受けてこようと各地を巡りました。いくつかの有名な教会のmorning serviceやevening service(朝と夕方の礼拝)に参加して教会音楽を堪能したり、ミュージカルに行ったりしました。劇場の中で見たライオンキングとマンマ・ミーアは圧巻で感激しました。
-
カラオケナイト
-
ウェストミンスター寺院
-
留学から何を学び、それを今後どのように活かしたいか
今回の留学の目的としては、大学院で授業が全て英語になり、論文も英語の正しい形式で作成しなければならないことを見据えて、その下準備となるような経験を留学で得ることでした。留学での成果は期待以上で、特に論文の構成、レポートや論文における引用の仕方(著者や年度の書く順番や形式)を早めに学ぶことが出来たのは、他の同級生よりも今後有利に働くスキルだと感じています。是非、この経験を忘れずに4年生の学士卒業論文や修士卒業論文に活かしていきたいと思います。また、授業が全部英語で、クラスメイトとの交流や先生との会話も全て英語だった環境はいかにして自分が伝えたい情報を思っている通りに伝えられるかを学ぶ良い機会になったと考えています。具体的には、語彙力の不足によってそれを表したい単語が思いつかなかったとしても、その事象を抽象化して別の言葉で言い換える(It likes~, kind of~)ことによって、最終的に円滑なコミュニケーションを図ることが出来ていたと感じます。プレゼンテーションの回数がものすごく多かったのも、とても良い刺激になりました。日本の授業では、一般的に教師から生徒へ教える形の一方通行な授業形態が多いですが、イギリスの大学の授業では、プレゼンテーションやディスカッションを積極的に行うアクティブな授業(生徒と教師の双方向型の授業)が多いそうです。自己表現をする経験が沢山積めたことによって、どうしたら聴衆が興味をもって聞いてくれるか、分かりやすく自分の言いたいことを捉えてくれるかを考えながらプレゼンをする癖が身に付いたと思います。最終プレゼンが良い成績だったことも含めて、今回の留学で自分に自信がつき、今後のプレゼンテーションに間違いなく活かされると思います。最終レポートについても、1500wordsという今まで書いたことのない量のレポートでしたが、何とか授業で言われたことを生かしながら構成を練って、イギリスにおける(海洋)プラスチック問題に対する解決策を提案するレポートを書けたことは今後論文を書く際に間違いなく活きると感じています。
留学前の準備
幼少期にイギリスに住んでいたこともあり、多少費用が高かろうとも行き先はイギリスにしようと決めていました。サークルの合宿の関係で留学に行くことが出来る期間がある程度絞られていたので、大学の留学募集ページから必死に合うプログラムがないかを探してUCLサマースクールに参加するプログラムを見つけました。UCLのサマースクールに参加するには、ある程度の語学力があることを証明するために、英語のスコアが必要だったので、私は簡単に家でいつでも受けられるDuolingo English Testを受講して、何とか参加に必要な基準点を取りました。ビザに関しては、日本人はETAを取るだけで良かったので、自分のスマホにUK ETAというアプリを入れて事前に登録していました。
留学費用
留学に際してかかった費用の総額は約150万円くらいでした。航空券(イギリス直行便)が往復で約23万、サマースクールの参加費用が約55万、住居(学生寮)が一日大体1万円くらいで約27万(プログラム期間前後にも泊まっているためこの値段)、生活費に関しては、日本の物価の3倍近くするので食費だけで一日1万円弱は飛ぶことを覚悟していました。残りはお土産代、交通費、ツアーや音楽鑑賞などの費用です。奨学金はJASSOから12万円を頂いています。
留学先での住居
私が滞在していたのは、学生寮でVictoria駅から徒歩6~7分にあるGoldsmid Houseというところです。大学のホームページからいくつかある学生寮の中から選びました。大学まで電車で一本で行けるのでアクセスはかなり良かったと感じています。大学にもっと近い寮はたくさんあったのですが、自分のこだわりとしてはシャワーとトイレは共用じゃないものがいいというのがあったので、この寮を選んでいます。結論から言うと、一番いい選択をしたと思います。Victoria駅自体が大きな駅なので休日や放課後に出かけやすいこと、スーパー(セインズベリー)が徒歩2分にあったこと、セキュリティもしっかりしている(寮の玄関の二重ドアは鍵についているセンサーで開ける、常に警備の人が24時間在駐している)、キッチンは共用ではあるが、皿と包丁や冷蔵庫、ポットやフライパン、電子レンジなどが揃っており、そこで同じ階の人と友達になれたことなどが魅力的でした。
留学先で困ったこと
留学中三日目に咳が止まらなくなり、JapanMedicalCentre(イギリスにいる日本人のための診療所)へ行きました。そこでお薬を処方してもらいましたが、ずっと咳が出る(もしくは鼻水が出る)状態は帰国まで続きました。環境変化によって体調が悪くなったのかな?と感じます。また、飲食店などで否定形で質問されたときもYesで返してしまうと、肯定したと勘違いされてしまうというカルチャーギャップによるコミュニケーションの難しさは感じました。
留学を希望する後輩へアドバイス
向こうでの昼と夜は外食になると平均で一食2500円~4000円くらいは平気でかかるので、日本からパックご飯とレトルト系のおかず、お湯さえあれば簡単に作れるお味噌汁などなどを沢山持っていくことを強くオススメします。(私はパックご飯20食分とふりかけ、ご飯の上にかけられるカレーなどのレトルト9食分、野菜ジュース数本、毎日飲めるだけの量のお味噌汁と卵スープを持っていきましたが、全てぴったり使い切りました)パックご飯とふりかけ、お味噌汁さえあれば、朝の時間がないときでもパッと食べることができてすごく便利です。体調を崩した時も寮でご飯が食べられる安心感がありました。朝食のおすすめは寮近くや大学近くのスーパーで買えるパンです。チョコチップの入ったパンやピーナッツクリームの入ったクロワッサンなどが比較的安価で買うことが出来ます。スーパーの冷凍のパスタなども買ってみましたが、自分のお腹には合わず…水は1.5Lか2Lの大きめのものを買って、日本から持参した水筒に入れて持ち歩くのがいいです。E-simに関しては、Klookというものを使ってみました。かなり使い心地は良かったのですが、着いた日とその翌日に関しては、初め繋がるまでにかなり苦労をしたのでWi-Fi環境下で上手く使えるように試行錯誤しておくのが大事かなと思います。電車は比較的分かりやすかったのですが、Circle Lineが環状線で他の路線と一緒のホームから出ることがしばしばあったので、それだけ注意が必要です。基本はグーグルマップに指示された通りに乗ればよいかと思います。最後に、UCLもそうですが、海外の対応は日本に比べるとかなり雑(集合場所が駅としか書いていなかったり、始まるのが大幅に遅れたり、突然形式が変更になったり等々)なので、逐一確認するか、もしくはこういうものかと思って文化を受け入れることが大切だと感じました。(私はUCLの課外プログラムであるフットサルに参加しようと思い、集合場所の駅に行ったのですが、駅が広すぎて集合場所が分からず諦め、同じく集合場所が分からなかった中国の人と仲良くなり、その駅周辺を一緒に観光してました)短期であっても、海外留学を経験することは今後の自分の人生の大きな財産になると思います。頑張ってください!