教育
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2016年4月、東工大は日本の大学で初めて、学部と大学院を統一し、「学院」を創設しました。この新しい教育体系により、学士課程入学時から大学院までの出口を見通すことができ、自らの興味・関心に応じて多様な選択・挑戦が可能になります。
大学院で所属する学院・系の下には、さらに「コース」と呼ばれる専門教育に特化した教育プログラムが置かれています。この中には従来の特定専門分野に特化したコースのほかに、「複合系コース」と呼ばれるコースがあります。これらのコースは、複数分野の知見を総合的に、そして最大限に活用するための、本学の先駆的な取り組みです。
持続可能な社会の実現には、地球環境を汚すことなく、安定的にエネルギーを確保する必要があります。これはとても難しい問題です。専門性を極めたスペシャリストが、共通課題を認識した上で、今まさに知識を出し合って解決に臨んでいます。
エネルギーコースでは深い基礎知識と専門性を身に付けた上で、その知をさらに多元的な俯瞰力、応用力へと発展させられるような講義設計をしています。社会に貢献するとの高い志を持ってイノベーションを牽引できる人材を養成します。
機械系、システム制御系、経営工学系(工学院)、建築学系、土木・環境工学系、融合理工系(環境・社会理工学院)を横断するコースです。デザインという考え方によって人間と工学を架橋し、人の役に立つプロダクトやシステムを生み出して、よりよき社会に向けて既存の価値体系を再構築できる人材を養成します。
ここでは、「デザイン」の概念と実践方法をPBL(Project Based Learning)を通して学びます。問題解決の思考過程を体験・実践することで養成されるデザイン・マインドを基盤として、次世代のデザインを研究することができます。
これまでは独立に行われてきた、人の健康・医療・環境などに関する工学的開発や技術開発を、一体化した科学・技術と捉えて「ライフエンジニアリング」と定義し、融合型教育と最先端の研究を行っています。
人に関する自然科学、生命倫理、健康・医療の基礎、環境の基礎などをさまざまな理工系専門技術と融合させ、人が持続的に発展できる生活基盤の構築とともに、未来に向けた新たな学問分野の創出を目指します。また活発な産学・医工連携を通して、座学では得ることが難しい最先端の技術に触れることのできる、実践的な研究開発の推進を目指しています。
機械系、電気電子系(工学院)、材料系、応用化学系(物質理工学院)、融合理工学系(環境・社会理工学院)の5系3学院を横断するコースです。原子核エネルギー・放射線の利用、およびそれらを支える科学・工学を研究対象とした原子核工学を体系的に学修し、また研究に取り組むことで、原子力の今後や環境と社会の課題に答えを出していきます。
原子核工学コースは、原子力分野で最先端の研究を行っている、科学技術創成研究院(IIR)の先導原子力研究所と密接に連携しています。カリキュラムも同研究所での最新の知見が反映され、修士研究・博士研究も研究所での研究活動に関係深いテーマで行うことができます。
知能情報コースは情報理工学院の3コースのうちの1つで、特に、人とコンピュータのよりよい関係を築くための研究を行っています。多様な観点から情報科学技術を駆使して実世界の複雑な問題を解決し、社会の発展に寄与する高度な知能情報システムやサービスを構築する力を持った人材を育てます。
修了後の進路は、ソフトウェア、インターネット、通信、放送、電気、制御機器、自動車、鉄鋼、電力、金融、コンサルティングなどの企業や、公務員、研究機関など多岐にわたります。知能情報コースの担当教員が輩出した卒業生はさまざまな分野で目覚ましい活躍をしています。
今日の都市・環境が直面する多様で複雑な問題や事象を、豊かな発想力と最先端の技術力をもって解き明かしながら、安全性、快適性、文化性などを包含する「レジリエンス(自ら回復する力、しなやかさ)」を備えた都市・環境の創造のための研究を進めるとともに、こうした未来の都市・環境を築く担い手の育成を目指しています。
理工学分野から社会科学にわたるさまざまな学問領域で活躍する多彩な教員陣による、横断的・融合的な研究・教育体制が整っています。またスーパーコンピューターによるシミュレーション技術、空間情報処理技術などの先端技術を活用できる研究教育環境が備わっています。
21世紀において、理工系大学が果たす役割は無限に拡がっています。地球規模で課題となっているテーマは多くあり、またそのほとんどが理工系大学の研究テーマでもあります。
これらの地球規模の社会的課題を解決するためには、専門分野だけにとらわれず、様々な分野の知見を活かすことが必要です。東工大の複合系コースは、このような力をもった人材を養成・輩出することを目指します。
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2016年7月掲載