TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program in Thailand (SERE) タイ国立科学技術開発庁 (NSTDA) 2024

TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program in Thailand (SERE) タイ国立科学技術開発庁 (NSTDA) 2024

留学時の学年:
修士課程1年
所属:
生命理工学院生命理工学系
留学先国:
タイ王国
留学先大学:
タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)
留学期間:
2024年9月3日~2024年10月25日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概要

参加プログラム:TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program in Thailand (SERE)
機関名:The National Center for Genetic Engineering and Biotechnology (BIOTEC)

2 か月間派遣され、インターンシップとして研究活動に取り組んだ。

留学前の準備

- 留学情報
プログラムの存在を学内 Slack や HP で知り、掲載されている体験記をいくつか読み興味を持ったので、まずは 4 月にキャンパス内で開催された留学フェアで担当者の方に話を聞いた。タイ現地にもANNEXスタッフがおり手厚いサポートが受けられることや、宿舎が用意されるため自分で手配する必要が無いこと、期間が合えば講義も受講できることなどの説明を受けた。留学について調べるほど行きたい気持ちが増していき、応募書類を提出した。

- 語学準備
TOEIC は悪くないスコアだと思っていたが、プログラム面接でスピーキングがほとんどできないことを思い知らされた。合格となったが、担当教員と相談して当初予定していた1か月から2か月に滞在期間を延ばすことになった(結果的に、期間を延長して満足している)。事前にスピーキング力を強化したいと思い、「アカデミックプレゼンテーション」という講義を受講した。オンラインで毎週 15 分程度の英語プレゼンをする講義であった。プレゼンスキルと英語の表現を同時に学べ、毎週アウトプットとフィードバックをもらえた。また図書館で英会話関連の本を借りるなどした。この本は留学先にも持って行った。

- 専門分野の準備
TAIST事務室によるアレンジを経て指導教員が決定したあと、メールで挨拶をし、オンラインミーティングを設定してもらった。ミーティングでは自分の研究を軽く伝え、現地で取り組むプロジェクトを選定した。自分の興味と今までの経験が活かせるような内容だった。指導教員の出した論文を読み、ミーティングで教えてもらったキーワードについて調べるなどの準備を行った。

- ビザ
丁度私が渡航する時期にタイのビザ要項が変わり、60 日以内で留学目的だった私はビザが必要なくなった*。

*入国にかかるビザの要否は渡航時期によって変わる必要がありますので、事前に必ず確認するようにしてください。

留学中の勉学・研究や生活

- 研究
発酵野菜に関する研究を行った。乳酸菌はグルコースなどの糖から乳酸をつくる働きをすることで野菜を発酵させる。今回私のプロジェクトでは、人工的に加える乳酸菌の効果と、発酵野菜による健康効果について調査した。加える乳酸菌の選定のための試験から始め、刻んだ野菜と乳酸菌を室温で発酵させたサンプルを、pHや菌の濃度変化など様々な点から解析した。
野菜にカビが生えたことで実験を一部やり直しになるハプニングもあったが、改善を繰り返し、発酵野菜のサンプルを得ることができた。また、サンプルを消化器官モデルに消化させた際の影響についても調査した。消化後の血中糖濃度の上昇を抑える働きが期待される。

- 講義
エコデザインについての講義を受け、ライフサイクルアセスメントの方法や環境に関する法律について学んだ。1日6時間ほどの講義が3日間で完結する形だった。後半では5人ほどのグループを作って最後にある電化製品のエコデザインについて提案するプレゼンテーションを行った。同じ講義を受ける現地の大学生と仲良くなり、帰国前に遊園地に連れて行ってもらった。

研究の環境やようす

- 観光
週末や祝日はタイの様々な場所を積極的に訪れた。ショッピングモールが近代的で楽しいバンコク、タイの歴史を身近に体験できる博物館、歴史的な遺跡が多く残るアユタヤ、日本軍がかつて多くの外国人を虐げて作らせた鉄道のあるカンチャナブリ、黄金の仏像と寺院、大きなビーチと海鮮の美味しいパッタヤー、数多くの船が行き交うチャオプラヤ川。
この留学前にも一度、幼いころにタイを訪れたことがあったが、その時よりも深くタイの人・食・自然の魅力を感じることができた。初めての一人観光をしたり、現地で親しくなった方々に連れて行ってもらったりした。バスの速さや運転の荒さに驚いたのも良い経験だった。

現地で家族のように良くしてくれた方々
現地で家族のように良くしてくれた方々

訪れた自然
訪れた自然

留学を終えて自分自身の成長を実感したエピソード

自分の拙い英会話を笑顔で受け入れてくれる人ばかりであったため、積極性と他者への寛容さが身に付いたと感じる。
留学前には先述したように英語での会話はほとんどできず、留学先でもほとんど話せず帰ることになるのではないかと不安だった。しかし英語で意思疎通できたときの嬉しさから、どんどん積極的に会話するようになり、数週間で思考言語が英語になったのを感じた。出発前には学ぼうともしなかったタイ語も留学中に学び始め、今はいつか再会したときにタイ語でコミュニケーションできるようになりたいと考えている。また、一人での留学で心細い中、現地の同僚や同級生たちが与えてくれた数々の恩を切実に実感した期間でもあった。彼らに受けた親切を自分も誰かに与えられるようになりたい。

留学費用

渡航費:7万円(往復)
生活費(観光費含む):11万円
住居費:0円
保険料:2万円
ワクチン費:5万円
奨学金:14万円(7万円/月)

留学先での住居

プログラムで用意された SSH (シリントーン・サイエンス・ホテル、NSTDA構内の宿泊施設)に滞在した。SSH は研究室から歩いて 5 分ほどの距離で、ほぼ毎日清掃をしてくれる素晴らしい滞在先であった。私の部屋は4人部屋で4つベッドがあったが、ルームメイトはおらず1人で使用していた。女子エリアと男子エリアは分けられている。途中で工事のため別の階に1週間ほど移動した。特に不自由なく生活できた。

留学先での語学状況

講義や研究室では英語でコミュニケーションできる。始めの数日はタイの英語に耳が慣れず聞き取れないことが多かったがすぐに慣れた。また、バンコクなど大きな観光地では簡単な英語が通じることが多かったものの、NSTDA内の食堂や小さめの街ではタイ語翻訳の利用や簡単なタイ語を覚えて使った。

留学先で困ったこと

食事の量が多く、一度お腹を壊した。胃薬や整腸剤は持って行った方がいい。

留学経験を今後、どのように活かしたいか

世界中には知らない土地や人々が本当に沢山あることを実感した。もっと自由に英語で話せるようになりたいと思ったため、これを機に英語のコミュニケーション機会を増やしていきたい。今回の留学を通して、海外への心理的壁が低くなったため、卒業後の進路選択にも活かしたい。
タイの人は笑顔の頻度が高いと感じた。知らない人からも挨拶代わりに微笑みかけられ、常にこちらも笑顔でいられた。帰国してからも笑顔とマイペンライ(大丈夫)のマインドは忘れずにいたい。

留学を希望する後輩へアドバイス

行く前には想像もできない出会いが待っていると思う。留学に行きたい気持ちがあるなら、学生のうちにぜひ飛び込んでみて欲しい。このプログラムの参加者も増えてタイの魅力が伝わることを願っている。

この体験談の留学・国際経験プログラム情報

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