国際交流

Study at Tokyo Tech ~東工大を選んだ理由~

Study at Tokyo Tech ~東工大を選んだ理由~

東京工業大学は、積極的に海外留学生を受け入れ、教育・研究環境の多様性を尊重し、科学技術を通して世界の発展に寄与してきました。現在も全学生の16%にあたる約1,700名(2018年5月現在、正規課程及び非正規課程)の留学生が学んでいます。

東工大は、日本の理工系総合大学で学びたいと考えている世界中の学生に向けて、PR動画「Study at Tokyo Tech(スタディ アット トーキョーテック)」を公開しました。この約2分間のショート動画では、「世界をリードする研究と多彩な研究分野」「英語で受講できる多様なプログラム」「世界トップレベルの研究者による直接指導」「最先端の研究・学びの環境」「魅力的な留学先都市※1・東京でのキャンパスライフ」など、東工大で学ぶ魅力を発信しています。

さて、実際に東工大で学んでいる留学生はどのように感じているのでしょうか。動画に登場する留学生二人に、東工大を選んだ理由、東工大での学びや生活の様子など、動画では描ききれない等身大の東工大ライフを語ってもらいました。二人は英語で修士もしくは博士の学位を取得することができる国際大学院プログラム(IGP)で学んでいます。

マックスとアンジー

  • デワンティ・アンジェリア・ハルタンティ・ワユー(インドネシア)(以下、アンジー)
  • 工学院 経営工学系outer 修士課程1年
  • バンドン工科大学outer卒業。母国で製造業の企業に勤務した後、2017年9月より、本学修士課程(国際大学院プログラム(IGP-C))。専門はサプライチェーンのリスク管理。アジア開発銀行(ADB)奨学生。
  • デワンティ・アンジェリア・ハルタンティ・ワユー(インドネシア)(以下、アンジー)
  • 工学院 経営工学系outer 修士課程1年
  • バンドン工科大学outer卒業。母国で製造業の企業に勤務した後、2017年9月より、本学修士課程(国際大学院プログラム(IGP-C))。専門はサプライチェーンのリスク管理。アジア開発銀行(ADB)奨学生。

東工大を留学先に選んだ理由

卓越した研究、奨学金による経済的サポート、東京でのキャンパスライフ

アンジー:第一に東工大は日本でも有数の理工学系の大学であるということです。母国インドネシアの出身大学(バンドン工科大学)の教授の薦めもあり、東工大で修士の学位をとることを決めました。東工大は私を一流のエンジニアに成長させてくれると確信して東工大を選びました。

マックス:4年前の修士課程1年次に交換留学プログラムTiROP※2で東工大に短期留学しました。東工大を選んだ理由は、出身大学(RWTHアーヘン工科大学)と東工大が学術交流協定を結んでいることが大きかったです。アーヘン工科大学と東工大は活発な交流を続けていて、現在も多くのアーヘン工科大学の学生が東工大で学んでおり、キャンパスでよく顔を合わせます。

アンジー:東工大と私の出身大学との間にも様々な学生交流プログラムがあり、活発なパートナシップを結んでいます。大学同士の連携はとても大切だと思います。

東工大を留学先に選んだ理由 卓越した研究機会、奨学金による経済的サポート、国際都市東京のキャンパスライフ

マックス:東工大を選ぶもう一つの理由は、東工大が東京にあるということ。東京はワクワクするメガシティです。

さらに、数ある大学の中から東工大を選んだ大きな理由は、経済的支援としてさまざまな留学生向け奨学金が受けられることです。TiROPでは交換留学の費用の大半がカバーされていました。現在は、文部科学省の国費留学生として、授業料の免除や滞在費の支給を受けています。東工大は家計に余裕がない学生に対しても素晴らしい教育を受ける機会を提供しています。

また、研究や教育に加えて、課外活動プログラムも充実しています。日本の古典芸能である落語を英語で聞いた「英語でRAKUGO(英語落語会)」はすごく面白かったです。この大学では日本の豊かな伝統と文化に触れる貴重な体験も可能です。

東工大研究者データベースSTARサーチで最適な指導教員に出会えます

マックス:私は東工大の研究者データベースであるSTARサーチ※3で先生を見つけました。STARサーチは関心のある研究分野やテーマから先生を探すことができます。私の指導教員は以前TiROPで短期留学したときに師事した田中圭介先生です。

アンジー:私の場合は、東工大でサプライチェーンについて学びたいと考え、東工大ウェブサイトの経営工学系outerのページから、生産、サプライチェーン、そして、顧客満足の専門家である指導教員を見つけることができました。

指導教員からの手厚い指導と充実した研究環境

マックス:私はこれまでコンピュータサイエンスを学んできました。現在は、情報理工学院数理・計算科学系の博士後期課程で研究を進めています。私の専門は理論計算機科学の一部である「暗号理論」です。特に、ブロックチェーン技術のスケーラビリティとその改良について研究しています。

アンジー:私の研究分野はサプライチェーンリスクマネジメントです。インドネシアで3年半購買関係の仕事に携わった経験があり、生産と調達の連携による供給リスクの軽減について研究しています。

東工大での研究生活、学生生活について

マックス:東工大で研究を進めるにあたって素晴らしい点は、関心のある研究テーマを自由に選べることだと思います。そして先生からは充実した学術的支援とアドバイスを受けられます。先生は、関連する研究分野のジャーナルの記事や会議録、論文を学生に提供してくれます。ここでの研究生活は学生の研究の可能性を広げ、成功に導いてくれると実感しています。

アンジー:例えば、私の研究室では、学生と先生が参加する、小規模なゼミが日々行われています。 ゼミでは、研究内容を発表し、意見を述べ、議論します。先生は研究の進め方についてアドバイスしてくれます。

マックス:そうですね。 先生は次に何をすべきかを教えてくれます。特に行き詰ったときは、問題点を明確にするために必要な資料を示してくれます。特に学士課程の学生にとっては先生から直接貴重な指導を受ける十分な機会を得ることができます。

風通しのよい研究室、チューター制度などによるサポート体制

アンジー:私の研究室のメンバーは英語が決して流暢ではありませんが、とても素敵で愉快な友人たちです。 彼らから日本語を学び、私は彼らの英語をサポートします。日本人の学生と友達になると、一緒に「nomikai(飲み会)」に行ったり、伝統的な日本食を食べるなど、普通の日本の学生生活を味わうことができます。

マックス:私の研究室ではよく先生と学生がいっしょにランチをとります。このランチ会がとてもいいです。また、学会に出かけたときや、お祝い事があったときなどは、飲み会が開かれます。言葉の壁があるので、どちらかというと海外留学生と友達になる方が簡単です。しかし、将棋を教えて欲しいと頼んだことがきっかけで、私の拙い日本語でもとても良い日本人の友人ができました。

アンジー:私は東工大インドネシア留学生協会outer東工大留学生協会(TISA)※4に参加し、これらの活動のおかげで、母国を離れた孤独をあまり感じずに過ごしています。また大学の学生支援課はいつも留学生をサポートしてくれます。

東工大インドネシア留学生協会のメンバーと東工大カップにて

東工大インドネシア留学生協会のメンバーと東工大カップにて

マックス:東工大は留学生へのサポートが充実しています。入学直後から先輩留学生がチューターとして、留学生の学修や日本で生活をはじめる上でさまざまな支援を行います。特に、住民登録や健康保険の手続きなどを手伝ってくれるのは本当に助かります。

伝統文化と最先端技術に触れる日本での生活

アンジー:私は今、大岡山キャンパスまで1時間程度の東京の湾岸エリアに住んでいます。海に近いこの美しい街はランニングには最適で、いつも気持ちよく走っています。

マックス:日本国内を旅行するのは本当に素晴らしい体験です。北海道では、小樽や函館を中心に巡り、東京とは違う豊かな自然に触れ、ユニークな建築物を見て回りました。また、留学生が手頃な費用で参加できるように大学が企画した、3日間の京都・奈良への留学生研修旅行※5は、とても楽しい思い出です。

アンジー:日本での生活は、伝統文化と最先端技術の両輪に触れることができます。

東工大に留学を希望する学生へのアドバイス

マックス:実用的なアドバイスとしては、申請書類は不備なく記入、準備して提出することが重要です。誤字、脱字がないかも確認し書類を完成させ、締切までに提出し、まずは、一次選考にパスしてください。志望動機は一般的な内容ではなく、具体的に書くことが重要です。自身の経験を盛り込むことはとても効果的です。

東工大に留学を希望する学生へのアドバイス

アンジー:応募する前に志望する研究分野についてよく学んでおくことです。もちろん研究計画はきっちり練りましょう。何より、自分に適した指導教員を見つけることが重要です。それが東工大における研究成果に大きく影響するからです。その他、アドバイスとしては「カルチャーショックを受ける心の準備をしておくように」ということです。

マックス:それは本当にそうだと思います。

アンジー:心を閉ざさず、柔軟な心で違いを受け入れることが大切ですね。

マックス:研究室にこもったままだと、文化の違いを体験する機会を逃してしまうでしょう。旅行するチャンスがあれば、旅行しましょう。茶道を試す機会があれば是非試してみてください。東工大にいる間に、いろんなことを経験し、日本での生活を楽しんでほしいと思います。

最後に、東工大修了後の予定や将来の展望について教えてください

アンジー:私はアジア開発銀行(ADB)の奨学金を得て東工大に留学しているので、修士課程を終えたら、インドネシアに帰ります。帰国後は東工大で得た知識や経験を母国の発展のために活かすべく、懸命に働きたいと思っています。日本で経営工学を学び、日本の製造業の素晴らしい知見を得て、インドネシアの製造業の改善に寄与していきたいです。

マックス:私は博士後期課程を修了した後は、おそらく日本以外の国に滞在する予定です。まだまだいろんな世界をこの目で見たいですね。以前インターンシップでお世話になったスイスの研究所に行くか、関心のある外国企業に応募しようと考えています。東工大で学んだ専門知識を生かし、起業するのもよいかもしれません。

東工大では、さらに留学生の受け入れ体制を充実させ、留学生比率を高め、多くの留学生と日本人学生が共に学び合う国際的なキャンパスの実現を目指します。そのためには、実際に東工大で学び、研究する留学生の声や体験に耳を傾け、さまざまな要望に応え、彼らの目標を実現できるように、学びや研究をサポートしていきます。

アンジーとマックス

※2
TiROP(Tokyo Tech International Research Opportunities Program)
2011年から2015年の文部科学省の世界展開力強化事業として実施された留学プログラム。カリフォルニア工科大学など17の世界トップ大学をパートナー大学とし、双方の学生の派遣・受入を行う。

TiROP|国際交流TOPICS|国際交流

※3
STARサーチ
東京工業大学の研究者データベース。指導教員を探すためのシステムで、研究者が書いた論文や担当する授業などが検索できる。

研究者検索システム STARサーチouter

※4
東京工業大学留学生会(TISA)
留学生が直面する様々な問題を、自分たちの手で改善しようと積極的に活動する留学生会。スポーツ大会や交流会などさまざまなイベントを企画し、異文化間の交流と理解を深め、さまざまな違いを超えて東工大留学生の利益のために活動している。

東京工業大学留学生会 ― TISA|国際交流TOPICS|国際交流

※5
留学生研修旅行
2泊3日の日程で奈良、京都の街を歩き、お寺や文化財の見学、伝統工芸の体験を通じ、日本文化への理解を深めるための大学主催の留学生向け研修旅行。

SPECIAL TOPICS

スペシャルトピックスでは本学の教育研究の取組や人物、ニュース、イベントなど旬な話題を定期的な読み物としてピックアップしています。SPECIAL TOPICS GALLERY から過去のすべての記事をご覧いただけます。

2018年6月掲載

お問い合わせ先

東京工業大学 総務部 広報課

Email pr@jim.titech.ac.jp