アントレプレナーシップ・グローバル海外研修(夏)スウェーデン 2025年8月25日~9月7日

アントレプレナーシップ・グローバル海外研修(夏)スウェーデン 2025年8月25日~9月7日

留学時の学年:
学士課程1年
所属:
環境・社会理工学院
留学先国:
スウェーデン
留学先大学:
スウェーデン王立工科大学・リンシェーピン大学
留学期間:
2025年8月25日〜9月7日

アントレプレナーシップ・グローバル海外研修スウェーデン ショートレポート

2025年の夏休みに実施したアントレプレナーシップ・グローバル海外研修スウェーデンプログラムの参加学生によるショートレポートです。

最終報告書はこちら

プログラム概要

今回のスウェーデン超短期海外派遣留学には、20名の学部生が参加しました。プログラムでは、KTH(スウェーデン王立工科大学)・リンシェーピン大学の2つの大学と、Atlas Copcoなどの企業を訪問しました。

研究室訪問

プログラムの一環として、27日にはKTHのBioresorb研究室を訪問しました。Antonio教授と所属学生のNoraさんから、現在進められている「液体を吸収する生分解性材料」の研究について詳細な説明を受け、その後Q&Aセッションが行われました。さらに、実験室内も案内していただき、圧縮機や伸長試験機などの装置を見学し、高価な電子顕微鏡も実際に見ることができました。
今回の訪問を通じて、スウェーデンにおける環境保護への強い意識を改めて実感しました。教授によれば、この生分解性吸収材料は将来的に紙おむつや生理用品の代替として応用され、廃棄物汚染を約8%削減できる可能性があるとのことでした。またAntonio教授は、スウェーデンの大学では研究者が生み出した成果は大学ではなく研究者自身に帰属する点を強調しており、研究環境の自由度と健全さに強い印象を受けました。

(左)Bioresorbの講義               (右) 数億円規模の電子顕微鏡

(左)Bioresorbの講義            (右) 数億円規模の電子顕微鏡

大学交流

プログラムの中で、私たちはKTH(スウェーデン王立工科大学)とリンシェーピン大学を訪問し、現地の学生と数多くの交流活動を行いました。授業の合間には一緒に「FIKA」を体験したり、大学の食堂で昼食を共にしたりと、スウェーデンならではの学生生活を味わうことができました。また、日本の大学生による日本文化の発表や茶道体験も実施され、互いに文化を紹介し合う貴重な時間となりました。
プログラム外でも、私たちは現地の学生と積極的に交流しました。ホテルで一緒に料理をしたり、キャンパスを案内してもらったり、部活動を見学したりと、行程表にはない活動を通じて親しくなることができました。スウェーデンの大学生はとても明るく、外国人との交流にも積極的であることが印象的でした。特に日本語を話せる学生もおり、日本文化への関心の高さを感じました。こうした交流を通じて、私たちはスウェーデンの学生と深い友情を築くことができ、多文化理解の大切さを実感しました。

(左)日本の学生による茶道を体験するスウェーデンの大学生        (右)KTHで一緒に日本語の授業を受ける様子

(左)日本の学生による茶道を体験するスウェーデンの大学生        (右)KTHで一緒に日本語の授業を受ける様子

企業訪問

プログラムに訪問したAtlas Copcoは、スウェーデン発祥のグローバル企業で、多様性を重視しながら技術の発展に合わせて自社の技術も常に進化させています。事業分野は航空宇宙や自動車など幅広く、テスラやメルセデス・ベンツといった世界的な企業とも協力関係を持っています。特に圧縮機はこれまでに何度も改良が重ねられており、最新のニーズに対応した製品を開発していることが印象的でした。その改良の大きな目的のひとつは、エネルギーの損失を減らし、より効率的で持続可能な製品にすることです。こうした取り組みは環境負荷の低減にもつながっています。
また、開発姿勢も非常に真摯で、性能だけでなく現場での使いやすさにも配慮している点が紹介されました。例えば工場で働く人々が頻繁に工具を落としてしまうことを想定し、耐落下性能を繰り返しテストしていることは実際の現場を考えた開発の姿勢をよく示しています。Atlas Copcoは技術革新と実用性を両立させる企業であると強く感じました

Atlas Copcoによる製品の多様な分野での活用紹介

Atlas Copcoによる製品の多様な分野での活用紹介

このプログラムに参加し、私たちは多くのスウェーデンの学生と出会い、深い交流を持つことができました。自由時間には自然や街並みを体験し、博物館や歴史的建築物を訪れることで、スウェーデンの文化を身近に感じました。現地の人々は親切で、安心して交流を楽しむことができました。
また、FIKAの文化を体験することで会話が自然に生まれ、関係を深めることができました。海外の研究や企業について理解を深められただけでなく、異文化の中で臆せずコミュニケーションを取れるようになったことは大きな成果でした。このプログラムは、語学力を高めたい学生や海外の大学生活を体験したい学生にとって、大変有意義な機会であると考えます。今回得た学びを今後の大学生活や将来のキャリアに生かしていきたいです。