協定校シーズンプログラム (リンシェーピン大学)2023年7月3日~7月28日

協定校シーズンプログラム (リンシェーピン大学)2023年7月3日~7月28日

留学時の学年:
B3
東工大での所属:
物質理工学院 材料系
留学先国:
スウェーデン
留学先大学:
リンシェーピン大学
留学期間:
2023年7月3日~7月28日
プログラム名:

プログラム概要

私は、スウェーデンのリンシェーピン大学で行われたs ummer academy に参加した。これは7 /3 から7/28 までの間に行われた。コースは以下の六つの中から一つを選んで受講する。私は⑥のコースを受講した。

① Sweden: Language, Culture and Society
② Costumed heroes, angry ducks, and single moms reading and learning in the world
of comics
③ The Use (and Abuse) of Culture
④ Alternative Energy: the past, present, future, and inventions
⑤ Leadership and Organizational Behaviour in Contemporary Organizations
⑥ Nanotechnology - Sustainable Challenges and Social Impact

基本的には、大学の寮で生活を行う。学習面以外にも様々なアクティビティが充実していた。

日程

平日の9:00 から12:00 はナノテクノロジーの授業が行われていた。その後昼食を食べて、13:30 から16:30までは授業の復習を行うことが多かったが、場合によってはその時間帯に午後の授業が入ることもあった。17:00から20:00の間は大学主催の課外活動が行われることが主だった。その後は夕食を食べて、シャワーを浴び、歯を磨き、床に就くのが平日の過ごし方だ。
休日は、一日の多くが観光やスポーツといった課外活動に充てられていた。
一週間の日程を表でまとめたものは以下のようになる。

一般的な一週間の生活
一般的な一週間の生活


プログラムに参加した目的

私は以前にグローバル国内研修という授業を履修した。そこで居心地の良い場所、すなわちコンフォートゾーンから抜け出すことが自らの成長において大切というお話があり、それをきっかけとして自分の成長を目指して海外留学を決意した。ちょうど学士三年に必修科目がない期間があり、その時期の留学を目指して様々なプログラムを探した。そして私の専攻に合ったナノテクノロジーについて学べるこのプログラムを見つけて、参加しようと決めた。

活動の内容

授業内容

この授業では、ナノテクノロジーをどのように持続可能な開発に役立てるか、そしてアントレプレナーシップ(起業家精神)について学んだ。基本は日本の大学と同様に講義を聞く授業形式が大半である。各講義の最初には、前回学んだことについてクイズが行われた。また研究室見学を行う日もあり、二つのキャンパスの研究室を見た。コースの終盤では、二人一組でペアを組み企業のスタートアップに見立ててプレゼンテーションの発表をした。授業最終日に試験が行われた。

作成したプレゼンテーション資料の1 ページ
作成したプレゼンテーション資料の1 ページ


課外活動

リンシェーピン大学のサマープログラムは、アウトドアも充実していた。まず学生交流を深めるべく、ディナーパーティーが開催された。そこでは、鮭やオストカーカ(チーズケーキ)などスウェーデン特有の料理が出された。日本で食べてきた料理とは異なる味わいに、私は感銘を受けた。また様々なところに観光に行った。最も印象的なのは、二日間かけて行われたストックホルム観光だ。そこでは、ストックホルムの街中を歩き回り、ノーベル賞博物館やヴァ―サ号博物館といった観光スポットに訪れた。日本とは異なる欧米の街並みに多く触れることができる楽しい経験だった。

ノーベル賞博物館にて、白川英樹先生に関する解説文
ノーベル賞博物館にて、白川英樹先生に関する解説文

オストカーカ チーズケーキ
オストカーカ チーズケーキ

現地での生活

スウェーデンでの私の生活拠点は大学の寮であった。そこの一人用の部屋で毎日を過ごした。そこにはWi F i ルーターもあった。S IM カードの提供もあったが、携帯のS IM ロックの解除を忘れていたため使えなかった。洗濯は近くのランドリールームで行った。洗濯機は洗剤を自動投入する優れものである。食事は外で行うことが多かったが、寮には共用キッチンがあり料理をする時は近くの食料品店で材料の調達をした。周りは自然豊かで緑が多く、寮の近くで野ウサギを見たこともあった。アウトドアで訪れた湖には白鳥がいた。
他の生徒たちも話しやすい人たちが多い。共に食事をし、酒を飲み、買い物に行ったこともあった。夏の北欧は日の出の時間が早いからか、日本と比べて早い時間に目覚め良く起きることができた。
実家暮らしの私にとって、家族の元を離れて一人暮らしの生活というのは新鮮な日々であった。

寮の外観
寮の外観


渡航方法

航空券の手配は自分自身で行う必要がある。私はsky scanner を用い、航空会社の評判、値段、そして出発・到着時間から適当なフライトとしてエミレーツ航空を選んだ。スウェーデンは東京からの直行便がなく、まず成田からドバイを経由してストックホルムアーランダ空港に到着。そこから電車でリンシェーピンへ向かった。他にもリンシェーピン空港へ直接向かう手があったが、乗り継ぎが二回以上あり面倒に感じたので、一度の乗り継ぎで済むアーランダ空港を選んだ。

渡航経路と交通名
渡航経路と交通名


本プログラムが私に与えた影響

リンシェーピン大学の授業では材料についてのみならず、アントレプレナーシップについても学び、いくつかの製品を比較したりして持続可能な社会における製品の需要について考え、それを人々に伝える機会があった。これは今まで東工大でやってこなかったことで、新たな学びとなった。モノの需要を見つけてそれをいかに人々に伝えるかを考えることは、今後も大切になってくると思う。さらに授業以外に行われた観光等のアクティビティはスウェーデンの風土、文化、歴史に対する理解を深めるきっかけとなった。また、幸いトラブルも起こらず一人で海外へ行って帰ってくることができた。これは自分にとって自信につながった。
しかし、自分にはまだ英語でのコミュニケーションについて課題がある。周りの人々は自分が1を尋ねると10の返答を返すのに対し、自分は1 の質問に対して1の返答しかできなかった。それではやがて会話が続かなくなるだろう。この点を意識的に改善していきたいと思う。また、多少向上したリスニング能力も日本に帰って失ってしまったら本末転倒なので、英語に触れつづけることでそうした能力の維持にも努めたい。

自身のエピソード、新たな気づき、その他所感

今回の留学はとにかく初体験が多かった。一人で飛行機に乗り海外に行くのも、周りとのコミュニケーション手段がほぼ英語なのも初めてのことだった。お土産を買った際に、免税の手続きを行ったのも初だ。当然、初めてのことに対しては不安を覚えた。今まで過ごしてきた日本を離れると、コミュニケーションは普段の様にはいかない。使い慣れてきた日本語を使えず、話したいことを英語でアウトプットするからだ。それは大変なことだった。まるで今までの自分とは違う自分になったように感じる。正確には今まで気づかなかっただけで、これもまた自分自身なのだ。そう実感できた。しかし、やがて英語を聞き取る能力は多少向上した。帰りの際、ドバイ・成田間の飛行機にて隣の席のデンマーク人の女性に話しかけられるということがあった。その時、しっかり会話できると感じた。彼女の話を聞き取ることもできたし、それに対する返答もできた。
結果として、私はきちんとプログラムに参加でき、話す人も多くでき、英語力も向上したと同時に、慣れ親しんだ場所を離れたことで自分を見つめ直すこともできた。このことは留学により得られた一つの成果だ。

この体験談の留学・国際経験プログラム情報

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