TASTE 海外短期語学学習(ドイツ語)夏派遣 2025年8月4日〜8月27日
留学時の学年: |
M2 |
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東工大での所属: |
工学院 システム制御系システム制御コース |
留学先国: |
ドイツ |
留学先大学: |
ハノーバー工科大学 |
留学期間: |
2025年8月4日〜8月27日 |
プログラム名: |
留学先の概略
1か月のドイツ語サマースクールをハノーバー工科大学が開催しており、それに参加した。レベルはA2~B2まで、レベルごとにクラスが組まれ、自分と近いレベルの人と一緒に受講することができる。私はA2に参加した。学生間では語学レベルにやや差がみられ、その場限りの勉強の人もいれば将来を見据えて本気で勉強する意欲のある人もいたと感じた。大学はドイツ北部ハノーバーにあり、主要空港フランクフルトからは新幹線ICEで2時間程度。寮は大学敷地内にあり徒歩5分ほどで授業の教室に行くことができた。学食はいたって普通で特段おいしいわけではないが外で食事をするよりは安く済ませることができる。非常に自然の多い地域で8月は20℃前後だったため、落ち着いた涼しい夏休みを過ごすことができて満足している。
留学先での授業内容
授業は朝8:30から4時間半、休憩は合計45分で比較的時間どおりであった。A2.1の教科書を3週間で取り組む。プリントが配られ文法の問題を自分で解いた後、それを活用するためペアやグループで身近なトピックについてその文法を用いて説明、会話する練習が多かった。先生が話している時間は短く生徒主体だが、いつでも質問に丁寧に答えてくれ、わかるまで教えてくれた。教科書内のリスニングセクションを全員で聞き正誤の意見交換、紙に書かれた長文を暗記しパートナーに伝える、カードに書かれた動詞で即興で文を作る、など学習方法は幅広く楽しみながら行うことができた。コース終盤に1時間の確認テストを行い、その点数で最終成績が決まった。
留学先での課外活動
ペダルボートアクティビティ
ほぼ毎日、午後に何かしらの課外活動があった。すべてに参加したわけではないが、特にペダルボートで近くの池を漕ぐのが楽しかった。8月のドイツはとても天気がいいので野外活動を楽しむのには最高であった。授業料はやや高いが、アクティビティの料金が含まれているので追加料金を払わずに参加することができる。授業進度によっては復習が必要な日もあり、クラスメイトと授業中にどのアクティビティに参加するかを話し合ったのも良い思い出である。初日と最終日にパーティーがあり、飲食をしながらほかのレベルをとっているクラスメイトとも話をする機会があった
留学から何を学び、それを今後どのように活かしたいか
クラスメートと市内探検
授業を通して、友達と教えあいともに学ぶことでより学習が促進されることが分かった。間違いをすることを怖がらず、また友達の間違いを指摘することを怖がらず、意見や考えを積極的に交換することでお互いの理解が深まることを学んだ。授業では間違えて当たり前という空気があり、自分の間違いも人の学びになり、教えあって記憶に残していく方向性が日本と大きく異なると感じた。人の考えに耳を傾けながら自分の主張を持ち、正誤に関係なくそれらを共有する練習ができた今回の経験は、今後自身の研究に関する議論や後輩の研究の方向性の相談にのる際に役に立てたいと思う。他人の視点からの意見を自分の主張に統合、補強することでより広い視野からの洞察を得ることにつながるだろう。そのため異なる考えの共有は対立ではなく物事をよりよくしていくため手段という考えを日々持ちたいと感じた。また今回の留学中、友達との交流で強く感じたことは、言わないと正しく伝わらない、ということである。日本人特有かもしれないが、言わなくても伝わっている、以心伝心のような考え方はあまり好まれないことを学んだ。内容がいいことだけではなく嫌なこと、マイナスであっても自分の気持ちや考えを正しく言語化できる能力が、特にバックグラウンドの異なる人たちと一緒に何かを進めるうえで必要だと感じた。視点の違いでマイナスがプラスになることもあるため、自分の価値観に固執せずとりあえず発信してみることが大事だと感じた。また自分にとってのあたりまえが他人にとっての当たり前ではない、という前提をもち偏見なく自身の考えを言語化し発信する意識を持つことは、今後社会で他人と協力しながら物事を進める機会で役に立つと考えられる。特に仕事においては様々な部署で異なる仕事をしている人とのかかわりもあると予想されるため、スムーズなプロジェクトの進行に活かすために情報や意見の交換を活発にしていく意識を持ちたい。
留学前の準備
留学情報は留学課のサイトから入手した。ドイツ語を伸ばしたいという明確な目的があったので参加プログラムの選定には時間はかからなかった。航空券はネットで調べた。いくつかの航空会社は学割が効くのでそれも考慮し安全で安いものを選ぶようにした。ビザは1か月の滞在では必要なかったため取得していない。英語は以前の交換留学を通して自信がついていたので特に新しい勉強はしていない。ドイツ語は履修予定のA2の講座をyoutubeで視聴し簡単な予習をした。
留学費用
航空券は往復12万円、シンガポール航空の学割プランを使用した。プログラム参加費は750€日本円で12万程度と割高だが、ここにアクティビティや初日のパーティー代が含まれている。住居費は1か月学生寮に泊まり350€日本円で5万程度であった。人により違う寮に割り当てられているようだが、基本は大学周りである。保険料は大学指定のもので1万円程度、奨学金はJASSOから11万円をいただいた。自己負担の割合が高かったが将来のことを考えるとよい投資だったといえ、新しい友達と楽しい夏休みを過ごすことができたのが何よりの思い出である。
留学先での住居
大学指定寮に滞在した。非常に狭かったが洗面台、勉強机、たんす、ベッドが各部屋にありキッチンとシャワー、トイレが共用である。キッチン隣の部屋だったため夜間ルームメイトがパーティーをしているときはうるさかったが普段は静かで平和であった。キッチン管理がされておらず料理ができるような環境ではなかったことが残念である。
留学先で困ったこと
特になし。
留学を希望する後輩へアドバイス
日本で受ける授業より学生主体で考える時間が長い印象を受けました。学びたい意志の強い学生さんは楽しいと思います。また特にドイツはヨーロッパの中でも経済大国で様々な国から留学生が来るので非常に充実した国際交流ができると思います。留学一般でいえば、もちろん語学力は求められますが、伝えようとする姿勢と人の話を理解しようとする姿勢を持つことが何より大事だと思います。英語に自信がなくても興味があればとりあえず行ってみることをお勧めします。