教育
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2016年4月、東工大の教育が変わりました。
「学院」が提供する「理工系専門知識」という縦糸と、「リベラルアーツ研究教育院」が提供する「教養」という横糸で、東工大生の未来を紡ぎます。
2016年4月に新設される「リベラルアーツ研究教育院」。21世紀社会の時代的課題を把握し、その中での自らの役割を認識する「社会性」、自らを深く探究する「人間性」、行動し、挑戦、実現する「創造性」を兼ね備え、より良き未来社会を築く「志」のある人材を育成します。
リベラルアーツ研究教育院担当 上田紀行教授
東工大はこれまでも、学部4年まで専門教育に並行して文系教養科目を履修する「くさび形教育」を行うなど、教養教育に重きを置く大学として知られてきました。その伝統を活かしながら、2016年4月からは格段にパワーアップした画期的なリベラルアーツ教育が開始されます。
新しいリベラルアーツ教育のカリキュラムは博士課程まで延長され、仲間との刺激的な交流の中で、世界を知り、自分自身の可能性を探究しながら、自ら問いを発し、感じ、考え、発言し、行動する力をダイナミックに養っていきます。学士課程入学直後の「東工大立志プロジェクト」で少人数クラスの仲間たちとともにスタートし、充実した科目群を学習した後、同じ仲間達が再会して学士課程3年目の後期の「教養卒論」にチャレンジします。それらのクラスには修士課程1年目の学生がアドバイザーとして参加し、学年を超えた交流も生まれます。
これまで教養科目は「できるだけ楽をして単位が取れる科目を選ぶ」といった扱いを受けがちでした。しかし東工大の新たなリベラルアーツ教育は違います。それはひとりひとりが自分の学びのストーリーを発見しながら、自らの目標に向かって歩んでいくという、「志」へ向かってのエネルギーに満ちた道程なのです。
東工大の新しいリベラルアーツ教育は「華のある」教養教育を目指します。「華のある」とは、人をひきつける、活力がある、明るく楽しいといったイメージです。自分の将来を切りひらき、大きな社会的貢献を成し遂げるためにも、ぜひリベラルアーツ教育の場を活かしてください。
21世紀社会を牽引する真のリーダー育成を目指して、東工大のリベラルアーツ教育の新たなチャレンジが始まります。
未来の社会をよくするために何が必要で、どうしたらよいか考えます。
入学直後に全学生が履修する必修科目。4年間の教養教育を、各自のゴールに向かって志を立てるプロジェクトととらえ、そのための自己発見と動機付けを行う科目です。講義と、25名程度でのグループワークを交互に行います。グループワークでは、自ら考え、問題を発見し、他者に表現することを通して、コミュニケーションやプレゼンテーションのスキルを高めます。
学士課程教養教育の出口となる必修科目。新しい教養教育ではひとりひとりが自分の目的にあった「学びのストーリー」を描くことが大切。これまでの教養教育で何を学んだのか、またそれは自分の志の実現にどう活きてくるのか、をレポートにまとめます。執筆は、小グループ単位で修士課程の学生のピアレビューを受けながら行います。
修士課程1年目に履修する科目。仲間の能力を最大限活かしながら目標に向かってチームを導くリーダーシップ力を身に付けます。リーダーシップ道場で身につけた能力は、教養卒論の執筆をサポートする科目「ピアレビュー実践」、「東工大立志プロジェクト」のグループワークにファシリテーターとして参加する「リーダーシップアドバンス」など、学士課程学生を指導するなかでさらに高めることができます。
東工大の教養科目の最終地点にあたる博士後期課程学生向けの科目。最先端の研究の「種」や高度な教養的知識を、グループによる研究や発表を通じて共有します。発表の場はさながら「学会の大会」。学会の大会運営者のように、テーマの選定、会場の手配、グループ編成、プログラム等の検討、準備を進め、当日の運営を担当します。「教養先端科目」は、グループワークによる共同研究の成果を、グループ・プレゼンテーションやポスターセッションの形で発表します。
その他、文系教養科目、英語科目、第二外国語科目、ウェルネス科目、日本語・日本文化科目、教職科目などの多様な開講科目をそろえ、輝ける原石である東工大生の潜在性を揺り動かします。「学修して良かった、楽しかった、ためになった、成長した!」と実感できる、知的好奇心を満足させるような教養教育を行っています。
リベラルアーツ研究教育院 ―理工系の知識を社会へつなぐ―
2016年4月に発足したリベラルアーツ研究教育院について紹介します。
スペシャルトピックスでは本学の教育研究の取組や人物、ニュース、イベントなど旬な話題を定期的な読み物としてピックアップしています。SPECIAL TOPICS GALLERY から過去のすべての記事をご覧いただけます。
2015年8月掲載