TASTE 海外短期語学学習(英語)夏派遣 2023年8月21日~9月22日

TASTE 海外短期語学学習(英語)夏派遣 2023年8月21日~9月22日

留学時の学年:
B2
東工大での所属:
環境社会理工学院建築学系
留学先国:
オーストラリア
留学先大学:
クィーンズランド大学
留学期間:
2023年8月21日~9月22日
プログラム名:

留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概略

クィーンズランド州はオーストラリア北東に位置し、気候の安定した過ごしやすい地域である。私が留学したのは州都ブリスベンにキャンパスを構えるクィーンズランド大学。この大学では留学生向けプログラムが複数用意されており、私はPathway Englishという英語学習プログラムに参加した。このプログラムは、留学前に提出する個人の語学スコア(TOEFL iBTやIELTS)もしくは渡航前に受験するレベル分けテストの結果に応じて、クラスが7段階に分けられる。各クラスによって週の授業時間数や内容が異なり、自身の語学レベルに対応した環境で学習を進められる。また、学生サポートも充実しており、授業やクラスに関する問題の他、メールなどを含むIT関連の問題やクラブ活動についてもサポートしてくれる。

留学先での授業内容

私が渡航した際はクラスが5段階に分けられていた。私は事前に提出したTOEFLのスコアに応じ、レベル3のクラスに入った。授業は平日午前のみで、途中30分の小休憩を挟みつつ8:15-10:15、10:45-12:45の計4時間。配布されるテキストを元に進めるレクチャーの時間と、グループ活動を取り入れながら行うアクティビティの時間が混在していた。5週間で1セッションと短期間のため、基本的にクラスメイトは入れ替わらないが、私のクラスは初め12人で、途中1人合流し13人であった。ただし毎週木曜日はビジネス用英語コースとIELTS対策コースの選択授業で、普段のクラスとは異なるクラス編成で授業を行った。これは初週に選択した。
 普段の授業に関してもう少し詳細に記述する。レクチャーの時間は日本での授業とあまり変わらなかった。テキストを用い、リーディング・リスニングを行う。文法や時制についても学んだ。基本事項については日本で学んできたことを英語で復習するのに加え、細かい注意点やニュアンスの違いについて学ぶ感じだった。ただし、読者の意見を問う設問が複数あり、英語でディスカッションする機会が多くあった。また、授業内でも先生は指名せずに問いかけるため、積極的に回答しなければならない場面が多かった。アクティビティの時間に関しては、3-4人の小グループで活動することが多く、物語を作って発表したり、時には教室から出て活動することもあった。ゲーム性を含みながらもその授業でのポイントを意識でき、楽しく学べているという感覚があった。

留学先での課外活動

5週間という期間は非常に短く、ブリスベンを見て周り切ることはできなかった。しかし幾つかの貴重な経験を得たのでそれについて記述する。
 まず、市街地について。毎日午前で授業が終わるため、午後は友人とランチやショッピングに行くことがほとんどだった。最も発展しているセントラルには店が並び多くの観光客が溢れていた。生活に必要なものだけでなく、本や服なども買った。カジノや醸成場もあり、日本ではできない経験ができた。また、ブリスベンではよくマーケットが開催され、果物や蜂蜜などの他、アクセサリーや絵画など様々なものを買うことができる。私も幾つかのマーケットに行き、お土産などを購入した。
 次に、ブリスベンでのアクティビティについて。週末には十分な時間があるため、観光地を見て回った。プログラム開始後初めての週末には、兄とそのルームメイトと一緒にスカイダイビングに行った。初めてであったが、日本よりも高く安くできるのがとても魅力的だと思う。また、景色についても広大な自然と海洋を楽しむことができ、貴重な経験だった。
 最後に、他の都市について。3週目の週末にはメルボルンに、最終週の週末、帰国前にシドニーに行った。オーストラリアには都市が多くあり、それぞれが違った魅力を持っている。移動が基本的に航空機というのが難点ではあるが、せっかくオーストラリアに行くのだから、見たい建物は全て行こうと決めていた。数日しか滞在できなかったため、少し悔やまれるがいい経験になった。

留学から何を学び、それを今後どのように活かしたいか

留学に行き学んだことは多く、数えきれない。ここでは、その中でも私にとって重要な学びを2つ記述する。
 1つ目は自身の視点と選択肢について。私はこれまで、「自分の選択肢を広げたい」と思ってきた。建築学を学びたい一心で大学に進学したものの、その先で自身の進む方向を決めかねていた。これは経験不足や無知から来るのではないか?と思い、経験の1つとして留学することを決めた。しかし渡航後、それまでは考えもしなかったことが自身の選択肢として見えるようになった。留学によって見つかるのは最適解ではなく、新たな視点、選択肢であると思う。新たな選択肢を得たこと、また、見えていない多くの選択肢があると気付けたことがこの留学における最大の学びだ。もちろん行き先や目的にも寄るとは思うが、私が参加したこの留学プログラムでは授業が平日午前しかないということもあり、多くの自由時間があった。そこで自分自身と向き合う時間を多く取れた。物理的にも精神的にも普段の生活から一歩離れることで、様々なことに気付き、魅力的な選択肢とも出会えた。予想とは全く異なる過程を経たが、「自身の進む方向を決める」という当初の目的は達成された。
 2つ目は自身の英語について。渡航以前は、自身の英語力に概ね満足していた。リーディングやリスニングのテストでは高いスコアを取ることができたし、勉強すればできると経験と通じて感じていた。しかし渡航後、その自信は一瞬にして崩れ去った。会話が出来ない。最も単純でありきたりな理由だ。正しくは、「言葉は通じるが会話ができない」。言いたいことを表す言葉が出てこないのだ。自身のボキャブラリーに最適な言葉がないのだ。ジェスチャーや翻訳機を使えばなんとかなるが、それはコミュニケーションとしては不完全に感じた。私は、なぜ会話が出来ないのかと考えた結果、単純に英語を使うことに慣れていないからではないかという結論に至った。もちろん会話だけではない。目にする文字、耳にする音、思考する言葉が英語でないと、言語としての能力を保ち続けることは難しい。留学期間中、自身の主要言語を英語にするのは容易だが、それに慣れることと、帰国後も維持するよう努めることがより重要だと学んだ。

留学前の準備

• 留学情報の入手について
東工大の留学プログラムやについては東工大HPや留学情報館から情報を入手しました。渡航先大学についての不明点についても、支援課にメールで相談しました。留学先での生活や各種手配については、支援課の他に自身でインターネットを用いて調べたり、一足早く留学に行った実兄に聞いて対応しました。

• 宿泊先について
ホームステイと大学付属の学生寮で悩み、各選択肢のメリット・デメリットを考えた上でホームステイを選びました。最大の決め手は、他国の日常文化により多く触れたいと思ったからです。申請手続きについては、自分で直接UQにメールで問い合わせ、紹介業者にオンラインで申し込みました。

• 航空券について
往路便は6月下旬に予約しました。UQがあるブリスベンへの直行便は、毎週月・木・土に1便ずつの計3便しかなく、プログラム開始数日前に着いていたかったので自ずと決まりました。私は航空機の手配が一番最後でしたが、書類手続きで必要になるので渡航日が確定したらすぐに取っても問題ないと思います。復路便については、プログラム終了後に数日間観光してから帰国したかったので、往路便と同時には取りませんでした。最終的にシドニーに寄ってから帰国することに決め、7月中旬にチケットを取りました。

• ビザ取得について
オーストラリアにはVISAの他に電子渡航許可システムETASがあります。ETASはオンラインで完結する電子ビザで、今回の留学は観光・商用目的であり3ヶ月以内でったのでこれを取得しました。ETASの有効期限は12ヶ月なので早めに取って問題ないと思います。

• 語学の勉強について
今回参加したプログラムでは、語学スコアの提出かレベル分けテストの受験が必須でした。TOEICのスコアは要件に含まれておらず、せっかくの機会なのでTOEFL iBT を受験しました。建築学系の課題に追われ、十分に対策できないまま受験することになったことが悔やまれましたが、勉強のモチベーションには繋がりました。TOEFLのスコアは語学留学以外にも派遣交換留学や海外進学に役立つので、将来的に考えている人はしっかり対策したほうがいいと思います。

• その他(保険、オリエンテーションなど)
保険については東工大指定のものに加入しました。そのほか、提出書類や奨学金関係事項についても留学情報館のオリエンテーションで一通り説明があり、不明点や相談はすぐに留学情報館に連絡しました。安全管理などについても具体的な経験談を聞けて良かったです。航空券やホームステイなど、各自で手配するものについては、私より少し早く留学に行く予定だった実兄に相談しました。兄は外部委託でしたが、渡航先も近かったので、お互いに情報共有できたことは有益でした。

留学費用

渡航費        往路便→JPY¥100,000(HND→BNE) 
復路便→JPY¥140,000(SYD→HND)
プログラム参加費 AUD$2654
住居費        AUD$1955
保険料        JPY¥12,750
生活費・観光など AUD$2000-3000
奨学金        JPY¥140,000

合計実費 JPY¥700,000-800,000 (1AUD=94JPY)

私は3週目の週末にメルボルンに、5週目プログラム終了後帰国前にシドニーに行ったことを含め観光・生活費を多く使ったので費用は高い方だと思います。また、同じくブリスベンに滞在していた実兄と支払いを混同させることも多かったので、正確には把握してない部分もあります。

留学先での住居

住居の形態      ホームステイ
探し方      支援課に相談した後、UQに直接メールで問い合わせ
申し込み方法     UQに紹介してもらったAHNにオンラインで申請  
ルームメイト      高校生2人(香港、台湾)
ホストファミリー    ホストマザー、ホストファザー
その他・食事など   複数のプランのうち、毎日夕食のみのプランを選択

留学先で困ったこと

特にはありませんでした。服装や持っていった方が良いものなどは先に現地にいた兄に聞いてから準備したため問題なかったです。ドライヤーやシャンプー類は現地で買いました。

留学を希望する後輩へアドバイス

少しでも留学や海外に興味があるなら行くことを強くお勧めします。東工大では留学プログラムが沢山用意されているので、自分に合ったものを見つけやすいですし、サポートも充実していると思います。ただ、単に英語が上手くなりたいだけなら日本にいても自分で学習出来ると考えて踏み切れない人もいるかもしれません。確かに、留学はコストも時間もエネルギーもかかるので、簡単な決断ではないですが、自分の経験としてはメリットしかないと個人的には思います。英語が公用語の国で日常生活から英語に触れ続けることだけでなく、文化・生活や環境の違いを経験出来ます。また、一番大きい点は、日本から離れられることです。自分が慣れ親しんだ生活から一歩離れて、俯瞰してみると気付くことが多いと思います。この体験談を読んでくれた方で、留学を迷っている人がいたら、「ぜひ一歩踏み出して欲しい」と伝えたいです。



この体験談の留学・国際経験プログラム情報

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