TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program in Thailand (SERE) タイ国立科学技術開発庁 (NSTDA) 2023

TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program in Thailand (SERE) タイ国立科学技術開発庁 (NSTDA) 2023

留学時の学年:
M1
東工大での所属:
物質理工学院
留学先国:
タイ王国
留学先大学:
タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)
留学期間:
2023年7月2日~2023年8月5日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概要

参加プログラム:TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program in Thailand(SERE)
機関名:National Metal and Materials Technology Center (MTEC)

TAIST-Tokyo Techでは研究開発や人材育成を目的として、タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)やタイのトップクラスの大学と共同で、高度な知識を有する研究技術者・開発担当者を養成しています。私の留学先であるMTECはNSTDAの下に設置されている研究所で、金属や材料素材に関する研究開発を行っています。

留学前の準備

・プログラムについての情報収集
Web上に掲載された、同プログラムでタイに渡航した方の過去のレポートを読んだり、国際推進課の方が用意してくださるプログラムの参加案内に目を通して、留学の諸手続きや現地での生活、持ち物について確認しました。

・所属研究室の決め方
受け入れ機関(MTEC)のWebサイトを見て、自身が行っている研究と親和性が高そうな研究室を複数ピックアップしました。その後、国際推進課の方に伝え、受け入れに関する調整をしていただきました。所属研究室が決まったあとは、指導教員の方と直接連絡を取り、タイで行う研究内容について確認しました。

・専門分野の学習
渡航前に指導教員の執筆した論文や関連する内容の論文を読み、研究の位置づけや専門用語、実験方法の概略についてある程度把握しました。

・ビザ取得
必要書類に関してはタイ大使館のHPを確認しました。申請に必要な現地からの招聘状については国際推進課の方に手配していただきました。ビザの予約は数週間先まで埋まっていることが多いので、早めに取得することをおすすめします。

留学中の勉学・研究

私が渡航した7月にはSEREの講義が開講されていなかったため、主に研究に専念していました。研究内容としては、石炭火力発電所の炉底に堆積する副産物であるボトムアッシュから、二酸化炭素吸収材料としてのゼオライトの合成を行いました。特に、合成の温度が材料の収率や特性にどう影響するかを検討しました。1ヶ月という短い期間だったので、仮説に対する一定の結論が得られるように研究内容を調整しました。

休日には、宿泊施設から近いバンコク近郊やアユタヤ周辺を観光しました。バンコクではWat PhoやWat Arunなどの有名な寺院、カオサン通りという世界中からバックパッカーが集まる場所などを巡りました。アユタヤでは、世界遺産に登録されている遺跡を訪れたり、象乗りの体験も楽しんできました。

Wat Arun
Wat Arun

チャオプラヤ川クルーズ
チャオプラヤ川クルーズ

留学を終えて自分自身の成長を実感したエピソード

コミュニケーションに最も苦労しました。タイの方々の話す英語には、日本で聞き慣れない訛りがあったため、初めは聞き取ることができませんでした。留学前にタイ語の読み書きは少し学んでいたものの、発音の難しさから、意思疎通が取れないことも多くありました。しかし、わからない単語や発音をその都度確認してタイの訛りを理解していくことで、最終的には流暢にコミュニケーションできるようになり、成長を実感しました。

留学費用

渡航費:往復75,000円
ビザ取得費:10,000円
住居費:無料
保険料:10,000円
食費:30,000円
その他生活費:計60,000円

奨学金:日本学生支援機構 月額70,000円 
    計2ヵ月分 140,000円

留学先での住居

研究室から徒歩5分の距離に宿泊施設がありました。手配はプログラム担当者の方にしていただけたので、僕自身から特に申し込む必要はありませんでした。2人部屋だったものの、ルームメイトはいなかったため、1ヶ月間一人で生活していました。室内での食事は禁止されていましたが、共用スペースには電子レンジやキッチン、コンロが設置されていたので、自炊することも可能でした。さらに、同じ建物内にはプールやトレーニングジムもあり、充実した設備が整っていました。

留学先での語学状況

現地の学生や指導教員との会話は基本的に英語で行いました。タイの方々の話す英語は、日本で耳にするものとは異なる訛りがあったため、最初はうまく聞き取れず会話が途切れることも多かったのですが、1、2週間すると発音にも慣れ、スムーズに会話を楽しむことができるようになりました。私自身、そして多くのタイの学生も英語が堪能というわけではなかったので、簡潔な語彙を使い、いかに自分の考えを伝えるかを重視していました。

単位互換(認定)

グローバル理工人海外研修アドバンスト2C

留学経験を今後どのように生かしたいか

今回の留学を通して、海外生活の刺激や楽しさを実感し、将来的にさらに長い期間、海外で生活をしてみたいと考えるようになりました。ちょうど就職活動が始まる時期でもあるため、企業選びにおいては、海外で勤務する機会があるか、または海外プロジェクトに携わることができるかという点を重視しようと考えています。また、留学先で多くのタイの方々からサポートを受けたことから、TAISTプログラムを通じてタイから日本に来ている学生や他の留学生に対して、恩返しの気持ちを込めて何らかの形で支援していきたいと思っています。

留学先で困ったこと

学生はある程度英語が話せる人が多いですが、大学の外では、例えばタクシー運転手や飲食店の店員さんとのコミュニケーションは英語では難しいことが多いです。私自身、タイ語をほとんど勉強していなかったため、大学外での意思疎通はかなり厳しかったです。Google翻訳とジェスチャーを駆使することで何とか対応していました。

留学を希望する後輩へのアドバイス

海外での一人暮らしや、英語での意思疎通など、留学に向けての不安は数多くあると思います。特にTAISTプログラムでは、あまり馴染みがないタイへの留学という選択肢に尻込みしてしまうかもしれません。しかし、大抵のことは解決できます。留学は勢いが大事です。僕自身締め切り当日に書類を書いて提出しました。渡航準備についても、国際推進課の方がサポートしてくれますし、留学中には東工大のタイオフィスや現地学生、教員の方々が本当に親切にサポートしてくれます。ぜひ皆さんには、自身の殻を破り、このチャンスに挑戦してほしいと心から願っています。

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