TASTE 海外短期語学学習(英語)春派遣 ブリティッシュ・コロンビア大学 2019年2月25日~2019年3月22日

TASTE 海外短期語学学習(英語)春派遣 ブリティッシュ・コロンビア大学 2019年2月25日~2019年3月22日

留学時の学年:
学士課程2年
東工大での所属:
工学院 システム制御系
留学先国:
カナダ
留学先大学:
ブリティッシュ・コロンビア大学
留学期間:
2019年2月25日~2019年3月22日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概略

今回私が応募したブリティッシュコロンビア大学(UBC)にはEnglish Language Institute (ELI) と呼ばれる機関があり、そこでは様々な英語を学習するためのプログラムが開催されている。私が今回参加したプログラムはEnglish for the Global Citizen (EGC) と呼ばれる約1ヶ月間のプログラムだった。

このEGCというプログラムの開催時期はちょうど日本の大学の春休みと重なるため、参加者のほとんどは日本人であったが、他の長期プログラムの参加者や日本語クラブとの交流などの機会が設けられていた。

写真1:ブリティッシュコロンビア大学

写真1:ブリティッシュコロンビア大学

留学先での授業内容

プログラム初日にプレイスメントテストがあり、英語のレベルごとにいくつかのクラスに分けられた。クラスは1ヶ月間固定である。月曜〜金曜の午前は基本的な文法や語句、イディオムなどの確認をする。日本での英語の授業のような座学ではなく、グループワークやゲーム、話し合いなど、他の生徒と交流しながら学ぶという流れがメインだった。

何日かごとに”Global Citizen”に関するテーマが与えられ、フィールドトリップに行くこともあった。フィールドトリップ内では 他のクラスと交流したり、有名な観光スポットを訪れる機会もあった。月曜〜木曜の午後はクラスでいくつかのグループに分かれ、プレゼンテーションを行った。プレゼンテーションのテーマは午前の授業のテーマと関連があり、約1週間に1回、毎週火曜日に発表会があった。私のクラスでは”Neighborhood” ”Health”についてプレゼンテーションを行った。また、最終週には”Change the world” というお題で「自分たちが世界をより良くするためにすべきこと」を各グループで考え、それを元に動画を作成した。

最終日にはプログラム1ヶ月を通して学んだことを他のクラスの生徒に発表するフェアウェルパーティー があり、私はクラスメイトと授業で教わった歌を紹介するポスターを作成した。このプログラムには様々な学校の様々な学部の生徒が参加しているため、それぞれの生徒が自分の長所、専門を生かしながら他の生徒と英語を使って協力し、 色々なプロジェクトに取り組んでいた。経済を専攻している友達はみんなに「フェアトレード」について英語で説明してくれたりした。私は動画作成の経験があったため、最終週の動画の編集を担当した。

留学先での課外活動

授業内でのフィールドトリップでは様々な所に訪れた。特に印象に残ったのはコマーシャルドライブで行ったインタビューと5ピンボウリングである。

コマーシャルドライブというのはバンクーバーにある地域の名前で、”Little Italy” と呼ばれている。イタリア人が多く住み、ピザ屋さんやイタリアンカフェがたくさんあるからである。ここで私のグループはコマーシャルドライブというのがどういった地域なのかを住民にインタビューしながら考えた。

インタビューを依頼した方々は全員快諾してくださり、ほとんどの方が「住民が優しいのでコマーシャルドライブが好きだ」「この地域の住民はとてもオープンで様々な人々を受け入れてくれる」とおっしゃっていた。このインタビューで私はバンクーバーの人々の寛容さを知ることができたため、とても印象的だった。

またカナダにしかない5ピンボウリングを体験するフィールドトリップもあった。通常の日本で見かけるボウリングはピンが10本あり、ボールも重たく大きいが、カナダでは5本のピンと軽く小さいボールで行う5ピンボウリングを体験することができる。

休日には学校側が用意しているアクティビティを利用して観光スポットに訪れることができる。アクティビティでは、CAと呼ばれるUBCの学生 を中心に参加者が集まるため、私は当初英語を話すチャンスかもしれないと思って参加した。しかし、実際は参加者が友達同士、日本語で喋りながら観光スポットをまわっていて、ただの観光と変わらなかった。そこで、 東工大からEGCに参加している友達と自分たちでプランを組み、観光することにした。自分たちで情報を収集し、知らない土地のホテルやバスを英語で手配しなければいけなかったため、毎週末うまく観光できるか不安ではあったが、海外で自力で生活するための力と自信が少しついたように思う。

ウィスラーという山に訪れた時はゴンドラに乗るためのチケットの買い方がわからず、受付の方に英語で質問し、その返答を聞くのにとても苦労した、最終的にはコミュニケーションをとることができて、これも少し自信につながった。観光の時も、一般の方に写真を撮ってもらったり、お店の人と会計を済ませる時など積極的に英語を喋るように心がけた。

写真2:ウィスラーの山とゴンドラ

写真2:ウィスラーの山とゴンドラ

留学から何を学び、それを今後どのように活かしたいか

留学中、私の意識を変えた出来事がいくつかあった。1つは項目「留学先での課外活動」でも述べたコマーシャルドライブでのインタビューである。私は留学に行く前からEGCの授業の中でこのように一般の方にインタビューをする機会があることを知っていて、現地の人と英語で話す機会があることを 嬉しく思っていた。しかし、実際にインタビューを行ってみると、同じグループだった他の友達の方が積極的で、私は想像していたよりも英語を使うことができなかった。

このことがショックで、この日以来私は家にいる時はできるだけリビングルームに顔を出し、ホストファザーと進んで話をするように心がけた。他にも、UBCの日本語クラブに参加して友達を作って一緒にバドミントンをしたり、観光中に現地の人との交流を心がけたり、会話に積極的になることができた。

一般の方とコミュニケーションをとる中で、この留学で一番印象的な出来事があった。私が休日にバスに乗っていると、車椅子に乗った女性が乗車してきた。その女性はお花の鉢を抱えており、両手を使うことができなかった。すると乗客の1人が自らお花を持つと申し出た。私はこれを見てバンクーバーの人々の親切さに感動した。自分もこうなりたいと思った。その後、女性はスマホを取り出し、誰かに連絡しようとしていたのだが、うまく電話のアイコンが押せずに困っていた。それを見て私は勇気を出して手助けを申し出、無事電話をすることができた。女性が他の乗客に助けられながら降りる時、私にわざわざ「さっきはありがとう」と言ってくださったのが帰国した今でも記憶に残っている。 海外で英語を使って知らない人を助けることができたのは私にとって初めての出来事だった。英語を勉強する理由は人それぞれだと思う。私にとっては「海外の人ともコミュニケーションをとりたい」というのがモチベーションであると改めて実感したし、今もこの気持ちを忘れずに英語の勉強を継続できている。

授業からは英語の勉強法について考えさせられることがあった。
日本では皆は発音に苦手意識があり、スピーキングの際にまず発音を気にする傾向があると思う。
そのため、私は現地の授業でも当然発音の授業がメインだろうと思っていた。ところが、先生は文や言葉の強調、抑揚をとても気にしていた。先生は「会話をする時、発音が不完全なことよりもイントネーションが不自然な方が話していて気になる」と言っていた。
この考え方は私にとってとても新鮮なものだった。この時から私は平坦でなく、抑揚をつけて話すように気をつけている。1ヶ月で英語力を急激に伸ばすことはかなり難しいことだと私は思う。しかし、意識は変えることができると思う。帰国後、私は授業中の英語のスピーキングで前より積極的に取り組むことができている と思う。今の気持ちを忘れず今後も英語に取り組んでいきたい。

留学前の準備

留学情報の入手方法、航空券・ビザ取得方法、語学の勉強など。
元々春に学校のプログラムを利用して留学したいと考えていたため、3Qの初めに開催される春の留学説明会に参加した。また、留学情報館に行って様々なお話を伺い、TASTEプログラムへの参加を決めた。

ここからは各自での手続きとなる。まずは大学のホームページから直接プログラムに応募した。(同時にホームステイにも応募した。) その後すぐに航空券を手配した。航空券は安いうちに、ホームステイは定員に達する前に手配した方が良い。その後はUBCとの費用の やり取りや、東工大との書類のやり取り、eTAの登録などをその都度行った。

1月になるとホームステイ先が決定するので、ホームステイ先の方と連絡を取った。あらかじめ聞いておきたいこと(ホームステイ中の規則やWifiの有無など)は遠慮なく聞いた方が良い。

留学費用

渡航費、プログラム参加費、生活費、住居費、保険料、奨学金の有無など。

  • 航空券:約 140000 円
  • 授業料:2700CAD(約 226,000 円)
  • ホームステイの費用:1323CAD(約 110,000 円)
  • 保険料:80CAD(6,700 円)
  • 生活費(観光費込み):約 100,000 円
  • 奨学金:80,000 円

留学先での住居

住居の形態(寮、ホームステイ等)、探し方、 申し込み方法、ルームメイト、その他。私はホームステイを選択した。ホームステイの方が費用も安くすみ、英語を使う機会、現地の方と交流する機会が増えると感じたからだ。

家族構成は夫婦と息子1人だった。夫婦がご高齢であったため、一緒に外出するような機会はないが、とても親切な方々だった。

ルームメイトは偶然にも東工大生だった。
朝ご飯はキッチンにあるものを好きにとって食べた。昼ご飯は前日の夜に自分でサンドイッチを作って学校に持っていった。食材はホストファミリーが購入してくださるため、自分で買う必要はない。夜ご飯はホストファミリーとルームメイトと一緒に食べた。

留学先で困ったこと(もしあれば)

特になし

留学を希望する後輩へアドバイス

私は留学をすることが好きなのですが、正直申し込む前は少しためらっていました。その理由は、時間と費用がかかるのに、自分の現時点での英語レベルで参加して本当に成果が出るのか不安だったからです。もう少し勉強してから参加すべきかとも考えました。家族にこのことを伝えたところ、「その考えではいつになっても留学することができないし、英語も上達しない」と言われました。今となっては家族の言っていた通りだったと思います。もし、自分の英語力に不安があったり、海外に行った経験が少なく参加を躊躇している方がいたら、ぜひ参加することを私は勧めます。このプログラムは色々なレベルの方が参加できるようになっていますし、いろんな方が研修中も支えてくださいます。

この体験談の留学・国際経験プログラム情報

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