TASTE 海外短期語学学習(英語)夏派遣 カリフォルニア大学バークレー校 2018年7月23日~2018年8月10日

留学時の学年:
学士課程3年
東工大での所属:
工学院 経営工学系
留学先国:
アメリカ合衆国
留学先大学:
カリフォルニア大学バークレー校
留学期間:
2018年7月23日~2018年8月10日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概略

参加したのは、名門カリフォルニア大学バークレー校のサマーセッションである。UC バークレー校は夏学期に世界より留学生を集めて講義を行っており、その Session E の英語学習コースに所属した。留学生向けの3週間のプログラムで、英語英語能力による入学選考はなかったが、ハイレベルで意欲のある学生が集っていた。日本人は少なく、院生や公務員留学の方の割合が大きいように感じた。

留学先での授業内容

Academic Speaking (午前・週 4)

スピーチやディスカッションを通じ、効果的なスピーキングの方法を学んだ。この科目は2単位で、午前中2時間半の週 4 回であった。

予習で英文記事やTED の動画を見た上で、授業内ではその要約や自分の主張を話す練習を行った。ところどころ、賛成や反対を述べる表現や、論理の接続を示す表現を実践した。グループワークでは英語ディベートや、現地のネイティブの学生にアンケート調査を行う課題に取り組んだ。

宿題はほぼ毎日出て、加えて自主的にスピーチの練習も行った。授業内では語彙テストや発音のテキストもあり、総合的に英語の実力を鍛えられたと思う。

Community Building, Engagement, and Transformation (午後・週 2)

ELS のコースには様々なトピックの授業が提供されており、そのうち私が履修した授業のテーマは“コミュニティの持続可能性”だった。

授業ではサンフランシスコのミッション地区という、メキシコ人街の課題に取り組んだ。技術者の流入などにより、低所得者の居住民が追いやられているという現状を調べるため、班員と週末に二度、自主的に現地を訪れた。最終課題では、ミッション地区の住居問題の背景、課題・対立、解決策を発表した。

当初はなじみのないトピックではあったが、豊富な参考文献を読み、映画やインタビュー動画を見る中で、理解を深めた。二回のスピーチやクラスのディスカッションの準備のため、予習もしんどかった。

留学先での課外活動

授業後にそのまま帰宅するのはもったいなく思い、毎日様々な場を訪れ、経験を深めた。昼食は授業内で知り合った中国人の友達とビュッフェ式のダイニングホールへ行った。そのままキャンパス内をめぐり、観光名所でもあるセイザータワーへは数度登り、バークレー市内を一望した。キャンパスの周辺には、大学関連の科学館、美術館、植物園、人類学博物館がある。学生は無料のため、時間のある時にそれらを訪れた。バークレー市内のバスは無料のため、移動には困らなかった。

大学も留学生向けのプログラムをいくつも提供していた。初日は広場にて ESL の学生が会するウェルカムパーティーに参加した。その他にも、全ては参加していないが、授業内でも数々のイベントを紹介してくれた。バークレーは環境、福祉、人権などに寛容で、リベラルな街とも知られるため、それを現地で体感できてよかった。

また週末の金土日はフリーデイであった。確かに課題は多く残っていたが、サンフランシスコ、シリコンバレー、オークランドへ観光に行った。ミッション地区へ行くことは授業の課題でもあった。学生証の割引を用いて、カリフォルニア博物館、コンピュータ歴史博物館、GLBT博物館、デヤング美術館などで学びを深めた。その他、スタンフォード大学や IT 企業の本社に訪問したり、ジャパンタウンの祭りにも参加した。

留学から何を学び、それを今後どのように活かしたいか

留学で学んだ一点目は英語の実用のことである。中学高校の大学受験の対策や、大学での TOEFL 受験などにより、これまでリーディングを主とする英語試験は慣れてきた。一方、自分の主張をアウトプットすることに経験が少なく、自分の実力がわからず、少し苦手を持っていた。単語やフレーズを覚えて使えるようにするのも重要だが、いまのボキャブラリーのなかで自分の言いたいことをまとめることも大事だと感じた。

ネイティブや非ネイティブとのコミュニケーションでは意思疎通は取れていたが、単語を並べて話したり、聞き返したりすることも多かった。自分の意見や理由を述べる時に、接続を助けるフレーズを挿入することで、わかりやすく伝えられるようになった。グループワークでプレゼンの方針を決める際も、メンバーは多国籍のため、ただ流れに身をまかせるのではなく、自分の感じたことを素直に表現する必要があった。言語だけでなく、表情やイントネーション、ジェスチャーなどの非言語コミュニケーションも学んだ。

また、アメリカの名門大学で学んだことも、よい経験となった。授業の予習復習のために、毎晩遅くまで机に向かっていたことは、今となってよい思い出である。参考となる資料や動画を見て、ポイントを抽出し、疑問点や印象的な部分をメモに書き出していた。ディスカッションでは準備に時間をかけたほど、得るものが大きいと感じた。海外の人がどう感じているのかを知るのは興味深く、また日本人の学生として自ら主張することを求められる場面も多かった。中国人とは英単語がわからなくても、漢字を書くと理解してくれたこともあった。異文化交流の中でも、共通点や異なる視点を見つけていくことが糧となった。

サンフランシスコやシリコンバレーの様々なスポットを訪問したことや、海外に友達を多く作れたことは充実していた。ただ、観光ではなく、短期留学として行ったことで、アカデミックに学ぶ姿勢を追求できた。海外の大学に通ったことで留学のイメージが実感として湧き、同時に自分の至らない部分、もう一度挑戦したい部分も見えてきた。可能ならば、英語学習以外で、専門を学びに再び留学に行きたいと感じるようになった。それまでに、自分の専攻や学んだことをしっかり伝えられるようにしたい。

留学前の準備

一年ほど前より、本プログラムには興味をもっており、ネットにて情報収集を行っていた。

アメリカのカリフォルニア、特にサンフランシスコ地域に行きたいという思いを前から持っていたため、行き先の学校は迷わなかった。冬ごろに留学情報館に相談に行き、4月にはサイトよりプログラムに申し込みを行った。サイトはすべて英語の上、一からすべての情報を登録していったため、苦労を重ねた。わからないことがあったときは、留学情報館に助けて頂いたこともあった。

SessionE への申込を決めた5月頃に航空券を往復分取った。直行便かつ時間帯にはこだわった。いま思うと、早めに予約し、日程もゆとりを持たせればよかったとも感じた。

3単位の授業を履修したため、F1 ビザが必要だった。大学より入校許可証を発行してもらい、SEVIS にも登録した上で、アメリカ大使館にて面接を行った。一週間ほどして I-20 が郵送された。割と出発ギリギリとなってしまったため、手間のかかる手続きは、余裕をもって行ってほしい。

留学費用

渡航費、プログラム参加費、生活費、住居費、保険料、奨学金の有無など。

  • 授業関連27万円ほど
  • 航空券16万円ほど
  • ビザ4万円ほど
  • ホームステイ20万円ほど(空港見送り含む)
  • 海外保険8千円ほどWIFIレンタル3万円ほど
  • 生活費7万円ほど(食費、交通費、入館料、土産など)

なお、JASSOより、奨学金を8万円頂いた。

留学先での住居

住居はホームステイに3週間滞在していた。当初、留学生向けの寮 I-House を検討したが、Session E の学生は入居することができなかった。そこでカリフォルニア在住のネイティブの家庭と、アメリカの生活やキャンパス通学を体験したく思い、ホームステイを選択した。

そこで大学のサイトにあったホームステイ業者のリンクから申し込み、入金後に受入先決定の返信があった。

ホームステイはフィリピン系・メキシコ系移民の家庭であった。彼らはカリフォルニア出身であったため、現地の多くのことを聞け、週末には市内の穴場に連れて行ってもらえた。大学より地下鉄BART で一駅先の場所で遠くはなかった。学生は無料の市内バスで通学した。

滞在中には、他にも中国、台湾、韓国、日本の学生がいた。

留学先で困ったこと(もしあれば)

中国人留学生の割合が特に大きかったです。第二言語として中国語を取っていたため、アメリカの地で役立つことになりました。多様な国籍を期待していたので、少し残念でしたが、気の合う中国人と多く知り合えたのでそれもよかったです。

留学を希望する後輩へアドバイス

日本人の少なく、もともとの知り合いのいない中で留学に行くのは勇気が要ります。ただ、渡航準備から現地の生活まで自分で行うのは、良い経験となります。応援しています。

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