教育

平成24年度 卒業生インタビュー

卒業生インタビュー

東京工業大学では、平成19年度より学部学生の勉強意欲の向上を図ることを目的に、学業成績優秀な学部学生を各学科・コースから1名ずつ「東京工業大学優秀学生賞」として表彰しています。平成24年度は以下のみなさんが受賞されました。おめでとうございます。

【東京工業大学優秀学生賞受賞者】
数学科
野崎 雄太
制御システム工学科
内田 健太
物理学科
津田 淳一
経営システム工学科
永井 誠
化学科
奥村 拓馬
国際開発工学科
ブ マイ フーン
地球惑星科学科
新井 達之
電気電子工学科
立花 孝介
情報科学科
矢口 尭
情報工学科
グェン・デュオン・トゥアン
金属工学科
大見 俊基
土木・環境工学科
伊藤 賢
有機材料工学科
森岡 優介
建築学科
宮下 瞳
無機材料工学科
松浦 耕平
社会工学科
荒井 嶺織
化学工学科(化学工学コース)
橋本 唯
生命科学科・分子生命コース
菅谷 快斗
化学工学科(応用化学コース)
根岸 千幸
生命科学科・生体機械コース
張 子聡
高分子工学科
棗田 貴文
生命工学科・生物工学コース
小河 貴郁
機械科学科
乾 祐馬
生命工学科・生体分子コース
春原 有美子
機械知能システム学科
田島 大輔
生命工学科・生命情報コース
柴田 恵里
機械宇宙学科
堀米 篤史
 
 

卒業を控えた受賞学生のなかから、3人のみなさんに4年間の大学生活を振り返っていただきました。

理学部 地球惑星科学科 4年 新井達之さん

新井達之さん

Q.東工大を目指し、そして入学を決めた動機はどういったものでしょうか?

高校時代から理系に興味があり、物理をはじめとした理学系を学べる東京の国立大学を目指していました。僕の選択肢には2つの大学しかありませんでしたが、オープンキャンパスで東工大に初めて来たとき、キャンパスの雰囲気が自分に合っている気がして、"僕はここに入るだろうな"という直感がありました。思い返してみると、東工大を選んだというよりは、何か縁があって入学したような気がしています。

卒論提出一週間前の節分の日。研究室の先輩から豆で「ガンバレ」とメッセージ
卒論提出一週間前の節分の日。
研究室の先輩から豆で「ガンバレ」とメッセージ

Q.大学生活の中で印象的なことは、どんなことでしたか?

4年次に進学し、研究室に所属してからの1年間は、とりわけ充実した大学生活でした。私の所属する丸山研究室には10人ほどのメンバーがいて、さらに、学科共通の学生室を通じて親しくなった先輩も大勢います。学科・専攻の中に知らない人はいないほど、研究室の垣根を越えた交流は非常に盛んでした。おかげで辛いことも楽しいことも多くの仲間と共有でき、研究の行き詰まりや苦難を幾度も乗り越えることができました。また、研究が一段落した時や合間での息抜きに仲間と過ごせたことも、大きな心の支えとなりました。

もちろん、地道な分析やデータ出しの作業で音を上げそうになることも数え切れないほどありましたが、研究室の仲間とともに研究の共通項だけではない関わりを持てたことが、何よりの財産となりました。


地球惑星科学科のメンバーで研究の合間にソフトボール

Q.大学卒業後は、どのような進路をお考えですか?

東工大の修士課程に進学し、研究を続けますが、修士の間に実現したい目標が2つあります。1つ目、東工大の交換留学制度を利用してワシントン大学で学ぶことです。3年生の時に短期語学研修で留学したワシントン大学は、私の専門である地球表層環境の研究分野で先進的なことで有名です。現地で学ぶことがどのような経験となるかはまだわかりませんが、知見を拡げることで次なる進路の糧になると考えています。

2つ目の目標は、論文が国際誌に掲載されることです。非常にハードルの高い目標だとは思いますが、自分から積極的に動いて指導を受けながら研究を進めれば、決して越えられないハードルではないと思います。博士課程へ進学するかはまだ決めていません。研究者の道も魅力的ですが、狭き門だということもわかっています。

Q.後輩に向けてのメッセージをお願いします。

大学生活は忙しいですが、有意義な時間もたくさんあります。一見無駄に思えるようなことにも目を向けながら、関心のアンテナを張り続けることが大切です。私も色々なことにチャレンジした結果として、留学をひとつの目標とすることができました。
研究室を選択するにあたっては、研究内容はもとより、そこに関わる人を見てほしいと思います。先生や研究を共にする方々が、自身の研究に大きく影響することは間違いありません。研究室を選択するときは、研究内容と人を総合的に判断することおすすめします。

工学部 情報工学科 4年 グェン・デュオン・トゥアンさん

Q.留学生として来日し、東工大を目指す経緯はどういったものだったでしょうか?

2008年にベトナムから来日し、大阪大学で1年間日本語教育を受けました。日本語を学びながら目指す大学を考えましたが、日本には素晴らしい大学がたくさんあり、とても迷いました。そんな折、留学生の先輩や日本語クラスの先生方にアドバイスをもらいながら、希望する大学を絞っていくことができました。そして、最終的に自分の学びたい情報工学の分野で実績のある東工大を選び、入学試験を受けました。周りの方々に背中を押してもらえて今があるのだと実感します。大阪時代の先輩や先生方には、感謝するばかりです。

東工大グランドにて仲間とサッカー
東工大グランドにて仲間とサッカー

Q.大学生活の中で印象的なことは、どんなことでしたか?

こうして日本の大学を卒業することが、私には何より印象的な出来事ですね。
1年間日本語の基礎は学んだものの、やはり大学の授業ともなると難易度の高い言葉や表現も多く、入学直後は内容を半分程度理解するのがやっとでした。しかし、幸いなことに理工学は世界共通言語でもあるため、専門分野の学習に大きな支障はありませんでしたが、文系科目は苦労しました。年数を重ねるにつれ、日本人の友人も増え、日本語でのコミュニケーションも多くなりました。また、東工大の学園祭「工大祭」でベトナム人の友人たちと模擬店を開くなど、楽しい思い出もたくさんつくることができました。

私が所属する杉山研究室は、学生の約半数が留学生ということもあり英語が共通言語です。本当はもっと研究室でも日本語を話して、学びたいのですが(笑)。

大岡山キャンパスで花見
大岡山キャンパスで花見

Q.大学卒業後は、どのような進路をお考えですか?

修士課程に進学します。先日、初めて学会発表を行いましたが、一流の研究者と意見を交わし、面白いアイデアをたくさん得て、研究の醍醐味を知ることができ、研究者になりたいという気持ちが強くなりました。今まで以上に困難であるとは思いますが、研究のサポートをしてくださる先生とともに研究を進めていくことが当面の目標です。

いずれは母国であるベトナムに戻り、私が研究した内容を活かしたいと思っています。この分野で社会に貢献することが将来の目標です。そのためにも、まずは新しい研究テーマを定め、修士の期間中に人工知能分野で国際的に活躍できる基礎固めを行いたいと思います。

杉山研究室と防災訓練の後に
杉山研究室と防災訓練の後に

Q.東工大で学ぶ留学生に向けてのメッセージをお願いします。

勉強や研究はとても大事なことですが、サークルや部活なども大学生活でしかできないことだと思います。日本語だけでなく日本の文化を学び、日本人の友人を多くつくり、一緒に学んでいくことが大切です。日本で学んでいるという意識を持って、積極的に大学にかかわっていくことが重要です。

生命理工学部 生命工学科 4年 春原有美子さん

春原有美子さん

Q.東工大を目指し、そして入学を決めた動機はどういったものでしょうか?

私自身、興味の矛先が理系にはあったものの、それは漠然としたものでした。進路を決めるにあたっては、まずはどういった研究分野があるのかという点から入りました。その中で、特に生物の分野に興味を持っていた訳でもなかったのですが、"生物を化学で捉えて学ぶ分野"があることを知り、東工大の生命理工学部への関心が一気に高まりました。他の大学ではあまりこのような分野は見当たらなかったため、気がつけば、東工大にだけ目を向けていました。

研究室旅行で台湾へ
研究室旅行で台湾へ
研究室旅行で台湾へ

Q.大学生活の中で印象的なことは、どんなことでしたか?

大学生活を通じて、海外で学ぶ機会を多く持てたことです。
2年生の頃から外国人留学生に向けたイベントを企画するサークルのおかげで英語に日常的に触れていました。3年生の時に、iGEM(アイジェム)と呼ばれる生物学の世界大会へ出場するチャンスをいただき、十数人の仲間と共に、研究の仕方もわからないまま、見よう見まねで研究に取り組みました。とにかくがむしゃらに論文を読み、論理的な英文を苦戦しながら完成させた結果、香港予選を経て、米ボストン本選へ進むことができました。
さらに、4年生では岡畑研究室からシンガポール留学に推薦していただき、一ヶ月半、現地の大学で私の学ぶ分野の有名な先生の研究室に配属され、海外での研究を垣間見ることができました。

実験室にて
実験室にて

Q.後輩に向けてのメッセージをお願いします。

東工大にはサークルや部活だけでなく、大学生活を充実させるチャンスや支援体制が多く整っています。例えば、外国人留学生も他大学に比べて多いので交流の場もあります。さまざまなイベントへの参加の機会や企業との交流などもありますので、自ら調べて動くことを心がけてほしいと思います。それは研究室を選ぶのも同じことで、ともに研究する仲間や教えてくれる先生とのつながりを早くから作っておくと、研究で行き詰った時もきっと道が開けてくると思います。

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2013年3月掲載

お問い合わせ先

東京工業大学 総務部 広報課

Email pr@jim.titech.ac.jp