TASTE 海外短期語学学習(英語)春派遣 2025年2月24日~3月21日
留学時の学年: |
B3 |
---|---|
東工大での所属: |
物質理工学院材料系 |
留学先国: |
カナダ |
留学先大学: |
ブリティッシュ・コロンビア大学 |
留学期間: |
2025年2月24日~3月21日 |
プログラム名: |
留学先の概略
ブリティッシュコロンビア大学(UBC)には、English Language Institute(ELI)という機関があり、そこに応募した。ELI は追加言語として英語を学びたい世界中の人々を対象に様々なプログラムを開催している。今回私は、その中のASPIRE Intensive On Campus というプログラムに参加した。気候変動や人権などの世界的に問題とされている現代的なトピックやテーマを通して英語を学ぶというプログラムだった。
留学先での授業内容
プログラム開始の約3 週間前にオンラインでプレースメントテストが実施され、その結果に基づきクラス分けが行われた。各クラスの人数は約20 名であり、日本の春休みと時期が重なっているため参加者の大半は日本人であった。授業は週ごとに設定されたテーマに沿って進められ、午前クラスと午後クラスに分かれていた。
午前の授業では、文法やイディオムなどの知識を確認し、英語の基礎力を強化した。一方、午後の授業ではスピーキング力の向上を目的とし、グループワークやディスカッションが中心となった。授業形態は座学ではなく、実践的なアプローチが採用されており、生徒同士の交流を通じて学んだ知識を実践的に活用することが求められた。
プログラムは全4 週間で構成され、それぞれの週のテーマは「カナダの多様性」「気候変動」「労働世界」「人権」であった。午前の授業では、これらのテーマに関連する知識を学ぶとともに、英語の文法をネイティブの視点から理解する機会が得られた。中高で学習した文法事項が中心であったが、新たな視点から捉え直すことで、より深い理解につながった。また、カナダにおける歴史的な人権問題や、現代の環境・社会問題についての知識を深めることができた。
午後の授業では、木曜日までに各グループで動画やプレゼンテーション、新聞記事などの作品を作成し、発表を行った。金曜日は授業がなく、CA と呼ばれるUBC の学生が主催するイベントが開催されていた。作品の内容は週ごとのテーマに沿ったものであり、制作過程では博物館を訪れたり、街の人々にインタビューを行ったりと、教室の外での調査活動も積極的に取り入れられた。
留学先での課外活動
ビーチ(小さくて分かりにくいがアザラシが写っている)
平日の授業後や休日を利用し、さまざまな場所を訪れた。バンクーバーは「レインクーバー」と呼ばれるほど雨が多いため、晴れの日は貴重であり、天気予報を確認しながら景色の良い場所を優先的に訪れるよう計画を立てた。主にルームメイトと行動を共にした。移動手段としては、主にバスを利用し、スカイトレイン(電車)やシーバス(小型船)も併用した。運賃の支払いには、日本のSuica に相当する「コンパスカード」を使用した。クレジットカードでも支払い可能だが、コンパスカードを利用することで乗り換え時の運賃が割安になる利点があった。移動時には、ホストファミリーに勧められた「Transit」というアプリを活用し、バスや電車の時刻表や乗り換え方法を調べた。また、空港からホームステイ先への移動には、ライドシェアサービスのLyft を利用した。
平日は時間に限りがあったため、学校周辺の施設を訪れた。UBC のキャンパス内には、美術館や植物園が充実しており、UBC の学生証を提示することで無料で入場できた。一方、休日には丸一日を使って遠出し、フェリーや高速バスを利用してウィスラーやビクトリアなどを訪れた。
これらの旅行では、計画立案から移動手段の手配、ツアーの予約までをすべて自分たちで行ったため、情報収集能力や臨機応変な対応力が向上した。慣れないことも多かったが、困った際には周囲のカナダ人が助けてくれることが多く、カナダ人の温かさを実感する機会となった。
留学から何を学び、それを今後どのように活かしたいか
カナダについて知っていることといえば、「メープルシロップが有名」という程度だった。世界史や地理の授業でも、カナダに関する学習機会は少なかったように思う。そのため、実際にカナダを訪れるまで、この国が移民国家であること、かつてイギリスの影響を受けていたこと、日本人移民の歴史があること、英語だけでなくフランス語も公用語の一つであることなどを知らなかった。また、アメリカが「人々が同化する国」と表現されるのに対し、カナダは「サラダボウル」と称され、それぞれの文化を尊重し合う社会であることを学んだ。この経験を活かし、今後、多様な人々と交流する際には、相手の文化や価値観をより深く理解しようと努めたい。
今回の留学では、初めての経験が数多くあった。例えば、一人で海外へ行くこと、海外のレストランで食事をすること、現地のツアーに申し込むこと、さまざまな手続きやメールのやり取りを英語で行うことなどである。これらは事前には難しく感じられ、抵抗もあった。しかし、必要に迫られる状況に身を置くことで、事前に情報を調べ、周囲の人の助けを得ながら実行することができた。そして、実際にやってみると、思っていたほど困難ではなく、スムーズに対応できることが多かった。この経験を通じて、慣れない環境でも適応できるという自信がつき、新しいことに挑戦することへの心理的なハードルが下がった。今後は、興味を持ったことに対して臆することなく挑戦していきたい。
授業では、街中で知らない人にインタビューする機会が多く設けられていた。日本語でさえ見知らぬ人に話しかけるのは難しいが、英語でとなるとさらにハードルが高かった。しかし、インタビューを申し込んだ人々のほとんどは快く応じてくれ、断る場合でも励ましの言葉をかけてくれることが多かった。回数を重ねるうちに慣れ、インタビュー内容から話を広げ、自然な会話を楽しめるようになった。また、授業では教師が聞き取りやすい英語を話していたが、一般の人々の英語は必ずしもそうではなかった。こうした背景から、実生活の英語に触れる機会としてインタビューが重要視されているのだと理解した。さらに、カナダは多民族国家であるため、さまざまな訛りのある英語にも触れることができた。学校の授業や教材で学ぶ整った英語だけでなく、異なるアクセントの英語にも対応できるようになり、冷静に聞き取る力が身についた。
これまでは、英語を「ツール」として捉えていた。しかし、英語でのコミュニケーションに慣れ、実際に使うことの楽しさを実感したことで、その考え方が変わった。英語表現の幅を広げたいという意欲が生まれ、新しい単語に出会った際には意味だけでなく発音やイントネーションにも注意を向けるようになった。この学習意欲を維持し、今後も継続的に英語力を向上させていきたい。
留学前の準備
以前別の留学に参加したり、FLAP のイベントに参加したりしていたため、TASTE の存在についてあらかじめ知っていた。科学大の留学ホームページを調べて情報を入手した。大学のホームページから直接プログラムに応募した。また同時に、ホームステイにも応募した。そして航空券を手配した。それぞれ期限が決められていたり、定員があったりするため早めに手続きをした。ビザは必要なく、eTA というものを登録した。
留学費用
渡航費:航空会社や予約するタイミングでかなり違いが生じる
授業料:3,450 CAD
ホームステイ代:一泊65 CAD + Homestay Placement Fee 350 CAD
保険料:100 CAD
奨学金:110,000 円
留学先での住居
ホームステイを選択した。ホームステイの方が費用を抑えられるうえ、ホストファミリーと交流することで英語を使う機会が増えると考えたからだ。クラスメイトのほとんどがホームステイを選択しており、授業で出される課題の中にはホストファミリーにインタビューするというものもあった。
ホームステイ先は、ELI のホームステイ部門のサイトに申し込み探してもらった。ホームステイの料金には三食含まれていた。朝食は自分で用意し、昼食はお弁当を持っていき、夕食は用意していただいたものをホストファミリーやルームメイトと一緒に食べた。
留学先で困ったこと
カナダの室内の乾燥がひどく、喉をやられてしまった。乾燥対策グッズを持っていくことをお勧めする。
留学を希望する後輩へアドバイス
プログラム終了後に訪れたバンフの川
このプログラムでは、留学先の学校への申し込み、航空券の手配、宿泊先の手配などを自分で行う必要がある。申し込むだけですべて手配してもらえるものと比べると、準備のハードルは高い。しかし、その分得られる経験や自由度も大きい。手続きや計画の過程で自立心が養われ、柔軟な対応力も身につくため、迷っているのであればぜひ挑戦することをお勧めしたい。
また、1 ヵ月間の滞在は決して長くはなく、ようやくカナダの生活に慣れたころに帰国することになる。時間と予算に余裕があれば、プログラム終了後に帰国までの期間を延ばし、カナダ国内を旅行するのもよい経験となるだろう。
この体験談の留学・国際経験プログラム情報
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