TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program in Thailand (A2TE) タイ国立科学技術開発庁 (NSTDA) 2023

TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program in Thailand (A2TE) タイ国立科学技術開発庁 (NSTDA) 2023

留学時の学年:
修士課程2年
東工大での所属:
工学院機械系
留学先国:
タイ王国
留学先大学:
タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)
留学期間:
2024年2月16日~2024年3月21日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概要

参加プログラム:TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program in Thailand (A2TE)
機関名:National Metal and Materials Technology Center(MTEC)

TAIST-Tokyo Techでは、NSTDA、東工大、タイ連携大学と共同で、研究者の派遣・育成を行っています。私は上記の留学期間にて、材料・機械に関するテーマを取り扱うMTEC棟内の研究室に所属し、配属初日に与えられたテーマに取り組みました。

留学前の準備

・留学前の諸手続き/準備
主に、ビザ・招聘状の手配や学内で留学時に必要な申請等を行いました。必要な申請に関しては、スラックにて国際推進課の方やNSTDA内にある東工大オフィスの方が詳細に案内をしてくださったため、問題なく終えることができました。また、留学の際に必要な持ち物に関しては、事前にいただいたプログラムの参加案内を参考にして準備をしました。パッキングしきれない持ち物に関しては、NSTDA内にあるセブンイレブンに一通りの日用品がそろっていたため、そこで購入しました。

・研究内容の事前学習
渡航前に指導教員の執筆した論文やその関連論文を読み、背景や課題、専門用語等を一通り学びました。また、自身があまり触れたことのないプログラミング言語を使用する予定であったため、言語に関する勉強も少し行いました。

・語学学習(英語・タイ語)
英語で問題なく意思疎通ができる自信が無かったため、留学が決定した段階(約4か月前)から英語の勉強を行いました。また、せっかくタイに行くならと思い、タイ語の勉強も始め、4か月かけて、文法・声調(タイ語には5パターンの声調があり、正しく発音しないと全く伝わりません)・タイ文字の読み方・入門レベルの単語(800語程度)の学習を一通り行いました。

留学中の勉学・研究

私は、修士論文発表後から卒業式までの期間を利用して留学に行ったため、単位承認日までに帰国することができないことから、講義は履修しませんでした。研究では、ドライバーの顔上の特徴点を検出したデータから、ドライバーの状態(居眠り)を、クラスタリング手法を用いて判定するシステムの開発に取り組んでいました。1か月という短い期間で、自身の専門とは異なる内容に取り組む必要があったため、始めの1,2週間はテーマの勉強・理解に時間を割いていました。最終的には、自身で考えたアイデアを元に、仮説・検証を行い、一定の成果を得ることができました。

休日には、バンコクやアユタヤに赴きました。バンコクではサイアムパラゴンやチャトチャック市場等、比較的中心部から近い場所を巡り、アユタヤでは世界遺産の遺跡を巡りました。観光地では比較的英語が通じますが、なるべく勉強したタイ語を使うことを心がけました。また、特にアユタヤ訪問時には移動の際にメーターが無いタクシー等は割高な価格を設定されたため、その都度値下げ交渉を行い、タイ語を学んだ効果を実感しました。

研究室のメンバー
研究室のメンバー

研究室のメンバーで食事会
研究室のメンバーで食事会

留学を終えて自分自身の成長を実感したエピソード

留学中に、現地の学生となるべく多く交流することを一つの目的としていました。そのため、研究室の人との交流だけでなく、近隣にあるタマサート大学の英語サークルや同じ宿泊施設に泊まっている、タイの他大学からインターンに来ている学生等にも積極的にコンタクトを取るようにしました。最終的に、キングモンクット王工科大学からインターンに来ている学生達と仲良くなることができ、彼等に現地の人に人気な屋台や祭りに一緒に行き案内してもらいました。また、タイと日本の文化の違いや将来のことなど、多くのことを共有できたことで、非常に充実した日々を送ることができました。

NSTDAにインターンに来ているタイの高校生との交流
NSTDAにインターンに来ているタイの高校生との交流

研究後のバドミントンサークル
研究後のバドミントンサークル

留学費用

単位の取得が不可能であったため、単位取得が必要な奨学金の申請ができず、自費で渡航を行いました。
食事に関して、タマサート大学内のフードコートを利用すれば、基本的に一食200円以内で食事できるので、頻繁に利用していました。
渡航費:往復10万円
ビザ取得費:10000円
住居費:無料
保険料:10000円
食費・生活費:9万円

留学先での住居

研究では英語を使用し、それ以外は可能な限りタイ語を使用しました。現地での英語での意思疎通に関しては、相手の質問内容が完全に理解できないときがあり、自身の聞き取り能力の不足を実感しました。そのような時には、自身の理解を相手に共有し、内容に齟齬が生まれないよう努めました。またタイ語に関して、簡単な文を話せるだけでしたが、研究室の人や友人、コンビニや屋台の店員さん等からも発音が上手いと褒めてもらい、非常に喜んでくれました。そして、新しい単語を教えてくれたり、また簡単な問題を出してくれたりしてくれたため、タイ人の優しさに感謝するとともに、留学中もタイ語を学ぶモチベーションを維持することができました。

単位認定(互換)

無し

留学経験を今後、どのように活かしたいか

一か月という短い期間ですが、留学に行くという選択は私の中では大きな挑戦であり、勢いで応募したものの多くの不安がありました。しかし、自分なりに目標を決め、留学準備・留学中を通じてそれに取り組んだ結果、学生最後に非常に貴重な経験ができ、充実した日々を送ることができました。そして、自分の中で新たなことに挑戦するハードルが大きく下がったように感じています。社会人になってからも、積極的に新たなことに挑戦していきたいと考えています。

留学先で困ったこと

留学初日から10日程度までは、今までと全く異なる衣食住の環境での生活にすぐに順応することができず苦労しましたが、生活が軌道に乗るにつれて解消しました。また、大学内であっても学食内のメニュー等はタイ語表記であるため、始めはうまく読めず、周りの学生に聞いて助けてもらいましたが、最終的にはメニュー程度のタイ語であれば初見であっても大体通じるようになりました。

留学を希望する後輩へアドバイス

留学に行くかどうか迷っているのであれば、是非行くことをお勧めします。留学プログラム自体は現地の研究施設で研究を行うという形ですが、研究以外でも現地の人の生活や、交流や衣食住を通して日本では得られない非常に貴重な異文化経験ができ、その国で生活した経験は直接的でなくとも今後必ず役立つ時がくると思います。東工大には、超短期から長期まで非常に豊富な留学プログラムがそろっているので、不安がある人はいきなり長期間行くのではなく、短めのプログロムからステップアップしていくことも心理的ハードルを下げる手段の一つだと思います。ただ、留学の時期が私のように卒業直前になると、行けるプログラムが制限される可能性や、奨学金等がもらえない可能性もあるため、興味を持った時点で留学のサイトや留学に行った人に聞くなどして積極的に情報収集した方が良いと思います。

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