国際交流

世界とつながるHUB-ICS(ハブ・アイシーエス)

出会い、交わり、広がる

世界へのフロントライン「HUB-ICS」

東工大の大岡山キャンパスには、日本人学生や留学生から研究者や職員までの多様なメンバーが集う交流の場、「ハブ・インターナショナル・コミュニケーションズ・スペース(HUB-ICS ハブ・アイシーエス)」があります。国籍、年齢、専門分野も異なる人と人とをつなぐ、まさに「ハブ」となる場所で、英語や日本語を始めとする多言語での会話が繰り広げられています。開放的な部屋に入ると、ソファーやテーブルがあるサロンが広がり、海外の英語ニュース番組を視聴できる大型TVの他、海外の科学系雑誌やエンタテイメント系雑誌などが自由に閲覧できます。PCコーナーがある奥のスペースにはボードゲームも置いてあり、学生のリフレッシュにも利用されています。

海外雑誌が充実
海外雑誌が充実

国際交流に関する情報の掲示板
国際交流に関する情報の掲示板

また、HUB-ICSは留学生や外国人研究者の日本での生活をサポートする役目も担っています。英語対応ができるスタッフが常駐しており、住居や医療、保険、災害対策から日常生活に関することまで年に数回オリエンテーションを開催しているほか、日常的に相談に応えています。

HUB-ICSで行われるイベントの様子
HUB-ICSで行われるイベントの様子

多様なバックグラウンドの学生達が語り合う
多様なバックグラウンドの学生達が語り合う

一体どんなところなのか、どんな魅力があるのか、HUB-ICSを利用する学生たちが熱く語ります。

学生たちが語る、HUB-ICS

いろんな人と出会い、つながれる場所
ここに来たら誰かと会えるという、安心感がある

セサル(メキシコ) 工学院 システム制御系 博士後期課程1年
セサル(メキシコ)
工学院 システム制御系 博士後期課程1年

セサルメキシコから3年ほど前に来ました。自分のしたい研究ができるかどうかが大学を選ぶ際の一番の関心事でしたが、留学生が多く多様性にも富んでいる点にも魅力を感じて東工大に決めました。HUB-ICSのことは東京工業大学国際学生会(TISA)outerのイベントで知り、現在は週3回くらい利用しています。HUB-ICSでは必ず誰かに会えるので、ランチをとったり、時間があるときやリフレッシュしたいときに顔を出したり…という感じです。

ヒロカツ静岡県出身の学士課程3年で、数学を専攻しています。入学時に「English Café(イングリッシュ カフェ)」のチラシをもらってHUB-ICSの存在は知っていたのですが、最初は躊躇してしまい、2年まではあまり利用していませんでした。勇気を出して来てみたら楽しくて、ハマってしまい、今は週3回くらい来ています。ランチタイムに来ることが多く、イベントに参加したり友だちとしゃべったり、空き時間に勉強をしに来ることもあります。

ギエドレリトアニアから来ました。修士課程の頃にルームメイトからHUB-ICSのことを聞いて、通うようになりました。留学生が自国を紹介するイベントに参加したのが最初だったと記憶しています。日によっては3~4時間ずっとHUB-ICSにいることもあります。ここに来たら誰かいるという安心感があります。

オレクシイ(ウクライナ)情報理工学院 情報工学系 修士課程2年
オレクシイ(ウクライナ)
情報理工学院 情報工学系 修士課程2年

オレクシイウクライナから来ました。新入生オリエンテーションでHUB-ICSのことを知り、いろんな人と会ってつながりたいなと思って通うようになりました。「Japanese Café(ジャパニーズ カフェ)」 や「English Café」といったイベントに参加したり、ふらっと足を運んで友だちやスタッフと話したり…。今年の4月からは、自分で企画した「In My Opinion(イン マイ オピニオン)」というランチタイムイベントも始めました。

レイナ数学を専攻しています。HUB-ICSで開催されるイベントのチラシを見て興味を持ち、1年のときから通っています。ランチタイムにはほぼ毎日来ていますね。よく利用するメンバーとは仲が良く、イベントでは新しい出会いがあるので、HUB-ICSに来るのがとても楽しみです。

“世界に通じる最初の扉”
視野が広がり、英語へのハードルも下がる

オレクシイ私にとってHUB-ICSは、東工大でのネットワークを広げるための場所。そして、笑いが絶えない場所。ただ場所というだけでなく、ここに集う人のコミュニティがあり、いつ何をするとかの縛りはなくて自由なので、居心地がいいのです。いわゆる“空気を読む”という雰囲気がなくて、オープンマインドな人たちといろんなことについてカジュアルに話せるのもいいですね。

セサル東工大には学院・系単位のリフレッシュルームやコーワーキング・スペース「Attic Lab(アティックラボ)outer」など学生が利用できる場所は少なくありませんが、HUB-ICSは多様なバックグラウンドの人々が各々の目的とペースで、フラットに交流できるところがいいと思います。たまたまそこに集まった人同士でつながれます。気心知れた仲間がいるし、私にとってはどこよりもリラックスでき、素の自分でいられる居場所です。

ギエドレ(リトアニア)工学院 機械系 博士後期課程2年
ギエドレ(リトアニア)
工学院 機械系 博士後期課程2年

ギエドレ初めてHUB-ICSに来たときは不安な気持ちで緊張もしていたのですが、みんなが温かく迎え入れてくれたのがとても印象に残っています。今では私にとって、真の友情を育める場所となりました。また、HUB-ICSは日本での生活をサポートしてもらえる場所でもあります。例えば先日、日本語のメールを受け取ったものの内容がよくわからず困っていたところ、HUB-ICSのスタッフが丁寧に説明してくれました。スタッフには何でも気軽に相談でき、助っています。

ヒロカツ僕にとってHUB-ICSは、“世界に通じる最初の扉”という感じです。以前は海外の人と交流する機会はまったくなく、こんなに頻繁に、そして自然に世界の人たちと話をするのは初めての経験でした。今では、日本にいながら海外留学しているみたいに感じます。

レイナ私も同じように感じています。高校までは英語を話す機会がほとんどありませんでしたが、HUB-ICSのおかげで、英語を話す力がつきました。HUB-ICSは英語を話したい日本人学生にとっても、ありがたい場所です。

多様な価値観に触れて
母国のアンバサダーとして東工大への帰属意識を育める場所

オレクシイHUB-ICSでの偶然の出会いが、思わぬ展開となることがあります。例えば、僕はある日本人学生とHUB-ICSで出会ったのですが、いろいろと話をするなかでお互い似たようなことに興味を持っていることがわかり、彼とは親友かつビジネスパートナーになりました。そして、東工大基金による学生スタートアップ支援「Tokyo Tech Startup Challenge」outerに応募して見事にファンドを得ることができ、学生ビジネスを一緒に進められることになりました。

セサルHUB-ICSには、学士課程、修士過程、博士後期課程の学生達が集います。日本人学生にとっては学年を超えた交流の場という意味合いが強いのかも知れませんが、同じ立場の留学生とざっくばらんに話をしてお互いに共感する機会を持てる場所も必要です。また、留学生にとってはHUB-ICSは東工大の一員であることを意識させてくれる場所です。ここに来ると、東工大への帰属意識が感じられ、孤独ではないことを実感できるのです。

ヒロカツ(日本) 理学院 数学系 学士課程3年
ヒロカツ(日本) 理学院 数学系 学士課程3年

ヒロカツHUB-ICSで多様な価値観にふれ、以前よりも広い視野で柔軟な考え方を持つようになり、海外で働いてみたいと思うようにもなりました。HUB-ICSはそのきっかけをつくってくれました。

レイナ多国籍の友人ができたことで、英語以外の言語にも興味を持つようになりました。今は英語の他にスペイン語とドイツ語、韓国語も少し勉強しています。

オレクシイHUB-ICSは東工大の国際化という多様性の推進に十分に貢献していると思いますが、海外大学に比べるとまだ十分ではないように感じます。卒業後は日本の企業で働いて日本で生活して…という考えの日本人学生が多数のように見受けられます。HUB-ICSに来て、自分とは違う言語や文化、考え方、価値観に触れることは、日本人学生にとってとても大事ではないかと思います。

ヒロカツ学生の意識を世界に向けるという点でも、HUB-ICSが果たす役割は大きいと思います。

セサル留学生にとっては、HUB-ICSは自分たちの国や国民性についての“神話”を打ち崩せる場でもあると感じます。よく、「初めてメキシコ人に会った」と言われるのですが、メキシコやメキシコ人に対するイメージは実態とは異なり、実際に会って話をすることで、ステレオタイプの見方を変える場でもあるのです。

オレクシイ同感です。HUB-ICSにはさまざまな国の人が集まりますが、それぞれが母国のアンバサダーです。母国の言語や文化を伝える役目を担っている、言い換えれば、みんなは自分を通してウクライナという国や文化を知るわけですから、責任があるなと感じます。

レイナ(日本) 理学院 数学系 学士課程3年
レイナ(日本) 理学院 数学系 学士課程3年

レイナ留学生から日本のことを聞かれても答えられないこともあり、多様性のある社会だからこそ、自分の国や文化のことをもっと知らなきゃいけないな、知りたいな、と思うようになりました。

ギエドレ最近、ヨーロッパに海外留学している東工大生の友人から、「今、リトアニアにいる」と連絡がありました。もし、HUB-ICSでリトアニア人の私と出会っていなかったら、彼はリトアニアに行ってみようとは思わなかったかもしれません。HUB-ICSでの出会いが、何かしら彼の人生に影響を及ぼしたのではないかと思います。

まず、一歩を踏み出そう
たくさんの人に飛び込んで来てほしい

まず、一歩を踏み出そうたくさんの人に飛び込んで来てほしい

セサルHUB-ICSに来ると自分はこのコミュニティの一員だと実感できます。ですから、東工大の留学生や外国人研究者には、まずはHUB-ICSに足を運んでほしいと思います。

ギエドレHUB-ICSのことを知らない日本人学生も少なくないと思います。もっと多くの人に知ってほしいです。とにかく来て、見て、話して、楽しさを体感してほしいですね。

オレクシイ語学が堪能である必要はまったくないので、恥ずかしがらずに来てほしいと思います。語学が拙くても、みんな一生懸命に理解しようとしてくれるから、大丈夫!

PCコーナー
PCコーナー

レイナ私の友人も、言葉の壁があるから…とHUB-ICSに足が向かないようです。でも、コミュニケーションをとるうえで英語力は関係ないし、留学生の中には日本語が話せる人も多いから、本当に気にすることはありません。パソコンや電源もあるし、ボードゲームもあるし、とても快適で楽しい場所なので、構えずに気軽に顔を出してください。

ヒロカツHUB-ICSには、人を変える力があります。最初は勇気がいると思いますが、一歩踏み出して飛び込んでみてください。自分の世界が広がります。

ランチタイムイベント@HUB-ICS

イベントスケジュール
イベントスケジュール

HUB-ICSでは、ランチタイムに日替わりでイベントを開催しています。月曜日は英語トークと日本語トークを20分間ずつ楽しむ「20-20 Café」、火曜日は日本語でフリートークを楽しむ「Japanese Café」、水曜日はリベラルアーツ研究教育院outerの教員をホストに迎え、英語でトークする「English Café」。木曜日には、リーダーシップ教育院outerが主催するディスカッションイベント「Open Forum(オープン フォーラム)」が行われます。毎回異なるプレゼンターが、「自動運転に際しての倫理」といった簡単には答えの出ない分野や最新のトピックスについて語り、意見を交わし合いながら考えていきます。さらに、金曜日には、「In My Opinion」という留学生主催のディスカッションイベントが開催されます。これは今年の4月に始まったもので、留学生が自ら企画して提案し、実現しました。自分の研究分野や専攻に関することの他、ファッション、アニメの作品など、テーマは多岐にわたり、毎回とても盛り上がっています。

この他、留学生・外国人研究者向けの生活情報オリエンテーションが年に数回、留学体験者による留学報告会も不定期に開催されています。

(2019年12月現在)

HUB-ICSに込める思い ― 多国籍の学生と共に学ぶ

本学の国際化を牽引する、高田潤一副学長(国際連携担当)outerが、HUB-ICS開設の意図や目的、学生に期待すること、今後の展望などを語りました。

キャンパス内で国際交流
共に考え、共に創り上げる場所

高田潤一副学長(国際連携担当)
高田潤一副学長(国際連携担当)

HUB-ICSは、国際交流及び国際理解の推進を目的として2004年に開設されました。遡ること3年、東工大では2001年に「国際室」(当時)を設置し、当時800名程度であった留学生が将来は倍以上に増えることを想定して、学内の国際化のビジョンを描き始めました。その一環として、国際室のメンバーや外国人教員がアイデアを出し合い、HUB-ICSのコンセプトを作りました。HUB-ICSのようなコミュニケーションスペースを持つ大学も、当時は国内にはまだ少なかったと記憶しています。本学に対しては一般的に、「理工系の専門色、研究色の濃い大学」というイメージがあるかもしれませんが、同時に早い時期から国際化・多様性への取り組みを推進しており、現在約1,700名の留学生を世界78の国と地域から受け入れています。日本でも有数の留学生率を誇り、国際色豊かな環境にあります。

現在は年間のべ6,000人ほどがHUB-ICSを利用し、留学生に加えて研究者や教職員の他、特に日本人学生の利用も増えています。HUB-ICSは大学の施設ではありますが、ニーズや時流の変化の中で利用者の声を取り入れながら共に創り上げてきた場でもあります。

※2019年5月1日現在

HUB-ICSは、多国籍の学生や研究者が融合する、世界への扉
異なる価値観や文化に触れ、広い視野やマインドを持ってほしい

理系の大学・学部ではよく見られることですが、年次が上がって研究室に配属されると、良くも悪くも研究室に入り浸るようになることがあると思います。そうなると、人間関係が深くなる反面、息苦しくなるときもありますし、自分の専門分野の研究に熱心になるがあまり、視野が狭くなってしまうこともあるかもしれません。意識的にオープンな場に身を置き、国籍も年齢も価値観も専門分野も自分とはまったく異なる人たちと交流し、広い視野やマインドを持つことは、研究者としても人間としても重要だと思うのです。

「世界最高の理工系総合大学を目指す」という強い意志を持って、本学は2016年に教育改革を行いました。卓越した専門性とリーダーシップを併せ持ち、世界で活躍する理工系人材を育成するため、学内の国際化も進めてきました。英語による学士課程教育プログラム、融合理工学系国際人材育成プログラムGSEP(Global Scientists and Engineers Program)をはじめ、英語で理工系分野を学び研究する環境を整備し、現在では大学院の専門科目の講義の約9割が英語で行われています。本学で学ぶ学生は、ただ専門分野について学びを深めるだけではなく、英語を使いながら多国籍の学生と共に学ぶ環境にあります。

高田 潤一副学長 (国際連携担当)

本学を目指す人には、ぜひ、世界を目指してほしいと思います。高校までは、実際に英語を使う機会はあまりなかったかもしれません。「英語イコール文系科目」と考えている人もいるかもしれません。そのマインドを切り替え、世界に一歩踏み出す入り口として、入学後はもちろん、本学を訪れた際にも、ぜひHUB-ICSに足を運んでみてください。

2020年冬、本学に新たに「Hisao & Hiroko Taki Plaza(ヒサオ アンド ヒロコ タキ プラザ)outer」という学生のための国際交流拠点が誕生します。それまで東工大の国際化をボトムアップで支えてきたHUB-ICSの役割や機能は、拡張するかたちでTaki Plazaに受け継がれていく予定です。“留学生”、“日本人学生”という区分なく多国籍の学生や研究者が融合して研究・教育を行う大学へとさらに進化していきたいと考えています。

HUB-ICS

ハブ・インターナショナル・コミュニケーションズ・スペース

【場所】 大岡山キャンパス 西9号館1階
【開室時間】 月~金 10:00 - 17:00

SPECIAL TOPICS

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2019年12月掲載