TASTE 海外短期語学学習(中国語)春派遣 国立台湾大学 2019年3月4日~2019年3月23日

TASTE 海外短期語学学習(中国語)春派遣 国立台湾大学 2019年3月4日~2019年3月23日

留学時の学年:
学士課程2年
東工大での所属:
工学院 経営工学系
留学先国:
台湾
留学先大学:
国立台湾大学
留学期間:
2019年3月4日~2019年3月23日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概略

NTU Spring+ (Chinese Language & Culture)というプログラムに参加した。約3週間のプログラムを通して中国語の語学力の向上及び台湾文化を学ぶことを目的としている。参加条件は特に設けられておらず、中国語の語学力が初心者の人がいれば上級者の人もいた。

今回参加したプログラムは春に行われたものであったので春休みを設けている日本の大学から来た学生のみの参加であったが話によると夏にも同じプログラムを開催していてそちらでは日本はもちろん、アメリカや東南アジアなどからくる学生が多いということだった。

留学先での授業内容

平日は午前9時から12時まで中国語の授業が行われた。50分×3コマで構成されており、途中で10分休憩が2回ある。

初日にクラス分けテストと面接が行われた。テストは2種類あり初心者向けのテストと上級者向けのテストに分かれていて自分でどちらを受けるか選ぶことができ、紙のテストを受けながら名前が呼ばれたら面接を受けに行くようなテスト方式であったが現地のSA(TA)さんが話しかけてきたり、周りの人と話しながらできたりするような雰囲気でかなりゆるいものだった。面接では自己紹介をしたり指定された文章を読んだりした。クラスは4クラスに分けられたが私の場合はクラスが発表される前にどのレベルのクラスに行きたいか選んでいいと言われた。正直クラス分けテストはあまり厳しくないのでテストっぽくなかった。

授業は配られた教科書を中心に中国語の文法や単語を学んだ。私のクラスの場合、授業中は基本的に中国語しか使ってはいけなかったが他のクラスの子の話を聞くと英語と中国語を使うクラスもあった。先生が作ったスライドに載っている文法を見ながらひたすらひとりひとり例文を作って発音してみるという練習をしていた。中間テストがあったが私のクラスの場合は非常に簡単な筆記のテストを受けさせられたが他クラスでは筆記のテストだけでなく発音のテストがあるクラスもあったり、中国語で発表をするクラスもあったりと、授業内容はクラスによって大きく異なった。

中国語の授業
中国語の授業

最終日に中国語のプレゼンテーションがありこれは全クラス合同で行われた。セミフォーマルな服装で来るように言われており、壇上に発表者があがってそれ以外の生徒は観客として話を聞いた。一人当たりの持ち時間は5分でテーマは台湾に関することであったら何でもよかった。私は「台湾人と日本人の恋愛の違い」をテーマにしたが発表が終わったあとにたくさんのSAさんに一番好きな発表だったと言われ好評だった。他にも「台湾の経済」について発表している人がいれば「台湾にきて気づいたこと」を発表している人もいて、専門的な知識を要する発表をしている人がいれば、歌を歌う人もいてテーマは本当に自由だった。また、5人で一緒に劇をしているチームもあった。その場合 の持ち時間はチームで25分になるが途中で動画を流していたため厳密に何分話し続けなければいけないということはなかった。評価は 発表者の担当クラスの先生が付けていた。

また、私の場合途中で難易度を上げたいと思いクラス変更を申し出た。しかし希望先のクラスの先生は了承してくれたが変更前のクラスの先生は了承してくれなかったため結局クラス変更ができなかった。はじめのうちに自分のレベルを知ることは大変難しいことだが先生によって全く環境が異なるのでクラス選びは非常に重要だと思う。

プログラム自体は台湾大学が管轄で行っているが中国語の授業はクラスによって全くバラバラであるので運も重要かもしれない。

午後は14時から16時まで台湾文化を学ぶ時間であった。基本的に大学の教室や多的ホールのような場所で座学をうけたり実際にものを作ってみたりする授業であったが何回かは校外学習をした。具体的には台湾伝統の人形劇や台湾人の信仰や台湾の結婚式などを座学で学び、台湾劇に使用されるマスクを自分で製作し、台湾の特別な日に食べられる伝統的な春巻き作り体験なども経験した。日本では体験することが難しいことを実際にできる良い機会であった。

  • 好きなように作成したマスク

    好きなように作成したマスク

  • 伝統的な春巻き

    伝統的な春巻き

  • 座学の授業

    座学の授業

留学先での課外活動

台湾大学による課外活動は基本的に土曜日をほぼ丸一日使って行われるか、平日の午後の時間帯で行われるかであった。最初の週の土曜日は博物館と台湾の観光名所である三峡老街(図1)に行き、藍染めを体験した。私たちとは異なるプログラムで台湾大学にアメリカから来た人たちと合同で行動していたが、アメリカから来た人たちは基本的に日本語を話せないのでみんな英語と中国語を利用しながらコミュニケーションをとっていた。藍染めを一緒に体験しながら日本語以外の言語で多文化を学ぶ時間はとても新鮮でとてもいい経験となったと思う。

図1三峡老街
図1三峡老街

二週間目の土曜日は「猫空」に行き全長約4㎞のロープウェイに乗って台湾の街を一望できる山頂まで行き、台湾の有名なお茶である鉄観音茶の淹れ方を学んだ。行きのバスでグループに分かれて観光名所に関するクイズが与えられ、そのクイズの答えを探しながら観光していたため、ただ景色を楽しむだけでなくその土地の文化や歴史を考えながら楽しむことができ、とても充実した時間を過ごすことができた。一番印象的なのはどのグループもどうしても見つからない答えがあったため現地の方にインタビューをして答えを探していたため、中国語を利用して現地の人と交流できたことである。台湾人はみんな優しいので様々なことを親切に教えてくれた。

図2台湾国立故宮博物館
図2台湾国立故宮博物館

平日に行われた課外活動では「台湾国立故宮博物院(図2)」と「士林夜市(図3)」、「龍山寺(図4)」に行った。故宮博物院と龍山寺はガイドさんの名所にまつわる歴史や神話などのお話を聞きながらまわった。故宮博物院は平日にも関わらず人がとても多くてゆっくりお話を聞くことはできなかったがツアーが終わった後に自由時間を設けてくれるためもう一度ゆっくり見に行ったり、お土産を買いに行ったりすることができる。

士林夜市の課外学習は博物館見学後に士林夜市でバスから降ろしてくれるというものであって参加は自由であった。

図3士林夜市
図3士林夜市

課外学習といっても自由行動であったため特に何かを学ぶ目的があって行っているわけではないが夜市の場所が宿から離れておりまた台湾最大の夜市であるということからほとんどの人が参加していた。観光客がとても多く、様々な屋台や衣服が売られていて日本のお祭りで出店されている屋台とは異なる雰囲気がありとても楽しかった。

日曜日は授業や大学主催の校外学習がなく一日中フリーな時間であったため友達と台湾の観光名所である台北101にいったり小籠包を食べに行ったりした。台湾には地下鉄があるが日本ほど駅が多くないので出発地や目的地から駅までが遠いことがあったため移動はほとんどバスだった。台湾ではバスの乗車料金が先払いと後払いのバスに分かれていてそれは乗るときに分かるのでしっかりと確認しておく必要がある。

図4龍山寺
図4龍山寺

台湾はお茶をよく飲む文化があることで有名だがお茶だけでなくジュースやビールなどの飲料も種類が多いことで有名なので休日を使ってそういったものを探しに行くのは非常に楽しかった。

台湾のシンボル台北101
台湾のシンボル台北101

鼎泰豊の小籠包
鼎泰豊の小籠包

種類豊富な手作りジュース
種類豊富な手作りジュース

スーパーに並べられているビール
スーパーに並べられているビール

留学から何を学び、それを今後どのように活かしたいか

今回の留学から学んだことの中で一番大きなことは何事も気になったら実行してみることの大切さである。この短い留学プログラムに参加してどんなことが得られるか最初は想像もできなかったが参加すると決断して本当に良かったと思った。まず、日本で学ぶ中国語と現地で学ぶ中国語は全く異なる。日本で学ぶ中国語は学問のひとつとして学ぶことになるが、現地に行って学ぶと、学問として学ぶというよりかは現地で実際に生活するため に必要なことを習得するために学んでいるという感覚だった。いままでは教科書に書かれた文章しか読めず、間違っていたらどうしようかと自発的に中国語を話すことを怖がっていたが、現地では当たり前のことだが日本語は通じないしスーパーやレストランでは英語すら通じないところもたくさんある。そうした中で拙い中国語でも自分から話さないとコミュニケーションが取れないためジェスチャーを交えながら現地の人々と会話をすることで完璧でなくても言語は使ってみないと意味がないということを実感した。台湾の人は皆とても親切だったのではじめは中国語を使うことが怖かったがプログラム最終日に近づくにつれて怖さがなくなり自分から積極的に質問できる勇気が身についた。

また、台湾の伝統的な人形劇を体験させてもらえる機会があったが参加したい人は挙手性だったので最初はみんな遠慮して手を挙げなかった。わたしも普段は遠慮して観客側になることが多いが、この体験はここでしかできないとアナウンスがあり、恥ずかしかったがやってみようと思い参加した。すると想像以上に操作が難しかったり感覚が不思議だったりととても楽しく体験することができ、あの時恥ずかしかったが挙手して本当に良かったなと思っている。
使ってみること、やってみることの大切さを学んだ。

今回の留学をきっかけにこれからも留学を体験したいと思っている。そのためもっと積極的に情報を集めて自分に合った留学を見つけたい。

自分の性格が恥ずかしがりやであるがゆえに人前で発表したりなにか新しいことに挑戦したりすることが苦手であったが、やってみることの大切さを知った今、自分のためになると思ったことはどんなことでも積極性を持ちたいと思った。

留学前の準備

留学情報の入手方法、航空券・ビザ取得方法、語学の勉強など。
東工大でTASTEのプログラムを使って台湾大学に留学した人が過去にいなかったので情報は台湾大学が公開しているホームページから探した。渡航前に台湾大学側から台湾での生活において必要なものやかかる費用などが簡単にまとめられた案内がきたのでそれを参照して準備を進めた。

航空券は自分で時間を決めて予約した。
語学の勉強は第二外国語で履修した中国語のみ。

留学費用

渡航費、プログラム参加費、生活費、住居費、保険料、奨学金の有無など。

渡航費は往復でおよそ7万、プログラム費はおよそ20万、生活費は現地での交通費など含めておよそ3万(お土産など込みで)、住居費は1人部屋だったのでおよそ11万(2人部屋の場合はこれの半分)、保険料はおよそ1万、奨学金はJASSOから6万支給されたのでこのプログラム全体にかかった費用はだいたい36万円であった。

留学先での住居

住居の形態(寮、ホームステイ等)、探し方、 申し込み方法、ルームメイト、その他。

台湾大学から指定されたホテルに泊まった。留学手続きの過程で台湾大学側から1人部屋か2人部屋か3人部屋がいいか希望が聞かれたが、今年は3人部屋がいなかった。申し込みは台湾大学がしてくれるので必要なお金(またはカード)を持って現地で支払いを行えばよい。ホテルまでは到着日にピックアップがあるので場所を事前に気にする必要などはない。

留学先で困ったこと(もしあれば)

生活するうえで必要なものは基本的に台湾でも売っているので特に問題はないが春にも関わらず蚊がたくさんいて困った。日本の虫よけスプレーやムヒは台湾の蚊にはほとんど効かないので現地のものを調達しておくとよい。また基本的に温かい気候だが突然雨が降ったり気温が下がったりするので防寒具も一応持っていくとよい。

留学を希望する後輩へアドバイス

台湾文化を学びたいというのならこのプログラムは約3週間あるし、現地の大学の教授がさまざまなことを詳しく教えてくれるのでとても有意義な時間になると思う。もし中国で使える中国語をメインに学びたいというのなら大陸で使われる簡体字と違って台湾では繁体字が使われているので少し難しく思えるかもしれない。授業で扱うのも基本繁体字であるし、中国と発音が異なる単語もいくつかあったり、ニュアンスが違う単語があったりするので、このプログラムで学ぶのは台湾のほうの言葉であるので簡体字をしっかりと学びたいというのなら留学先が中国であるプログラムに参加するべきだと思う。

またこのプログラムは日本人がほとんどで、普段は日本語を使っているが現地の先生やSAさんと会話をするときは基本英語を使うことになると思うので英語力もそこそこないとコミュニケーションに困るかもしれない。そのため中国語だけでなく英語もしっかり学んで参加するとよいと思う。

この体験談の留学・国際経験プログラム情報