TASTE 海外短期語学学習(英語)春派遣 カリフォルニア大学デービス校 2018年2月9日~2018年3月9日

留学時の学年:
学士課程2年,学士課程3年
東工大での所属:
工学部機械宇宙学科,工学部機械知能学科,工学院機械系
留学先国:
アメリカ合衆国
留学先大学:
カリフォルニア大学デービス校
留学期間:
2018年2月9日~2018年3月9日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概略

大学名UC Davis(カリフォルニア大学デービス校)

参加プログラムEnglish for Science and Technology

プログラム期間は2 月9 日~3 月9 日の4週間だった。授業は平日のみ、時間は9:00~13:10 で、1コマ50分の講義だった。授業は異文化リサーチプロジェクト、ホットトピックス、アントレプレナーシップ入門、発音・リスニングの4 つが毎日あった。また通常の授業の代わりにSite VisitとしてSilicon ValleyとSan Franciscoの訪問がそれぞれ一回ずつあった。それから放課後に全員出席する講演会やポスターセッション、毎日運営が開催する英会話などのイベントがあった。残念ながら全体的に日本人の割合が高い。初日にクラス分けのテストがあり、そこで好成績をおさめることができれば日本以外の国からの学生たちが大部分のクラスで授業を受けることができる。テストの内容は簡単なTOEICというようなものなので、最上位のクラスに入るには落ち着いて満点近く獲得することが必要となる。

留学前の準備

自分はリスニングとスピーキングがまったくできず、特にリスニングが大の苦手だったので図書館でTOEICとTOEFLのリスニングの本を借りて問題を解いていた。留学を振り返ってみると、TOEFLのリスニングが解ける程度ではないと日常生活や講義で困ることが多いかもしれない。もしそれが出来なくても英語力別にクラスがあるので大丈夫だが、もしリスニングが苦手なら留学前はリスニングを集中して勉強した方がいいかもしれない。最初自分は周りの人のリスニング力が高すぎたのと思ってたよりアメリカ人が早口で焦った。スピーキングに関しては留学前に日常会話レベルの本を一冊仕上げた。リーディングとライティングはスピーキングとリスニングにくらべると特に必要としなかった気がするが、クラス分けテストの配点のほとんどがリーディングと文法だったので全体的な英語力が必要だった。

短期でないアメリカ渡航の為、入国の際にはビザが必要となった。我々が申請したのはF-1という一般的な学生ビザである。この手続きはなかなかに面倒なので、ここで軽く紹介しておきたい。大きく分けて3ステップあり、まずはじめに書類作成(DS-160)、料金支払い(ビザ料金+SEVIS費用)、最後に面接である。書類作成ではビザ用の顔写真の条件は独自のサイズであったり、白背景のみであったりと意外にも厳しい。またビザ料金を支払ったなどと言って安心できないのがF-1ビザである。SEVISという別のサイトでも支払いを行わなければならない。この時SEVISの支払いの完了までに1営業日かかるということに関しても忘れてはならない。最後の難所は領事館での面接である。面接自体はなんてことないのだが予約を取るのが大変困難である為、私のようにギリギリに手続きをしようとすると痛い目を見ることになる。また空港ではビザのみでなく、申請に用いた書類も全て提示する必要があるので気をつける必要がある。

留学中の活動及び感想

各講義の内容(クラスによって内容は少し異なる)

異文化リサーチプロジェクト

これは個人がアメリカの文化やテクノロジーについて自由にテーマを設定し、大学内にいる学生や大人にインタビューするものであった。最後にインタビューの結果をまとめて全クラス参加のポスターセッションの場で1人10分程度で発表した。ポスターセッションはお互いに自由に発表しあう形式で、自分が発表するだけでなく、他の人の発表も見れた。各クラスによって発表の形式が異なり、パワポで発表するクラスもあれば、自分でポスターを作って発表するクラスがあった。(ポスターを作るクラスが大半。)

ホットトピックス

毎日課題として環境問題や理系の話題についての文章を読んだり、動画を見たあと、次の日の講義でディスカッションする授業であった。宿題で読まなければならない文章量が多く、ディスカッションするために要点を自分でまとめたりディスカッションの感想を次の日までにアプリ上で提出したりとかなり大変なことが多かった。小テストとしてweb上での単語クイズをした後、紙での単語テストを行った。最後の週ではグループでプレゼンテーションを行った。

アントレプレナーシップ入門

宿題や講義中に有名な起業家や企業に関する英文や動画を見て、その内容についてディスカッションしたり、自分の尊敬するビジネスマンについて調べてポスターにし発表を行った。最後の週では1グループ4人で、自分たちが考えたビジネスプランを考えてプレゼンテーションした。このような授業は日本では大学院生向けの扱いとなっているが、学部生から行うのはなんともカリフォルニア式であると感じた。

発音・リスニング

この授業ではrとlの違いなど基礎的なことからネイティブの発音など実践的なことまで習った。プレゼンテーションなどの課題はなかったが、中間と期末テストがあった。また課題として留学中に外国人に伝わらなかった単語を20個提出したあと先生がそれらの単語を発音した音声をmp3でメールで送っていただくというありがたい課題もあった。他の授業とは異なり楽しく正しく英語で会話するというのが趣旨であり、発言量も多かった。

フィールドトリップ

第2,3週の水曜はその日の授業を全部休みにして,フィールドトリップを行った.第2週目は,バスで約3時間かけてシリコンバレーに行った.事前の説明ではあたかも企業見学ができるかのような内容だったが,実際は見学の予約などはしておらず,Facebookの本社の撮影ポイントで写真を撮り,Google本社の敷地をうろついてお土産を買うだけであった.唯一まともだったのが,Computer History Musium の見学で,コンピュータの歴史について知ることができた.(余談だが,東工大教授の廣瀬教授がその博物館のロボットコーナーに載っていた。)正直、このフィールドトリップで企業を見学しようとは思わないほうがいいであろう。第3週目は、同じくバスで約2時間かけてサンフランシスコに行った。このフィールドトリップでは、ユニオンスクエア周辺の自由行動と博物館の見学ができ、それなりに楽しむことができた。ただ、これだけではサンフランシスコの観光は十分ではないので、また別にサンフランシスコの観光をおすすめする。

休日の過ごし方

以上のように平日は大量の課題や資料に囲まれていたために、しっかりと勉強に集中することができた。講師も休日はカリフォルニアでより多くの体験をしてほしいとのことで課題はほとんど出ない。また大学側から2つの観光プラン(USA Student Tour)が案内されるのでそれに参加するのもよし、ホストファミリーと観光するのもよし、一人でどこか遠い街に旅立つのも良い(海外経験豊富な人に限られるが)。USA Student Tourでは、主にカリフォルニアディズニーかユニバーサルスタジオに行くLA Trip(2泊3日)とヨセミテ国立公園に行くYosemite Trip(1泊2日)がある。特にLA Tripは休日に加え一日分の授業を欠席して参加するツアーなので要注意だ。これらは部屋単位での予約となる為、1人で申し込むよりも上限の4人で申し込んだ方が遥かに安い。参加前に友達を作る必要がある。幸いにも私には友達がいたので両方とも参加したが、LA Tripはあまりお勧めできない。他大学のキラキラ系女子大生は大体これに参加するのでそれがお目当の東工大生諸君は問題ないが、デイビスからロサンジェルスまで片道8時間以上バスで移動する。その為2日目以外はほとんどバス内で過ごすことになる。30日間しかないこの留学のうちで2日間を無駄にするのはかなりの痛手なので、ディズニーを恋人とまわりたいなど浮ついたことを思わない限りは参加しなくても良いと思う。

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

私は人生初のホームステイを経てあらゆることを経験した。アメリカではユニットバスのような形式が一般的であり、家によっては1つしかバスルーム(トイレ)がない。そのゆえに、夜のシャワーを浴びる時や朝の身支度の時間は英語での高度な交渉力が必要とされる。もし自分の英会話力に自信がなかったとしても30日間もそのようなトレーニングを受ければ将来的に英語で仕事の一つや二つは取ってこれるようになるかもしれない。また日本のトイレは非常に良く設計されているために今日では詰まらせるなどということはないが、ホームステイ中にもし詰まらせてバスルームを水浸しにしてしまったら大人しくホストマザーに相談するべきである。自分でどうにかしようと思うほど状況は悪化する。アメリカでは大抵4人に1人は経験していることなので全く気にする必要はない。他にも不味いものは不味いと言う、それもまた愛情だということを学んだ。

ホストマザーは以前にも日本人を迎え入れていることが多く、対応にも手慣れている。その為私を喜ばせようと「日本のホームメイドよ」などと言ってしょうゆ味のなんとも言えない料理を作ってくれることがある。ここでもし美味しいなどと言ってみた日には、次の日から毎日同じ料理が出ることになる。それ以降美味しいと言ってしまった経緯や理由などを日本人の文化的背景とともに説明することになるのでここでまた英会話力が鍛えられるわけである。最後に、お土産はフルグラと「野菜がたくさん入った」味噌汁のインスタントが非常にうける。間違っても扇子や箸は贈らないように。彼らの食器入れが箸で溢れないためにも。

留学費用について

4週間の留学費用は奨学金を入れずに約69万円で、このプログラムに行くために大体必要な支払いは表の一番上から五番目までの項で合計約54万円だった。飛行機代は1か月前に予約しても運よく割引があり約11万円だったが、実際にはもっと高くなると思うので2か月前以上に予約しておくといい。ただこのプログラムが始まる時期が東工大の期末試験の最終日と被っており、自分はその調整で飛行機の予約ができなかったので、もしかしたら1か月前に予約する場合もあるかもしれない。留学に行くことが決まった時から各講義の教授に期末試験の日程が決まる時期と期末がいつぐらいになりそうなのかを尋ねることが大事だった。

留学するために必要な費用に加えて、知っているだけで+αの出費を抑えられることがあった。まず、ホームステイ先の業者と連絡を取り合う中で「自転車レンタルと初日の空港迎え」を利用したが、いらない場合もあった。自分は大学の近くのDavis市内にホームステイしたので自転車が必須だったが、大学から離れたWoodland市にホームステイ先が決まった場合、通学はバスなので4週間ほとんど自転車を使わなくても済むようだ。ちなみにバスは初日に配布される学生証を提示することで全線無料で利用することができる。皆がレンタルしているから自分も借りようかななんて思った挙句$120を自転車に出してしまう人はアメリカでは生きていけないかもしれない。確かにUCDavisの敷地はとても広く、在学生の多くは自転車を使っていたが、通学には問題ないそうなのでお財布と相談。また、初日の空港迎えもUberなどの交通機関を使えばもっと安く済んだ。事前にメールで届いた手順通りに迎えが来ず、かなりいい加減だったので別の手段で行くのもアリ。

通信手段について、自分は海外に行くのが初めてだったので旅行代理店に電話し、勧められたポケットWiFiを4GB4万円で借りた。しかし、実際にはSIMカードを買って自分のスマホに差すだけでアメリカでも同様に電波を使えたそうで4GB2千円だったそう。通信手段に4万円払ったことはアメリカ人にも留学生にも笑われたので、海外行くのが初めての人でWiFiを考えている人がもしいたら止めた方がいいと思う。これは一生飲み会のネタとして使えるので、もしも自分の話がつまらないと感じたらポケットwifiにするのもアリ。

留学先での語学状況

プログラムの参加者のうち3分の2程度が日本人であり、その次にアルゼンチン人が多く、残りは中国人かその他という割合だった。初日のクラス分けテストのあとに1クラス16人程度の4つのクラス(ABCD)に分けられ、一番レベルの高いDクラスでは日本人4人以外の12人のほぼ全員がアルゼンチン人で、クラスABCではクラスの16人中10人程度が日本人でそれ以外はアルゼンチンかその他のような割合だった。Dクラスの日本人率は極端に低く、ABCでもレベルが上がるにつれて日本人以外の割合が増え、外国人はCでは6人、Bでは3人程度。アルゼンチン人や中国人は多少の訛りがあったが、日本人に比べるとすでに英語が話せる人が多かった。(また、Bクラスでは課題を読んでこなかったり毎日の課題を適当にやったりアルゼンチン人と英語で話すよりかわいい日本人と話すことを優先する人もみられた。英語を学ぶというより異文化交流などといった旅行の感覚で来ている学生もいたので上のレベルのクラスに行くことが大事であった)

留学経験を今後、どのように活かしたいか

私は超短期派遣に参加した翌年にこのプログラムに参加した。来年には1年間の派遣交換留学をしようと計画している。たとえそうでなくても今回このプログラムで経験したことは語学に限られるわけではない。1月間休みなくカリフォルニアという言語も人種も入り混じる地で共に勉強し身体を動かしてお酒を飲んだことはこの先二度と訪れることないだろう。留学というフラットな環境だからこそ感じることができた異文化の価値観をこれからも大切にしていきたい。

留学を希望する後輩へアドバイス

超短期派遣よりは大変であるが周りの学生は1,2年生が多かったので、たとえ1年生でも安心して参加できるプログラムである。しっかりと課題がたくさん出るので、勉強に集中できる。また英語学習だけでなく授業中でも日常でも新たな価値観と遭遇することができることが一番の魅力であると思う(場合によってはカルチャーショック)。アメリカは銃社会であったり大麻が合法であったりするので渡航をためらうかもしれないが、デイビスは安全である。財布を落としても自分の元に返ってきたほどである。自分のしたいこと良く照らし合わせて、デイビスでなく、アメリカでもなく、カリフォルニアでの生活や経験を必要とするならばぜひ参加した方がいいと私は思う。

緊急事態の対処法

①ホームステイ先の家族の日常会話がフィリピン語だった場合

これに関しては緊急事態というほどではないが意外とホームステイ先にはフィリピンや中国の家族が多く、家族間の日常会話で英語を使わないというところもある。ただ留学生とはもちろん英語で話してくれるので特に心配する必要はないが、フィリピン語は最後まで理解することができなかった。

➁留学中にインフルエンザにかかった場合

まさかなるはずがないとほとんどの人が思っているだろう、私もそう思っていた。なったのである、インフルエンザに。原因としてはホストファザーに移されたのだが、カリフォルニアも寒い日が結構あり、薄着しかもっていかなかったために免疫が落ちていたということも原因の一つである。ヨセミテなどの観光なども考えて必ず冬用のコートなどを持っていくことをお勧めする。そしてかかってしまった場合はとにかく無理をせず学校を休んでホストファミリーに言って病院に行くべきである。ここで無理をして学校に行って誰かに移してしまったら一生恨まれることになる。他の国の留学生に移そうものなら国際問題に発展しかねない。幸いなことにUCDには留学生でも無料で診察をうけれるヘルスセンターがあるので事前に場所などを確認しておくとよいかもしれない。

③保険証書を日本に忘れた場合

ヘルスセンターでは保険証書が必要になるが、私はあろうことか日本に原本を忘れたために少し手間取ったので必ず原本を忘れずに持っていってほしい。私はその場で保険会社に電話し、保険証書番号を伝え対応してもらったため何とかなった。(保険会社の人は日本語で対応していただきそのあとヘルスセンターの受付の人には英語で状況を説明してくれたので非常に心強かった。)万が一私のように忘れたことに気づいた場合はとにかく日本の家族などにお願いして写真などで保険証書番号だけでも送ってもらっておいた方がいい。

④帰りの飛行機に乗り遅れた場合

安い航空券などの場合お金は一銭も帰ってこず、飛行機を新たに自分で予約しなくてはいけない。これは正直精神的にかなりきつかった。私の場合は12時間後の飛行機で韓国由で変えることになり、結局5万円をお支払って1日遅れで変える羽目になった。ロサンゼルスなどは道が渋滞しているので余裕をもって2時間前くらいに空港に着くようにすることをお勧めする。もし飛行機に乗り遅れてしまった場合は落ち込んでも仕方ないのでUBERなどを使って近場で観光などをすることもありだと思う。もちろんその場合は時間はしっかり確認すること。

⑤留学先で現地の学生と恋に落ちた場合

短期決戦をおすすめする。留学期間は4週間と短く、また日本とデービスまでの距離は8270kmもあるので留学後は自然と疎遠になってしまう。日本に帰ってから後悔しても遅い。個人の技量にもよるが知り合ったころは日本とアメリカの話で盛り上がるとしても、文字通り人種が違うので価値観や恋愛観での違いが新鮮すぎてその先の関係に至るのは難しかった。また 日本でよく言われる、アメリカ人女子は映画のよなセリフにときめくという話はまったくのデタラメだったのである。ただし、ありがたいことに毎日のチャットや通話で私の英語力が磨かれたことは言うまでもなく、思っていたよりも日本のアニメや漫画が好きで日本人と交流したがるアメリカ人は多かったので運よく機会に恵まれたならば挑戦してほしい。

※①~⑤はすべて留学体験者らが実際に経験した事例である。

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