IAESTE/理工系学生のための国際インターンシップ Hochshule Merseburg 2023年8月1日~2023年10月31日

 IAESTE/理工系学生のための国際インターンシップ Hochshule Merseburg 2023年8月1日~2023年10月31日

留学時の学年:
博士1年
東工大での所属:
物質理工学院 応用化学
留学先国:
ドイツ
留学先大学:
Hochshule Merseburg
留学期間:
2023年8月1日~2023年10月31日
プログラム名:

インターンシップ概要

2023年8月1日から10月31日まで、ドイツのHochschule Merseburgにて3ヶ月間の研修を行なった。ACオファーで応募したため、研修先は自動的に決定された。アコモデーションとしては大学寮が使用できることが決まっていた為、特に滞在場所などの決定等におけるトラブルは無かった。
研修内容としては、Prof. Dr. Beate Langerの研究室にて、プラスチックの機械的特性評価の研究を行なった。日本で研究している内容とは全く異なる分野だったので、当初は一から勉強及び文献調査を進めることになった。その後、試料の機械的特性を調べる実験を開始したが、異なる分野であるため、ほとんどの実験・解析を初めて経験した。一方で、背景知識などはシンプルであったので、特に問題なくスムーズに結果を出すことができた。
ディスカッション等は時々ドイツ語を用いて行われるので話についていけない部分もあったが、その他の英語で行われるコミュニケーションは特に問題は無かった。最終月には最後の成果発表を行い、すべてのインターンのプロジェクトは無事に終了した。

シャルピー衝撃試験
シャルピー衝撃試験

引っ張り試験
引っ張り試験

インターシップ内容

1.研修について

配属された研究室は材料科学系の研究室であったため、私の専門分野である応用化学とは物質という観点では近しいが、扱っている学問という見方では全く異なる内容であった。従って、配属前は知識はほぼ皆無の状態からスタートした。最初の2週間程度は、専門分野の勉強と関連研究の文献調査のみを行なった。必要な基礎知識や専門用語などはこの期間に習得することができたため、後の実験やディスカッションに役にたったと思われる。その後は、スーパーバイザー指導の元で実験を開始したが、自身が日本で行なっている研究に比べると遥かに簡単であったので、機械の使用方法などは短期間で習得できた。最初の月は、分析に必要な試料の作製および簡単な機械的物性評価を行なった。次月以降は、より詳細な特性を調べるために、別のタイプの測定評価を行い、そこで得られた各種パラメータをそれぞれの試料で比較することで、どの要素が物性の違いに起因するかの考察を行なったり、表面観察を行うために顕微鏡で試料の観察などを行なった。最後の月には成果をまとめてプレゼンすることで、解析の整合性や考察の妥当性などについて改めてディスカッションを行なった。研究室内は、ドイツ人のほかにシリア人、バングラディッシュ人、ロシア人などのメンバーもいたが、自分を除いて彼らはドイツ語が堪能であったので、時々ドイツ語での議論が行われた。一方で、私のドイツ語はビギナーレベルであったので、ほとんど英語で議論を行なった。

Hochshule Merseburgの 研究室メンバー

Hochshule Merseburgの 研究室メンバー

2.大学生活について

Merseburgは旧東ドイツ(Leipzigの少し西側)に位置するので、歴史的な理由から、特に年齢層が上がってくると殆ど英語が通じなくなる。特に大学はMerseburg hbf(中央駅)から比較的離れており、田舎のような場所にあるので、高齢者が多いほか、大学の学生も英語が上手な人はそれほど多くない印象であった(話せるけど自信がなくて話したがらない人も多い)。従って、生活をするにはドイツ語の学習が必須であり、最初の月は色々な言葉を覚えるのに苦労した。ある程度コミュニケーションが可能になると、簡単な会話をするのには苦労しなくなったが、英語が苦手な学生の友達を作ることは困難であった。友達などは、学内のイベントへ参加したり、週一で開催されるサッカーに参加したりすることで作ることができた。

3.IAESTEのイベント関連について

8月下旬にIAESTE Germany主催のIAESTE weekendに参加し、Bayern州のNürnbergを訪れた。主に研修生はドイツ周辺のヨーロッパ(スペイン、スイス、オーストリアなど)が多かったが、他にもエジプトやギリシャなど、比較的遠方からも参加者が来ていた。イベント内では、歴史的な建築物のツアーであったり、ドイツ料理を堪能したりとの経験をすることができた。アクティブな人たちもいて楽しかった。

4.休暇について

時間ができた時には、友人とMerseburg周辺の都市に遊びに行ったりすることが多かった。特に音楽家のバッハが働いていたとされるHalle (Salle)までは電車で10分で行けたので、そこに遊びにいく機会が多かった。また、10月の下旬にはIAESTEで知り合ったスペイン人の友人に会うためにValenciaを訪れたほか、他の友人に会うためにCopenhagenなども訪れた。


IAESTE weekend (Nürnberg)
IAESTE weekend (Nürnberg)

5.研修中の滞在先

宿舎の形態: 5人部屋の寮(1人1部屋、中央に共通空間、バストイレキッチンは共通)。
周辺地域の環境や治安: 大学周辺は田舎なので犯罪などは滅多に起こらず、安全に感じた。一方で中央駅はアラブ系移民も多く、治安は良くなさそうな印象はある。
滞在先から研修先までは徒歩で5分程度。

派遣国(ドイツ)の印象の変化

前: ドイツ人は厳格なイメージ
後: 意外と適当な人が多い(厳格な人もいる)
ドイツは他民族国家であることを改めて認識した。そしてよりドイツへの興味が高まった。

インターン中の1週勤務時間

実際の就業時間
1日: 6-7時間
1週: 平日3-4日間

研修先での滞在費の支給

現金手渡しでした。
週単位: 現地通貨( 934 Euro ) 日本円(149,300 円)
全支給額: 現地通貨( 2803 Euro ) 日本円(448,000 円)
1200 Euro 弱を両替して現金で持って行った。ギリギリ足りた。

滞在国で日本について質問された事

アニメが人気だった

派遣国に到着後、研修先までの行き方のサポート

大学の”Buddy service”と呼ばれる新人をサポートするサービスからの学生が来てくれた。

研修以外の時間(勤務時間後や週末)の使い方

旅行、サッカー、友人と食事、日本の研究室の仕事など。日本では研究室に引きこもりがちな生活が続いていたが、ドイツでは定期的にリラックスして働くことが効率などを高める上でも重要と実感した。

日本出国前に準備をしておいた方がいい事

現地の言語の学習および、英会話が苦手な方は英語の学習をお勧めします。また、受け入れ先で行う業務に関する基礎知識の学習も行うと良いと思う。さらに、その国周辺の歴史や民族だけでなく、日本(母国)の文化や歴史にも触れておくと役に立つと思われる。

今回のIAESTE研修を通して、最も良かったと思う事

多くの人との繋がりができて視野・知見が広がったこと、ヨーロッパへの関心が高まったことなど。またドイツの国、歴史、教育、人などについて色々知ることができたこと。

後輩への一言

若いうちに色々経験しておけば後で役に立つと思うので、決めたら深く考えずに行動するといいと思う。そして決めたら早いうちに準備して勉強を進めてください。

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