協定校シーズンプログラム (ベルリン工科大学) ベルリン工科大学 2019年8月

協定校シーズンプログラム (ベルリン工科大学) ベルリン工科大学 2019年8月

留学時の学年:
学士課程2年
東工大での所属:
環境・社会理工学院
留学先国:
ドイツ連邦共和国
留学先大学:
ベルリン工科大学
留学期間:
2019年8月
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概略

移民受け入れに関してEU内で議論が活発化し、紛争や内戦などにより減ることのない難民問題がある中、移民受け入れに対してポジティブな考えを持っているドイツで移民・難民問題に対して都市開発という視点から解決策を模索していこうというプログラム。

期間

8/19~8/30

留学中の勉学・研究

移民に関するプロフェッショナルである教授3人により議題が提示され、彼等がヒントやバックグラウンドを紹介しながら生徒たちにより意見の交換が行われる。個人によるプレゼンテーションとひとグループ7 人ほどによるグループプレゼンテーションが1 回ずつある。毎週水曜日はフィールドトリップがあり、専門家から実際にデータ収集や街づくりについて学ぶ。

授業

授業は基本的に教授の情報提示→ディスカッションの流れが多かった。ただフリーディスカッションのように話題がコロコロ変わるわけではなく一つの議題の元ディスカッションが行われた。また、1 週間に4 人ほど外部から移民に関する専門家がやってきて実際に起きている事例や解決策、実体験などを還元してくれる。フィールドトリップでは実際にIOM(International Organization for J\,figration)を訪ねて移民・難民のデータの取り方や信憑性について講義してくれ、ニューケルンヘのフィールドトリップではその土地の都市開発をwalking tourという形で案内して頂いた。どれもかなりデータや事実に基づくもので具体的に問題に対する解決策を模索していた。

留学中に行った勉学・研究以外の活動

urban developmentという科目は私が専攻する建築分野の一部であり私が興味を持っている分野である。そして移民問題やヨーロッパ全土を悩ませている問題であり、右派が徐々に台頭しつつある現在の世界を理解する上で欠かすことのできない議題の一つである。グローバル理工人としての自覚を持っためには勿論専門の知識も必要であるが、世界のことを知る必要もある。移民・難民について知ることはすなわち権利について考えることだ、先進国の我々が当たり前に持っている自由、権利は難民にとっては当たり前ではない。劣悪過ぎる難民キャンプの外に希望を見出し、命がけで外に出たとしても待ち受けているのは搾取であったり暴力であったりと彼等にとってオアシスは存在しないのである。そんな中我々が出来ることは必ずしも日本に彼等を受け人れることだけではない、彼等にとって住みやすい街、居住区を作ったり働く環境を用意してあげたりと出来ることは色々とある。

今回のプログラムを通じて自分のできることを少しでも増やそうと思った。移民問題は政治の問題であったり国家間の問題であったりと一括りにできるものではない、そのためには自分の知る知識の要点をまとめて分かり易くてとっかかりやすいテーマに昇華していく能力が求められる。授業では伝えることが精一杯でまとめたりはしていなかったが今後も海外に何度でも挑戦して伝える力を身に付けたい。

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

8/19日から2週間に渡って行われたベルリンエ科大サマープログラムのimmigration and urban development。一つ今回の留学においてざっくりとした感想を挙げるとするのであれば周りの生徒たちに太刀打ち出来なかった、これに尽きる。このプログラムでは主に国境や国家間に具体的にどのような問題があるのか、NGOを始めとした団体は問題・不法労働などの問題に今現在どのように取り組んでいるのかなどが主な議題であった。もちろん海外の大学であるのでほとんどの授業において生徒のparticipationが求められた、これは日本の大学における出席とは一切異なるもので実際に授業の一部になることが求められる。

普段いかに授業を深く受けていないか実感することとなったし、海外大学と日本の大学の授業の仕方について少し考えることにもなった。実際に指名され発言を求められた場合ある程度発言することが出来たが、食い気味にディスカッションがとり行われるクラスにおいての私の発言は皆無であるとみなして良いであろう。そしてさらに私が驚いた点は最初の授業であった。自己紹介がてら移民に関する経験や知識をペアと話し合うというものであったクラスでその時間は10分以上続いた。特に知識も経験のない私たちのペアはほとんど話すことが無かったが、周りのペアは知識・経験を有していてさらにその話題をその場で消化して展開していったのである。仮にこれが日本語でのレッスンであったとしても移民についてだけで10分も話すことは私には出来ない。普段から自分の考えを話しながらまとめていく海外大学のスタイルにちょっとした憧れのようなものを抱く結果になった、“知る〞だけでは自分のものにはならないのである。

ただずっと黙っていたわけではない、授業外ではクラスメイトとご飯を食べたりして積極的にディスカッションをした。今年の3月にイギリスに語学留学に行った時はあくまで一個人として意見を述べていたが、今回はあるグローバルな問題に対して日本ではどのように考えられているか、どのように報道されているかなど日本人として意見を言ったり伝えたりする機会が多かった。睡眠時間はしつかりと取っていたが留学の期間中は脳をフル活動させていたので基本的に脳が疲れていた、しかしこの良質な疲労感を味わえたのは私の糧になったし単純な英語力だけでなく相手が何を言いたいのか、自分の要点はなんなのかをまとめる力が前よりもついた。

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