IAESTE/理工系学生のための国際インターンシップ (ポーランド共和国 2025年8月11日~2025年9月19日)

IAESTE/理工系学生のための国際インターンシップ (ポーランド共和国 2025年8月11日~2025年9月19日)

留学時の学年:
修士2年
所属:
環境・社会理工学院 建築学系 都市環境学コース
留学先国:
ポーランド共和国
留学期間:
2025年8月11日~2025年9月19日
プログラム名:

研修の概要

クラクフにあるURBA Architectsという、従業員30人ほどの建築設計事務所で働いた。
私の基本的な業務内容は、プレゼン資料の作成やサイトプランの提案、ランドスケープデザイン、3Dモデル作成であった。
週末は友人と出かけたり1人で旅行に行ったり自由に過ごしていた。

研修について

職場と仕事内容について

平日は毎日8時間、だいたい9:00〜17:00で週40時間働いた。基本的に土日が休みであったが、事前に相談すれば平日に休みも取れたので、インターン期間中に2日ほど平日休みも取った。
他の従業員も、1日8時間ほど働き、締め切り前以外は残業などもあまりせずに帰っていた。フレキシブル制で、朝早くに出勤して14時には退勤している従業員もいた。また、従業員が飼い犬を連れてきたり、従業員の子供が放課後に事務所に来たり、日本の働き方しか知らなかった私からするとかなり自由な仕事場であった。

ボスが私のポートフォリオを事前によく見てくれていたようで、私の研究や現在の専攻に関連した業務を割り当ててくれた。具体的には、日本の侘び寂びやミニマリズムなどをコンセプトにしたプロジェクトでそのコンセプトに合うような庭のデザインを提案したり、生物多様性や自然環境を重視したプロジェクトで植樹と道の配置を考えたりする業務があった。Adobeのインデザインや3Dモデルをつくるためのスケッチアップなど、あまり馴染みのないソフトを使って仕事をする必要があったが、周りの人たちが親切に使い方を教えてくれたため、使えるようになった。

寮での生活について

大学の寮の、シャワーとトイレが付いている2人部屋に滞在していた。キッチンとランドリーは同じフロアの学生たちと共用であった。
私の場合、チュニジアから来たルームメイトと3週間一緒に暮らし、残りの3週間は1人暮らしであった。チュニジアから来た彼女は母国から調味料や食材などをたくさん持ってきていたため、毎日彼女が作ったチュニジア料理を食べていた。また、レシピも教えてもらい、彼女が帰国した後も1人でチュニジア料理を作って食べていた。チュニジア料理は基本的にどれも辛く、辛いもの好きの自分にとっては好みの味であった。
また、彼女が帰国した後は1人でキッチンを使っていたため、そこで他の学生に話しかけられて会えば挨拶する程度の仲になることがよくあった。私が滞在していた階にはその大学の学生が主に滞在しており、タンザニアやアゼルバイジャンやバングラデシュなど、世界の様々な国から来た学生たちがいた。日本から来たと話すと、みんな知っている日本語やアニメについてなどいろいろ話してくれた。
寮の設備は概ね整っていたが、ベッドのマットレスが使い古されて沈みすぎていて背中を痛めたり、時々排水口が詰まったりした。そのような時は寮の管理人にお願いすれば大抵のことはすぐに対処してくれた。

休日について

休日は、現地のIAESTEコミュニティが主催するイベント経由で知り合った他のインターン生たちと、クラクフにある湖に遊びに行ったり飲みに行ったり、またルームメイトと買い物に行ったりもした。
また、ルームメイトが帰国した後は、オンラインで知り合った友達と日本食やポーランド料理を食べに行ったり、プラハを一人旅したりした。

  • チュニジア人のルームメイトが作ってくれたパスタ

    チュニジア人のルームメイトが作ってくれたパスタ

  • クラクフにある湖

    クラクフにある湖

  • 友達とおしゃれなバーに行った

    友達とおしゃれなバーに行った

その他

クラクフやワルシャワの街中には戦争の遺跡が残っており、収容所の遺跡が公園になっている場所があったり、元々ユダヤ人地区があった場所を示した道のデザインがあったりした。このような場所を訪れ、場所が持つ記憶を残しながら新たな目的を持った場所をつくるデザインを学んだ。遺跡を空間の区切りにして公園がゾーニングされていたり、道であれば、色は変えずに一つだけパターンを変えることで街並みに馴染みながらその場所であったことが示されていたり、特別何かを目立たせたり大きな操作を加えたりされていないけれど伝えたいことが伝わってくるデザインが街の至る所にあった。

研修内容について

就業時間

1日8時間
1週 5日間: 月曜日~ 金曜日

研修先から支払われた給与(滞在費)

週単位: 現地通貨: 1166ズウォティ、 日本円: 48,682円
全支給額: 現地通貨: 7000ズウォティ、 日本円: 292,259円
銀行振込(Revolutの口座)で研修先から支払われた給与(滞在費)は、生活するのに十分なものでした。

研修中の滞在先について、宿舎の形態、周辺地域の環境や治安

宿舎の形態:大学の学生寮、 2人部屋
周辺地域の環境:公園や緑地、アパートがあるような郊外であった。バスで旧市街地まで30分ほどでアクセスできた。また、歩いて15分ほどのところに大きなショッピングモールがあったため、そこで買い物ができた。
治安:とても良かった。変な人や事件を見ることがなかった。東京の郊外と同じくらいかそれ以上に治安が良いと感じた。

研修中の滞在先(宿舎)から研修地までの通勤:バスで往復160円ほど。現地のIAESTEの学生に手伝ってもらい定期券を買ったため、さらに安く済ませられた。

現地での生活について

研修以外の時間(勤務時間後や週末)の過ごし方

勤務時間後は、同じ寮にいる他のインターン生たちと遊びに行ったり、ルームメイトと料理をしたり、また1人で公園などに行き研究の資料を集めたりしていた。
土日はIAESTE経由で出会った友達と出かけたり、1人でプラハに出かけたりした。

また、研修地でIAESTE事務局主催の催しのBBQに参加した。IAESTE事務局が食材などを用意してくれた。また、他の大学の寮に滞在しているIAESTE経由で来ているインターン生たちにも会うことができ、友達の輪が広がった。

派遣国でその国の伝統文化に触れる機会

同じ仕事場の先輩が自宅に招待してくれて、その方のパートナーがプラムを使ったポーランドの伝統料理を振る舞ってくれた。また、その方が住まれている家がポーランドの伝統的な家屋をリノベーションしたものであったため、ポーランドの暮らしや家のつくりを実際に見て知ることができた。

ポーランドの印象を、現地へ行く前と行った後のイメージの変化

戦争をしている地域に近く、歴史的にもなんとなく暗いイメージがあったが、思ったよりも暗い雰囲気ではなかった。また、東欧の人は笑わないイメージがありなんとなく冷たそうだと思っていたが、実際にはただ無駄に愛想笑いなどをしないだけで、困っている人がいたら知らない人でも助け合っており、私自身も重い荷物を持ってもらったり電車の時間を教えてもらったり、知らない人たちにたくさん助けてもらった。

現地でのIAESTEのサポートについて

IAESTE事務局とは出発前から連絡をとり、待ち合わせ場所を決めたり、質問をした時は答えてくれたりした。

派遣国到着後、私が滞在した寮の大学のIAESTEコミュニティに所属する学生たちと駅で待ち合わせし、彼らが寮まで連れて行ってくれた。近くのショッピングセンターやコンビニの場所なども教えてくれた。

ただ、IAESTE事務局からはルームメイトがいることを知らされておらず、またルームメイトも私が来ることを知らなかったため、準備が整っていなかった。
また、寮の受付の人も私が来ることを知らなかったようで、少し手続きに手こずっていた。当初の滞在予定期間よりも早く寮を出なければいけないということが到着後に分かり困ったが、IAESTEメンバーが滞在期間を予定通りに伸ばせるように寮の管理人とやりとりをして尽力してくれた。しかし、その問題は7月ごろからわかっていたにもかかわらず対処されていなかったようで、私よりも前に同じ寮に来ていたインターンの学生たちは不満を漏らしていた。

今回の研修を通して、最も良かったと思うこと

世界中から来ている学生たちと出会えたこと。色々な価値観に触れ、また客観的な視点で日本を見ることもできた。

日本出国前に準備をしておいた方がいい事

語学力について

英語力が全く足りていなかったため、もっと勉強しておく必要があると思った。特に、現地で仲良くなった友達との日常会話でスラングやカジュアルな表現がわからなかったり、歴史や宗教の話をするときに単語がわからなかったりしたので、英語のテキストだけではなくドラマや世界史の本なども用いて勉強すれば良かったと思った。

所持金やクレジットカード等、いくら・どのように持参したか

現金でズウォティは持っていなかったが、ユーロで事足りた。基本Revolutカードで支払いをした。

日本から持参した物の中で、特に役に立ったもの、あるいは必要なかったもの

小さなピンチハンガーと消臭袋が役立った。
洗濯用洗剤を少し持っていったが、現地で買えたので要らなかった。

ポーランドへ留学を希望する方へアドバイス

ポーランド語の勉強は少ししておいた方が良い。私は挨拶しか覚えられなかったが、ポーランド語を話せないと意地悪されることもあったので、買い物をしたり受付で簡単なやり取りをしたりするときに使うフレーズは覚えておいた方が良い。

自身の専門分野や国際理解に対する考え方の変化について

様々なバックグラウンドを持つ人たちと出会いコミュニケーションをとる中で、出身国や宗教によって決まる価値観があることは事実だけれど、同時に、誰かと向き合うときは先入観を持たずにその人自身の考え方や性格を知ろうとすることが重要であるということに気づいた。同じ国や宗教の人でも性格や考え方は様々であり、1人の人と向き合うときは、相手を型に嵌めずに見るべきだと思った。

当プログラムへの参加を検討している学生へのメッセージ

どこの国に行ったとしても自分の行動次第で様々な出会いや経験が得られると思うので、挑戦してみることをオススメします。

この体験談の留学・国際経験プログラム情報

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