Asia-Oceania Top University League on Engineering (AOTULE) 国立台湾大学 2019年12月~2020年2月
留学時の学年: |
修士課程2年 |
---|---|
東工大での所属: |
環境・社会理工学院 |
留学先国: |
台湾 |
留学先大学: |
国立台湾大学 |
留学期間: |
2019年12月~2020年2月 |
プログラム名: |
派遣大学の概要(所在地、創立、規模など)
台湾国立大学(National Taiwan University: NTU)の前身は、1928年に当時植民地支配を行っていた日本によって設立された台北帝国大学である。1945年に当時の中華民国が接収、国立台湾大学と改称し、現在に至る。設立当初は文政学部と理農学部の2学部のみであったが、拡大が進み、現在では11学院、54学部、3万人を超える学生を有するマンモス校だ。立地としては、都市部に近く、MRTが台北全体に広まっているのもあり、台北101を中心とした繁華街へのアクセスがよかった。キャンパスには研究の最新設備だけでなく、銀行や理髪店などもあり生活環境も整っていた。初日に現地のコーディネーターと待ち合わせをしていたのだが、広大なキャンパスで迷子になり遅刻してしまったのは良い思い出である。
台湾での指導教員に当たるS.K. Jason Chang先生は、公共交通の中でもgreen mobilityに関わる研究をしており、様々な政策に携わってきた先生である。研究グループには、博士学生を含む13名の学生が所属しており、毎週月曜日にはセミナーが開かれ様々な議論を行った。研究室内の一つのデスクが与えられそこで研究を行った。研究施設として申し分なかったと言える。
留学準備など
学内選考が9月下旬、受け入れの決定が10月中旬と寮の手続きが1週間前。とにかく時間がなかった。特に受け入れ費用についての障害が大きかった。NTUの工学院長陳文章先生の尽力により問題が解決したが、当時は留学が本当に成立するか疑心暗鬼だった。しかしながら、手順通りに進めていけば留学に行けることは確かである。VISAに関しては、観光目的であれば日本人は90日であれば免除されるが、就学目的では必要とあったので取得した。ただ、入国の際に確認しただけだったので(ばれなければ)取得の必要がないではと感じた。
持参品に関しては、特別に用意したものはない。衣類と研究に必要なものを持参していった程度である。シャンプー等の生活必需品は基本的に現地調達を行い、特に問題はなかった。日本製の品も割高になるが購入は可能ではあった。ただ、就寝中に蚊に悩まされることがあったので(現地購入も可能ではあるが)、蚊への対策は必須である。現地での通信機器としてSimを購入した。桃園国際空港であれば、長期滞在用の通信容量無制限のプリペイド式を購入できる。料金も60日で1500台湾元(5500円程度)と比較的安価と言える。悠々カードという交通系ICカードが普及しておりコンビニ等では使用できる。ただ、夜市を中心として現金の支払いが主流である。現金を用意する手段が必要なので、海外キャッシング可能なカード等の用意をすべきである。
所属研究室での研究概要とその経過や成果、課題など
東京港における混雑を研究した。留学期間が長くはないため、日本でデータ収集等の下準備を行い、留学先で指導教官の下で分析手法の指導を受けながら分析を行った。
分析結果は、学術誌での公表を予定しているためこの場での記載は避けるものとする。
所属研究室内外の活動・体験(日常生活・余暇に行った事など)
平日は基本的には研究室で研究を行っていた。滞在していた寮はキャンパス内にあり、食事も近隣で済ましていたため、研究室と寮の往復を繰り返す生活であった。留学生向けの中国語の講義も充実しているたが、時期的な問題のため、参加可能な講義はほとんどなかった。参加したい場合は、時期を検討した方が良い。週末は繁華街に行き、観光やショッピングを行っていた。週に一度はタピオカを飲むと決めており、多くのタピオカを楽しんだ。タピオカマップを添付しておくので参照してほしい。
Fig.1 タピオカマップ
時期的に、クリスマス、正月、春節とイベントが多かった。
クリスマスパーティでは、クイズやNGワードゲームなどを実施した。アクティビティが充実しており、中国語が不得手でも十分に楽しめた。日常でも大学内の芝生で遊ぶ学生を何度も見かけており、アクティビティを楽しむのは国民性によるものかもしれない。ただ、プレゼント交換でもらったマグカップが割れており、使用できなかったのは良い思い出である。
台湾は、中国同様一般的な正月(元旦)のほかに春節と呼ばれる旧正月がある。そのため、元旦での行事は少ない。大晦日、元旦ともに平日感覚で過ごしている印象を受けた。ただ、台北101の年越し花火は圧巻であった。
その春節では、苦労させられた。春節は、基本的には家族と過ごす休日扱いになる。そのため、営業している店がとにかく少なかった。有名チェーンやコンビニ程度しかやっていない。寮での自炊の環境が整っていないため、食事の確保に苦労した。コンビニで済ますことがほとんどだった。繁華街では、獅子舞などのイベントもあった。なので、観光目的以外では春節期間中は台湾への渡航はおすすめしない。
留学先での住居(寮、ホームステイ等)、申し込み方法、ルームメイトなど
國青大樓(Guo-Ching Building)という寮に滞在した。テレビ、洗濯機は共有のものがあり、冷蔵庫はなかった(どこかにあったかもしれないが少なくとも自分は使用していない)。しかし、一階にコンビニがあったことと外食でも十分に安いことからなくても特に困らなかった。
留学の申し込みの際に寮が必要かどうか聞かれる。空き状況によって割り当てられる寮が決定するようだった。キャンパス内にほかにも寮があるので場合によってはそちらになる可能性がある。他の留学生と二人で一部屋を共有した。ただ、そのルームメイトは昼に寝て夜行動するという生活を送っており、基本的に顔を合わせず会話もなかった。
留学費用(渡航費、生活費、住居費、保険料)など
渡航費:往復航空券4万円程度
生活費:一食100元程度電車賃:20分程度の距離で20元程度
住居費:10200元(64 days * TWD150 per day + TWD600 Wired Internet access fee)
保険料:30000円程度
今回の留学から得られたもの、後輩へのメッセージ、感想、意見、要望
今回の留学で触れ合った台湾人はみな、親切でとても温かい性格の持ち主だった。どこへ行っても、分からないことがあれば丁寧に優しく教えてくれ、大学内でもすごく親切にしてくれた。台湾は環境も整っており、気軽に留学に行ける国だとおもう。この報告書を読んだ人の一人でも多くが台湾に興味を持ち留学に前向きになることを願っている。
謝辞
今回の留学では多くの方からご支援いただきました。特に工系国際連携室久須美様には留学に関わる手続き等で大変お世話になりました。研究室の同期の平出君には、色々と相談にのってもらいました。
最後になりましたが、指導教官を引き受けてくださったS.K. Jason Chang先生に深く感謝を申し上げ、謝辞とさせていただきます。
この体験談の留学・国際経験プログラム情報
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