TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program in Thailand(SERE)タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)2019

TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program in Thailand(SERE)タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)2019

留学時の学年:
修士課程1年
東工大での所属:
物質理工学院
留学先国:
タイ王国
留学先大学:
タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)
留学期間:
2020年2月7日~2020年3月7日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概略

・2020/2/7〜3/7の1ヶ月間、タイ国立科学技術開発庁(NSTDA) ナノテクノロジー研究センター(NANOTEC)内の研究室にてインターン
・3/2〜3/6の1週間、SEREプログラムにて東工大 渕野哲郎准教授の講義「Process Design in Sustainable Environmental Engineering」を受講

留学前の準備

留学情報の入手は冊子「東工大生のための海外留学のてびき」より。自分の専門分野から希望配属部署を決定し、TAISTプログラム担当の方からこれまでの研究室ごとの受け入れ実績をリストアップしていただきました。その中の研究者の方々の論文を東工大の論文検索から拝見させていただき、自分の現在の実験テーマとかなり近い分野を行なっている研究室を発見し、メールにてコンタクト。自分の研究テーマを伝え、現地での実験に必要な装置・試料を連絡し、準備していただきました。

留学中の活動及び感想

上記で述べたように、自分の研究テーマにマッチした研究を行っている研究室を発見でき、受け入れていただいたので、準備段階は比較的スムーズに進みました。具体的には、担当研究者の論文の読み込み、自分の研究結果の整理、また英会話の勉強を行ないました。派遣先では普段、自分の研究室と同じ原理・異なる方法を用いた実験を行っており、自分はその再現実験という形で実験させていただきました。事前勉強をよくしていたこともあり、実験方法に関してのレクチャーは初日に終わり、残りの時間を全て実験に割くことができました。

試料測定に関して、東工大では測定装置を個々の研究室で小さなものを所持していることが多いですが、現地の施設では共用の大きな装置を所持しており、精度は上がるものの、逐一予約しなければいけないことに不便さを感じました。このように実験器具や施設の大きさなどについて、東工大以外の環境に触れることで東工大が恵まれた環境であることを認識することができました。

実験装置など設備的な部分で東工大との違いを感じる一方で、研究の仮説・検証の進め方や実験手法に関しては共通する部分が多く、世界中で遠く離れていても「研究の手法やマインド」の部分は世界中同じであることを感じました。また装置に関してもHITACHIや日本電子など日本製のものも多く見られました。

インターン全体を通して担当の研究者の方はもちろん、研究室のボスや、メンバー、トレーニングで来ていたタマサート大学の学生まで、多くの方々とコミュニケーションをとることができました。彼らは非常に気さくに話かけてくれたり、ディスカッション・アドバイスをしてくださったり、それぞれの研究内容をシェアすることができました。

活動以外の部分でも非常に仲良くしてくださり、仕事終わりには毎日のように研究室の先輩のバイクの後ろに乗せてもらって、近くのショッピングモールやレストランに連れて行っていただきました。休日にはアユタヤやヴァンサンビーチなど、車で2,3時間かかる観光地まで一緒に来てくれ、非常に楽しい時間を過ごせました。



留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

プランを立てて実行する、自己管理能力が身についたと感じます。普段の大学での学生としての研究ではなく、公的な研究機関に配属されての研究であったため、勤務時間やルールがかっちりと決められている中で結果を出していくプレッシャーを感じながら研究していたことが一つの要因だと思います。

また短い期間で人とコミュニケーションを密に取り、信頼を勝ち取る能力が身についたと感じます。期間前のメールも然り、初めの自己紹介・研究紹介、ディスカッションなど全ての場面において事前連絡・準備をしっかりと行いました。これによりインターン生という立場をわきまえて「人の時間をとらない」部分と、一方で観光地に出かけたら手土産を持っていったり、もし暇そうなら積極的に世間話をするなど、「人に寄り添う」部分をバランスよく行うことに意識をしました。

このような経験・スキルは今後社会人になった時に必ず活きると考えます。

留学費用

渡航費: 約10万円(最安値ではない)
プログラム参加費: なし
生活費: 約7万円
観光費+お土産代: 約10万円(毎週末観光地に行った)
住居費: なし
保険料: 約1万円
奨学金: 7万円

留学先での住居

施設内の来訪者用ホテル。研究室からは徒歩5分で非常に便利でした。広く、清潔、朝食も美味しく、非常に良かったです。

留学先での語学状況

基本的に英語を使用。TOEIC770の英語力ですが、英会話は別途勉強する必要性を痛感しました。担当研究員や研究室のボスなど、英語圏に留学経験のある方は非常に英語が流暢で、会話がスムーズでしたが、それ以外の人は自分とあまり変わらない英語力であったため、ゆっくり話す・簡単な単語を使用するなどをして会話しました。英語を本格的に学ぶという目的であれば、英語圏に長期で留学する必要があると感じました。

単位認定(互換)

「国際研究研修2B」(2単位)を申請しました。

留学経験を今後、どのように活かしたいか

今後の研究・英語勉強のモチベーション・さらに長期(半年程度)の留学へのモチベーション・就活に活かしていきたいです。

留学を希望する後輩へアドバイス

これからの社会、留学によって得られる経験や能力は必ず活きると思いますし、東工大という環境は留学の機会に恵まれているにもかかわらず、なかなか多くの東工大生が踏み出せていないという状況だと思います。自分の研究がストップしてしまうという考え方もありますが、研究室を変えて異なる文化の研究環境に身を置くことで、予期せぬところで新たな発見が待っているかもしれません。何よりも、自分の意思で海外に出向き、リスクを負わずにグローバル経験を勝ち取れるのは留学だけだと思います。多くの後輩達にこの経験を味わってもらいたいです。

この体験談の留学・国際経験プログラム情報

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