協定校シーズンプログラム (ベルリン工科大学) 2024年8月12日~8月23日
留学時の学年: |
B3 |
---|---|
東工大での所属: |
環境・社会理工学院融合理工学系 |
留学先国: |
ドイツ |
留学先大学: |
ベルリン工科大学 |
留学期間: |
2024年8月12日~8月23日 |
プログラム名: |
プログラムの概要
本プログラムは協定校シーズンプログラム、ベルリン工科大学(Technische Universität Berlin)のSumer School 2024 Term 3であった。Term 3のプログラムは8月12日から8月23日の2週間にわたる期間で開催された。その中で私はDraw Design Buildコースを選択した。私は環境・社会理工学院融合理工学系に所属しており、このコースは主に建築に関連した分野であったため自身の専門とは関係のない分野であった。このコースに参加していた学生数はTerm 3の中でも人数が多く、約20人弱が参加していた。コースのメンバーは様々な国の学生(日本、中国、韓国、ドイツ、アメリカ、アルゼンチン、シリア等)が参加していた。このコースでは主に最初の数日間絵の描き方を学ぶ講義、残りのすべての日を建築のデザイン、および建築を行う授業で構成されていた。このコースでは大きく4つの建築を行った。このコースの大きな特徴は、他のコースがベルリン工科大学のキャンパスで主に行われるのに対し、キャンパスで講義は行われずベルリン市内の他の場所で行われることだ。今年はNeukölln駅周辺の小学校で行われた。本プログラムでは授業以外にもCultural Programも存在しておりポツダムに行く機会があった。
日程
プログラムの開催日程は8月12日から8月23日である。開催初日に全プログラムの合同オリエンテーションが行われ、最終日は午前まで授業、午後から修了式が存在した。間の平日は全ての日に授業が行われた。また平日の夕方や休日にはCultural Programが開催された。Draw Design Buildのコースには課題等は存在しなかったが建築の進捗状況に応じて授業時間が延長されることがあった。
参加目的
今回のプログラムに参加した理由は主に二つある。一つ目はドイツの大学で講義を受講してみたいと思ったからだ。私は今まで日本での大学生活しか経験したことがなかったが海外、中でもヨーロッパで大学生活にどのような違いがあるのかを知りたいと考えた。二つ目は日本で学習している専門とは異なる分野を学んでみたいと考えたからだ。自身は普段物理や数学等様々なことを学んでいるが建築関連については学んだことがなかった。そのため手書きで設計をする方法や物を作る経験をしてみたいと考えていた。これらの理由から大学3年生の夏休み期間に開催されるこのプログラムに参加した。
活動内容
プログラムの中では講義の受講、および課外活動を行った。
講義
グループ2成果物(私の所属グループ)
講義は初日のオリエンテーションの日だけ大学で自己紹介と必要な器具等の配布行う授業があった。以降はNeukölln駅またはGrenzallee駅が最寄り駅の小学校で講義を行った。はじめの2日間は絵の描き方を学ぶ講義、以降は建築のデザインを実際に行い、建築する講義を行った。はじめの絵の基礎を学ぶ講義では学校内で自由に絵を描き、それを全員の前で発表した。どのような点に注意して絵を描いたかを説明することで無意識的に描くよりも次回以降上達することができた。さらに発表後に教授からフィードバックをいただいた。これにより自身の至らぬところを認識し次に生かすことができた。建築を行う前にこれらの講義を経たことで実際に建築を行う際にアイデアを具体的に表現できるようになったと感じた。3日目には建築のアイデアだしを行った。建築のテーマは小学校の中の使われていないスペースを建築することでどのように改善するかであった。この際各学生がアイデアを発表する形式になっていた。そして発表した後に教授がフィードバックを行い採用するかを決めた。この時様々な観点からフィードバックを行っており自身の視野が広がったように感じた。私が何気なくアイデアを思いつきそれを教授達に発表したところ気に入っていただき採用され建築を行うことになった。自身は小学生がイベントを行うためのデッキを作るという案をだした。
建築は大きく4つのプロジェクトを進めることになった。それぞれのプロジェクトごとにメンバーが割り当てられた。各グループの建築内容はアスレチック、デッキ、ベンチ、ベンチとなった。私はデッキを作るグループに入った。実際に建築を行う際は木材の選び方、機器の使用方法、木材の耐久性の向上方法や建築プロセスを学んだ。私は建築を行ったことがなかったためすべてが新しく感じた。また実際の建築プロセスを経ることでアイデアを具現化することの難しさを知った。はじめはプロジェクトを進める際にはただ木材を配置してねじを使って固定するだけだと考えていた。しかし実際には木材は大きく重いため運搬することが難しく、木材を加工することも大変だとわかった。さらにねじを止める際には木材が固くねじが折れるということが頻発し建築は大変だと実感した。これらのプロセスを経て建築が終わった際には大変感動した。自身のアイデアを実際に形にするのは楽しく得難い経験だった。最終日の修了式では全コースの学生が集まっている場所でコースの内容を発表した。発表者は当日の修了式2時間前頃に決まり、さらには発表内容も決まっていなかったため即興でプレゼンを行った。そのような経験はなかったため不安に思うこともあったが結果的には自身の伝えたいことを発表することができた。
Cultural Program
サンスーシー宮殿
このSummer Programではベルリン工科大学の方が様々なイベントを用意していた。私は中でも第一週目の土曜日にあったポツダムへの観光に参加した。ポツダムでは初めに観光ガイドの方が地元の建物の建築様式を解説してくださった。ポツダムの町並みは、歴史的な建築様式を崩さないために人が多く通る表通り側にはバルコニーの建築や周囲との調和を崩す現代的建築は行うことができないということを解説してくださり大変興味深く思った。
さらにはサンスーシー宮殿にも訪れた。宮殿本体よりも庭園の方が広くすべて見るのに約2時間かかった。
現地の生活
宿泊場所は大学から電車で30分ほどのところにあるThe Circus Livingに滞在した。Ostbahnhof駅が最寄りの駅であり、駅から10分ほど離れたアクセスのよい場所にあった。部屋は一人部屋であり生活に必要なものは大体そろっていた。中でも各部屋一部屋一部屋にWi-fiが設置されておりインターネットにも困ることはなかった。またホテルの近くに比較的大きめのスーパーマーケットもあり生活に困ることもなかった。しかしエアコンが導入されてなかったこともあり日中の部屋の温度は高めだった。
交通機関についてはOstbahnhof駅にはICE、RE、RB、S-bahnが通っていた。またすぐ近くの駅にはU-bahnも通っていたため大変交通アクセスはよい駅だった。私が滞在している間はOstbahnhof駅からZoologischer Garten Bhf駅(ベルリン工科大学の最寄り駅)の間のAlexanderplatz Bhf駅からZoologischer Garten Bhf駅までが工事の影響で電車が止まれなくなっていた。そのためS-bahnを使用して大学に行くことができず、乗り換えをせず大学に行くにはREを使う必要があった。REは数十分に一本しか走っていないため、数分に一本走っているS-bahnよりも時間に厳しかった。ドイツに行く前は電車が時間通りに到着するか心配だったが心配は杞憂だった。
本プログラムの影響
今回のプログラム当初は、プログラム内容が自身の専門分野でないことから講義についていけるかどうか不安だった。しかし講義がいざ始まってしまうとこの不安は杞憂であることが分かった。プログラムに参加している学生は建築専門の人もいたが実際には専門分野でない学生も多数在籍していた。実際にこのコースを受講して効率的な空き地の活用方法と建築物を設置した後の効果を知ることができた。これを通して問題があった時のアイデアの出し方や解決策へのアプローチを学ぶことができた。これは私の専門でも活用することができると思う。私の専門は工学だがこの分野は様々な知識が必要であると考える。そのため今回の経験を生かして今後も学習をしていきたいと考える。コースは基本的には英語で行われた。このコースは通常の講義形式と違って実際に建築をしながら様々なことを学習し、発表する形式であったため会話においては瞬発力が求められた。とても楽しくコース全体を通して自身は実践できたと思う。Cultural Programを通してドイツの様々な歴史や文化を学ぶことができた。ポツダムに行くことで、なぜベルリンではあまり高層ビルを見ないのかを理解することができた。また逆に現地の学生は日本の文化に興味がある学生が多いことも驚いた。私がわからないことも聞かれたりすることが多くあったためもっと日本の文化についても勉強したいと思った。
その他所感
このプログラムを通して様々な困難にぶつかってきた。ドイツに着いた最初の数日間は部屋の鍵を開けることができず通りすがりの人やフロントに行って鍵を開けてもらっていた。またドイツは電車のシステムが日本と異なることからどのチケットがどの種類の電車に対応しているのかわからないことがあった。そのような場合には周囲の学生に聞くことで対応した。これらの経験からトラブルの対処力がついた。帰国当日にはフライトが遅延するトラブルも起こった。ベルリンからミュンヘン経由で帰国するフライトをとっていたが、ベルリンからミュンヘンまでの飛行機がエンジントラブルの影響でフライト予定時刻から2時間程度遅れた。そのため空港のカウンターで乗り継ぎのフライトをどうするか等様々なことを聞き実際にどう行動するかを考える必要があった。結果的に乗り継ぎのフライトは羽田行きのフライトが、当初私が予約していたフライト以外ないと言われ、乗り継ぎできなかった場合はミュンヘンでカウンターに聞くことになった。最終的には無事羽田行きのフライトに乗ることができた。ミュンヘンでの乗り継ぎ時間は3時間弱ある予定だったが、実際に空港に着いたのは羽田行きのフライトのゲートが閉まる30分前だった。大変焦ったがゲートが閉まる10分前に飛行機に搭乗できた。これらの経験を経て自身に自信がついた。一人で海外生活し、トラブルに対処することで今までよりも成長したことを実感した。今回のベルリン工科大学でのSummer Schoolを通して自身の将来への視野が広がり、また自身に自信がついた。将来また海外に行き生活し、経験を積みたい。今回のプログラムに参加するにあたり様々な方から支援をいただいた。これらのすべての方々に感謝の気持ちを忘れず、今後の大学生活に励みたい。
この体験談の留学・国際経験プログラム情報
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