Asia-Oceania Top University League on Engineering (AOTULE) チュラロンコン大学 2016年9月~11月
留学時の学年: |
修士課程1年 |
---|---|
東工大での所属: |
環境・社会理工学院 |
留学先国: |
タイ王国 |
留学先大学: |
チュラロンコン大学 |
留学期間: |
2016年9月~11月 |
プログラム名: |
派遣大学の概要
私が通っていたChulalongkorn大学は、タイの首都バンコクの中心部に位置する国立大学です。1917年に設立され、タイでは最も古い歴史をもち、現在18の学部があります。 学生数は、学部生や大学院生を含めて合計約4万人。日本では「タイの東大」と呼ばれ、タイの最難関大学でもあります。大学名はチュラロンコーン大王の名前に由来しています。来年2017年は、大学創立100周年の年であり、キャンパス内では100周年を祝う飾りやイベントなどが行われていました。
タイの大学では、大学内で制服を着た学生を多く見ます。学部生は制服があり、大学院生は制服がありません。また、授業1コマは3時間であり、日本の大学とは異なる制度も多くありました。
下の写真は、Chulalongkorn大学を上空から撮影したものであり、大学のHPで見ることができます。私の在学中にも、実際にドローンを飛ばして撮影しているところを何度も見ました。
所属研究室での研究について
私のChulalongkorn大学での所属は、
“Transportation Engineering Division, Department of Civil Engineering, Faculty of Engineering”でした。
土木工学を専攻する学生のための建物があり、その中で専門ごとに学生の研究室があります。Chulalongkorn大学では、東工大のように指導教員ごとに研究室があるのではなく、専門分野ごとに研究室が用意されています。このように、私の場合は交通工学研究室に自分の席があり、ここで研究を行っていました。修士課程の学生が研究室に配属されますが、研究室には留学生や研究員の方が多いです。
私は、WiFiのデータを用いて、交通量や交通の流れを計測するということに興味があったので、WiFiを用いた交通に関わる研究を行いたいと考えていました。Chulalongkorn大学に配属され、指導教員との打ち合わせを繰り返し、WiFi機器を用いた様々な実験をタイで行いました。初めに、大学内を循環するシャトルバスに乗車し、乗降人数を目視で数え、自分で数えた人数と、WiFi機器によって検知された人数を比較する実験を行いました。この実験を通してWiFi機器の扱いに慣れ、機能を詳しく把握することが出来ました。その後、バンコク市内の主要幹線道路にWiFi機器を設置し、観測車両台数や滞在時間、移動時間などの計測を何度も行いました。これらの実験により、バンコクでのWiFi機器の適応可能性について考察し、さらにどのような実験が可能なのか考えました。これらの実験結果をもとに、タイ特有のSongthaewという交通機関の調査を最後に行うことにしました。Songthaewとは、荷台が改造されたトラックに旅客を載せて走行する乗合バス又は乗合タクシーのようなものです。Songthaewがある南部の都市まで行き、Songthaewに調査員が乗車してWiFiの測定を行いながら、自分でも乗降客数を記録し、さらにGPSロガーも携帯し、データを収集しました。これらのデータを組み合わせながら分析を行い、Songthaewの利用形態を把握し、さらにWiFi機器での測定の可能性についても検討しました。
活動や体験
Chulalongkorn大学は、バンコクの中心市街地にあり、どこに行くにも非常に便利な場所に立地しています。ショッピングセンターが5つほど密集している若者に人気なSiamエリアには、大学のシャトルバスを使って行けるため、学校後によく行っていました。さらに、キャンパス内にも、ショッピングセンターやマーケットがあり、買い物や食事に出かけていました。大学が運営するスポーツセンターも、学生は無料で利用することが可能で、私は毎週火曜日と金曜日に行われているヨガ教室に参加していました。
また、学校が休みの週末には、たくさん旅行にいきました。タイは、物価も安く、交通費も安いため、気軽に旅行をすることが出来ました。電車とバス等を使ってカンボジアに行ったり、一泊二日でマレーシアに行ったり、隣国に行きやいのも東南アジアの中心にあるタイの利点だと思います。タイ国内も、タイ人の友達にたくさん案内してもらい、タイ特有の文化や伝統なども知ることが出来ました。また、私の在学中に、タイの国王が亡くなるという悲報があり、タイは国を挙げて国王を追悼し、様々なイレギュラーなことがありながらも、私自身も喪に服しながら生活していました。
私は、Chulalongkorn大学の学生寮であるCUiHouseに住んでいました(左の写真)。CUiHouseは、Chulalongkorn大学の敷地内にあり、シャトルバスを用いて研究室まで通学することができ、アクセスも非常に便利な寮でした。CUiHouseには、留学生やタイ人の学生、講師が居住することができます。また、ホテルのように数日間だけ宿泊することも可能です。家具やエアコン、冷蔵庫等も部屋についてあり、無料で部屋を掃除してくれるサービスや自習室、キッチン、コインランドリーなどの共有スペースも充実しています。また、無料でWiFiが使えたり、1階にはコンビニや薬局等もあり、24時間の警備もあります。私は、23階の部屋に住んでいたので、部屋からの眺めがすばらしく、非常に快適で住みやすい寮でした。一つの部屋に、2人住むことも可能で、ルームメイトを募集する掲示板もありました。
寮の手配は、研究室の受け入れが決まった時に、指導教員の方が行ってくれました。渡航の約2か月に申請していただきましたが、空室は1部屋しかなかったそうです。
今回の留学から得られたもの
今回の留学で、私は初めて海外に一人で住むという経験をしました。海外旅行が好きで、家族や友達と海外に行くことはよくありましたが、一人で海外に住んで大学に通うということは、当然ですが、海外旅行とは大きく違います。タイに行く前は、研究や海外生活のことでとても不安でした。しかし、タイに行ってみると、タイ人はとても優しいし、タイ料理は美味しいし、物価も安いし、気温も良いし、すぐにタイが好きになりタイから帰りたくないと思うようになりました。また、研究や授業も難しいことばかりでしたが、派遣先の指導教員や東工大の指導教員がアドバイスをして下さったり、研究室の先輩や同期のメンバー達がとても優しく声をかけてくれて、無事にやり遂げることが出来ました。私は、この留学で人々の温かさや優しさを心から感じました。たくさん助けてくれた彼らがいなければ、私の留学生活はここまで楽しく、有意義なものにならなかったと感じています。
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