TASTE 海外短期語学学習(英語)夏派遣 カリフォルニア大学デービス校 2019年8月9日~2019年9月6日

TASTE 海外短期語学学習(英語)夏派遣 カリフォルニア大学デービス校 2019年8月9日~2019年9月6日

留学時の学年:
学士課程3年
東工大での所属:
情報理工学院 情報工学系
留学先国:
アメリカ合衆国
留学先大学:
カリフォルニア大学デービス校
留学期間:
2019年8月9日~2019年9月6日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概略

カリフォルニア大学デービス校による理工系大学生向けの語学留学プログラムで、期間は 4 週間でした。

日本人留学生がかなり多く、また、ほとんどは学校単位でまとまって申し込んでいたようで、各大学 10〜20 人来ていました。

留学先での授業内容

月曜日から金曜日まで毎日 1 コマ 50 分の授業を 4 コマ受けていました。UC Davis では同じ期間に別のプログラムも行われていましたが、私が参加した EST プログラムの授業は、午前の 8:30〜12:30 でした。

4 コマの授業のうち、Hot Topics という授業では、毎回、課題として科学技術に関するニュースや TEDなどの動画が 2 つから 3 つほど提示されました。授業までにそれらを見て、授業中にその内容について4,5 人程度の小グループで話し合いました。また、文中に使われていた難しい単語の解説と、その単語を使った例文を考えるといった単語の勉強も行われました。

提示されたニュースの文章はかなり長いこともあり、課題は楽ではありませんでしたが、リーディング力は鍛えられたと思います。また、話し合いでは自分の意見を英語で表現する必要があったため、外国語で意見する難しさを痛感しました。しかしクラスメートの中には、しっかりした意見を流暢に話せる人も少なくはなく、とても刺激を受けました。文法は完璧ではなくても、様々な表現を用いて伝えようという意志が大事なのだと感じました。この授業のおかげでスピーキングへの抵抗がかなり減りました。

Intercultural Research Project では、科学技術に関連するテーマについてアメリカ人にインタビューし、その結果をまとめたポスター発表を行うことを最終的な目標として授業が進みました。プログラム前半は、具体的で目的のわかりやすいテーマにするためのアイデア出しのようなものを行い、中盤では実際に大学内外に出向いて 10 人のアメリカ人にインタビューをしました。そして後半では、分かりやすく、クリエイティブなポスターを手書きで作成し、1 人ずつ発表しました。

ネイティブの方々に声をかけてインタビューをするというのは不安もあったのですが、まずはクラスメートとインタビューし合うことで練習できたり、相手が答えやすく、さらに有益な回答が得られるような質問の作り方を教わったりと、授業内に十分な準備ができたために、スムーズにインタビューすることができました。また、どの方も親切で真剣に回答してくれて、アメリカ人の性格を肌で感じることのできるいい経験になりました。発表は何も見ずに行うよう言われましたが、留学後半であったため問題なくできました。

Introduction to Entrepreneurship では、起業家精神をテーマとして授業が行われました。有名な起業家の経歴や偉業などを 2 人一組になって調べてスライドにまとめ、発表したり、3 人一組で新たなビジネスモデルを考え、発表しました。

起業に焦点を当てた授業ということで、リーダーシップの重要性や、リーダーになる素質とは何なのかなども教わりました。このような授業があるのはアメリカならではだなと思い、とても新鮮でした。

Listening and Pronunciation では、英語の母音の発音やアクセントの練習、流暢に話すために単語間を繋げて発音する練習や、正しい発音を聞いて書き取る練習などを行いました。

私はこれまで日本で英語を勉強してきたためこのような練習は初めてでした。単に正しく発音するだけでなく、文中では単語中の一部の細かい発音は省略してしまうなど、ネイティブの自然な発音を学べました。発音の練習では早口言葉を言ってみたり、リスニングの練習では有名なアーティストの曲を聴くなど、とても楽しみながら学ぶことができました。

授業を受ける教室内は、日本のように机と椅子が整列していることはなく、机の付属したキャスター付きの自由に動ける椅子に座って授業を受けていました。そのためグループワークが簡単にでき、アクティブラーニングができる環境になっていると感じました。

また、授業の一環としてサンフランシスコとサクラメントリバーキャッツの野球の試合に行きました。サンフランシスコは、平日に 1 日かけて行きました。始めは科学を学べる美術館に行き、その後は自由行動だったため観光をしました。野球の試合は、授業がある日の夕方から向かいました。そこでは、野球中継や映像のモニター操作を行う部屋を見せてもらい、野球において科学技術がどのように用いられているかを学びました。

  • サンフランシスコの Pier39 で 撮った写真。 アザラシがたくさんいました。

    サンフランシスコの Pier39 で 撮った写真。 アザラシがたくさんいました。

  • サンフランシスコの街並み。  デービスとは全く違った雰囲気でした。

    サンフランシスコの街並み。  デービスとは全く違った雰囲気でした。

  • サクラメントリバーキャッツの  野球場。 裏側を見ることができて面白かったです。

    サクラメントリバーキャッツの  野球場。 裏側を見ることができて面白かったです。

授業は午前のみでしたが、課題が多かったため午後はほとんど課題に取り組んでいました。大変ではありましたがとても充実した毎日を送ることができました。

留学先での課外活動

週末は自由な時間を取れたため、観光をしました。大学が紹介するツアーがいくつかあったのですが、満席になるなどして申し込むことができなかっため、個人経営しているツアーに自分たちで連絡をとり、参加しました。このツアーではタホ湖とヨセミテ国立公園にそれぞれ日帰りで行きました。ツアーに参加したのは自分たちのグループのみで、ツアー主催者が運転するミニバンに乗って行き先に向かいました。そのため、移動中にも英語で会話することができました。タホ湖はとても水が綺麗でした。かなり広いため対岸が見えず、海にいるかのように楽しむことができました。ヨセミテ国立公園はとにかく広大な自然を感じることができました。滝の下から頂上までおよそ 300m の標高を歩いて登りました。途中とても辛かったのですが、案内してくれていたツアー主催者がとてもパワフルで、歩き続けていたので必死について行きました。また、足場は悪いけれど滝に一番近づけるという、普通の人はあまり行かないような場所まで案内してくれました。頂上は景色も良く、達成感を感じることができました。彼がいなければ途中で諦めてしまっていたと思うので、とても貴重な経験になりました。

私はホームステイをしたのですが、初日だけ UC Davis のホームステイの管理をしている方の家に泊まりました。そこには EST と並行して行われていたサマープログラムに参加していた台湾の学生がホームステイしていたのですが、授業を受けていた建物内で彼に会った際、ホームステイの管理人が主催する Global Festival というものに誘われ、参加しました。大学内の広場で行われており、様々な国の料理や飲み物が提供され、留学生など誰でも自由に参加することができるというものでした。ホームステイのホストなどもいて、様々な国の人と交流することができました。

タホ湖
タホ湖

ヨセミテ国立公園
ヨセミテ国立公園

留学から何を学び、それを今後どのように活かしたいか

留学から学んだことは様々あります。語学力はもちろんですが、1 ヶ月間アメリカで過ごし、アメリカ人の家庭に住まわせてもらったことで、文化や国民性、環境、食生活、気候などに関する日本との違いを体感することができました。

アメリカ人はとてもおおらかです。細かいことを気にしたり、神経質になることは少なかったように思います。バスの中で誰かが独り言をしゃべっていたりするのも普通でした。また、とても気さくです。買い物をする際、レジに行くと必ず最初に”How are you?”と聞かれます。そこから会話が始まることもあります。私が1 人でベンチに座りバスを待っている際、隣に座っていた方が声をかけてくれたこともありました。また、移動のために Uber を使用した際、どのドライバーも乗車中積極的に会話をしてくれました。中にはお水やお菓子をくれた上にマジックをいくつも見せてくれたドライバーもいました。人助けも当たり前のようにします。しかしその反面、細かいことを気にしないという性格は良くない点もあります。例えば、学校への行き帰りに利用していたバスは頻繁に遅れていました。帰りのバスは特にひどく、1 時間に 1 本であるにも関わらず、30 分以上遅れることも少なくありませんでした。また、学内のストアを利用した際、かなり列が長くなってしまっているのに、レジを 2 つしか開けず、またどちらもゆっくりと対応していました。日本だったら別の店員を呼び、なるべく回転が早くなるように工夫するだろうと思ってしまいましたが、しかしアメリカ人はそれも気にしていないようでした。一長一短であるようにも感じますが、私は 1ヶ月アメリカで過ごして、時間にルーズな点などについては、ここはアメリカだから、と考え、気にしないようになりましたし、とても気楽に過ごすことができました。

また、アメリカはとても土地が広いために車なしでは生活ができないと実感しました。UC Davis で渡された ID カードを見せると Davis 周辺の多くのバスが無料で乗車できるため、それを利用してサクラメントなどにも行きましたが、やはり移動時間が長くかかるし、バスの本数が少ないため待ち時間も長くなります。また夜遅い時間や土日はバスがなくなることもあります。ホストファミリーに送ってもらったり、Uber を使ったりしましたが、やはり住むなら車が必須なんだと感じました。

食生活については、私はアメリカに行くまで想像ができなかったのですが、実際に過ごしてみると、各家庭により様々なんだと感じました。やはりピザやお肉などといったジャンクな食べ物はどの家庭も多く出ていたようだったし、私のホームステイ先もそうでした。しかしお米が出る日もあったり、クラスメートの中には日本人にとって馴染みのある味の料理がよく出るという家庭もありました。やはり日本食が恋しくなることもありましたが、1 ヶ月間であれば無理なく過ごすことができました。

そして、私がとても良いなと思ったのは天候です。私が過ごしたデービスやウッドランドはとても過ごしやすい天候でした。夏だったため、最高気温は 40℃ほどになりますが、乾燥しているため不快な暑さではありませんでしたし、朝晩は 15℃ほど気温が下がり、涼しいくらいでした。留学中、雨が降ることは 1 度もありませんでした。

私は元々、日本から離れた国で長期間暮らすことに抵抗を感じていました。普段と違う生活を送ることに対して不安があり、将来海外で生活する、といったことも避けたいと思っていました。しかし、留学をしアメリカで 1 ヶ月間過ごして、現地の生活に簡単に適応することができたし、帰国前にはまだ帰りたくないと感じていました。そのため、海外で生活をすることへの抵抗がなくなり、色々な国へ旅行に行き現地の生活を垣間見てみたり、余裕があればまた海外で数ヶ月間暮らしたいとも思うようになりました。また、将来海外で仕事をするといったこともできたら、感性や経験が豊かになって良いのではないかと思いました。今後は、今回の留学で広がった価値観を元に、身の回りのことから将来のことまで、様々なことに対する考え方を新たにしていこうと思いました。

留学前の準備

留学情報や航空券取得ははインターネットを利用しました。ビザは、手続きが大変でしたが、日本大使館のサイトにわかりやすい解説が載っているため、それを参考にしていました。

語学の勉強は、リスニングを中心に勉強しようと思い、大学への行き帰りの電車内でドラマを視聴していました。

留学費用

渡航費:約 200,000 円、プログラム参加費:2495 ドル、生活費:約 600 ドル、住居費:748 ドル、保険料:12740 円、奨学金(80000 円)有

留学先での住居

始めはホームステイに抵抗があり、寮を希望していましたが、寮はホームステイの倍以上の金額がかかることが分かったため、ホームステイを選びました。プログラム参加者はほとんど日本人だったというのもあり、結果的に英語で会話する機会を増やすことができるホームステイを選んで良かったと思いました。子供が7人兄弟で、上は16歳から、一番小さい子は5歳でした。小さい子は遠慮なく話しかけてきてくれるため、家族の輪に入るきっかけにもなりました。家にはプールがあり、子供たちと泳いだり、水中でのゲームを教わって一緒に遊びました。同じホームステイ先には別の大学の女の子も1人いましたが、部屋は別でした。

海外で現金をおろすことができなかったことで少し困った場面はありました。クレジットカードで支払うことができるので基本的に問題はありませんでしたが、現金でのやり取りがなくはなかったので、海外で使えるキャッシュカードがあると便利だと思いました。日本のVISAのクレジットカードから現金をおろせるATMがあるとインターネットに書いてあったのですが、対応しているATMが見つかりづらいことや、引き落としに失敗することが多かったことから、これはあまり良い方法ではないと思いました。

留学を希望する後輩へアドバイス

日本の夏休みが他の国とずれていることもあってか、このプログラムの参加者はやはりほとんどが日本人でした。私のクラスも全員が日本人でしたし、廊下を歩いていても日本語が飛び交っていました。また、基本的にはどの学生も意志を持って留学に来ているので、英語を積極的に話そうという意識がありますが、中には留学が大学の必修単位となっており、仕方なく来ているという学生もいました。今年できた新しい学部の学生ということで参加者も増えていたようです。そのため、そのような学生に流されることなく授業を受けようという、ある程度の覚悟は必要だと思います。ただ、授業はどれも質が高く、得られるものも多いプログラムです。授業で与えられる機会を利用して積極的に発言したり、色々な人とコミュニケーションを取ったり、プログラム外でも様々なことに挑戦すれば、日本ではできない経験をすることができます。この留学がどれほど実りのあるものになるかは、本人の行動次第だと思います。努力すればかなり有益な1ヶ月間になるはずです。

この体験談の留学・国際経験プログラム情報

他の関連する体験談