派遣交換留学 シンガポール国立大学 2017年8月1日~2017年12月19日

派遣交換留学 シンガポール国立大学 2017年8月1日~2017年12月19日

留学時の学年:
修士課程1年
東工大での所属:
環境社会理工学院 土木・環境工学コース 土木工学コース
留学先国:
シンガポール共和国
留学先大学:
シンガポール国立大学
留学期間:
2017年8月1日~2017年12月19日
プログラム名:

留学先大学(機関)の概略

シンガポール国立大学(National University of Singapore, NUS)は現在アジアトップの大学であり、毎年様々な国から多くの留学生がやってきます。その為、留学生の数は3割ほどであり、先生の出身国も様々です。留学生の為の寮の数は大変多く、学内も無料の学内バスが運行しており、シンガポールという国を象徴するかのように、身の回りのものがすべて効率的に設計されている為、不便に感じる部分は何もないと思います。

留学前の準備

1学期分の交換留学をする予定だったので、最初から卒業を延長する予定はありませんでした。 2年ある修士生活のうち、1年前期は東工大において単位の取得、1年後期は留学、残りの1年間で就職活動と修士論文という風に考えていました。(実際にそのようにしています。) NUSは秋学期の始まる時期が8月の初めと早かった為、就職活動の為に夏のインターンシップなどに参加することはできないだけでなく、いくつかの授業の期末試験を受けられずにレポートなどで代用させていただいたりしました。

シンガポール国立大学は日本でもメジャーな留学先の一つであり、また研究室の先輩にNUSに留学していた方がいらっしゃったので、情報を得ることは難しくなかったです。

英語に関しては、留学をするのが2回目だったのと研究室で常に英語を使わなくてはならない環境だった為、特に準備を していきませんでした。専門分野に関しても、自分の専門分野の大学院の授業を前回の留学先で受講したことがあったので特に心配はしていませんでした。ただ、初めて留学した際は英語が全然喋れず聞き取れず苦労をしたので、留学をするのであれば準備していくことに越したことはないと思います。また、 授業に 関しても日本語で説明され、課題を行うのと英語で同じことを行うのにはかかる時間もエネルギーも全然違うので、少なくとも英語の論文を読むことや英語で文章を書くことに慣れておくことをお勧めします。

研究室には結局所属はしなかったのですが、所属するのであれば自分の研究室の指導教員とNUSの教授が知り合いだったので、その先生経由で研究室を探すのも所属させていただくのもできました。NUSには日本人の先生も何人かいらっしゃるし、つながりをもっている先生も多いと思うので、そのつながりで見つけるのが簡単であると思います。

住居に関しても、ほとんどの留学生が学内の学生寮に住んでおり、その数も多いので探すのは容易であると思います。ビザはNUSの指導に従って取得すれば問題はない のですが、本人確認などといった手続きはNUSに行ってから行い、ビザの発行もNUSでという形になります。飛行機会社によってはその旨を説明しても搭乗を拒否されることがあり、その場合到着後1か月以内にシンガポールの外にでる航空券を買う必要があるので、行きの飛行機会社にはきちんと確認を取ってから予約をするべきだと思います。

留学中の勉学・研究

計4つの授業を受講しました。(そのうち一つは聴講のみ)

CE 5203 Traffic flow and control

ミクロなレベルでの交通システムについての勉強をしました。大学院の授業であった為他の授業に比べて授業内容は難しかったですが、多くのことが学べたように感じました。

SE4217 Southeast Asia in the Global Economy

東南アジア各国の経済を様々な側面から学びました。自分でテーマを考え、論文を書くResearch Paperは多くの参考文系を参照する必要があり、大変でした。

SE3227 Maritime History and Culture of Southeast Asia

海洋考古学の授業で様々な財宝や難破船について学びました。チュートリアルの授業では実際に美術館に行き様々な話を聞かせていただきました。

TP5027 Transport and Freight Terminal Management

先生の都合で土曜に授業があることもあったので、履修はせず聴講のみしていました。自分の研究分野である港にチュートリアルで行けたのが良かったです。

留学中に行った勉学・研究以外の活動

1週間の中期休みやReading weekを生かして、東南アジアの様々な場所へ旅行に行きました。東南アジアをはじめとする様々なアジアの国を知ることは私の留学の大きな目的の一つであったので、実際に現地に行くことは旅行であっても良い経験でした。

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

交換留学をするのが2回目であったのと、シンガポールといった比較的近場の大学に留学した為、 自分自身がとても大きな成長をした、と感じられる機会は少なかったです。しかし、シンガポールをはじめとする様々な国についての知識を身に着けることができたこと、そしてアジアトップと言われる大学内で勉強し、その学生と交流できたことは大切な財産になったように感じます。留学の1番の目的であるアジアについての理解を深めること、については多くのアジアの国についての現状をシンガポールという国でだからこそ広い視野で分析することができたように感じます。人々の生活や政府のシステムは他のアジアの国とシンガポールでは大きな差があると思いますが、少しでも旅行や授業を通じて理解することができたと思います。

留学費用

業務スーパードリームジャパンという財団から月15万円の奨学金を頂いていました。渡航費は片道2万から2万5千円ほどでした。住居費については、大学の寮に住んでいたため、手数料も込みで1か月約4万5千円ほどでした。

留学先での住居

NUSには数多くの寮があり、その中から自由に選ぶことができました。人気の寮であると抽選落ちする可能性はありますが、私はUniversity Townのエアコンなしの部屋を第一志望で出し、希望通りそこへ住むことができました。申し込み方法としてはNUSから来るメールの内容に従えば問題ないと思います。1人部屋に加え、4人でキッチンやシャワーを共有していました。ルームメイトはカナダ人、ドイツ人、フランス人でした。

留学先での語学状況

公用語は英語であった為、英語以外の言語を習得する必要はなく、また不便を感じることもありませんでした。とても強い訛りの英語やシングリッシュと呼ばれる言語を話す人も時々いましたが 、あまり苦労はしませんでした。

単位認定(互換)、在学期間

留学中に取得した単位の認定を行う予定です。また、在学期間は延長する予定はありません。

就職活動

私はシンガポールで就職活動を行いませんでしたが、他の大学から留学に来ていた日本人の多くが現地開催の会社説明会に参加したりOB訪問をしたりしていて非常に驚きました。NUSは秋学期の始まりが8月最初であった為、日本で夏のインターンなどに参加することはできませんでしたが、帰国後すぐに就職活動を始める予定です。

留学先で困ったこと(もしあれば)

特にありません。

留学を希望する後輩へアドバイス

NUSはアジアでトップの大学という魅力のある大学であり、勉強環境は非常に整っていると思います。NUSの学生を始め、留学生の多くも真面目に勉強をする学生が多く、留学先で勉強を頑張りたいのであれば非常に良い大学であると思います。一方、勉強を第一にしている大学である為、ルームメイトと一緒にご飯を作り合ったり、学校終わりにどこかへ遊びに出かけたりといったことはこちらから積極的にいかない限り機会は少ないと思います。また、シンガポールという国自体が非常に東京に似ていると私は思っており、留学生を始め現地で働いている日本人も数多くいらっしゃるだけでなく、国土も狭く遊びに行く場所も限られている為、留学をして様々な新しいことを感じたり経験したりする機会は他の国に比べて少ないと思います。NUSに限ったことではないですが、留学先を決定する際は自分がどのような目的を持って留学をして、そしてどのような生活を送りたいか、を基準に選ぶことをお勧めします。

また、留学はどの国であってもどの期間であっても必ず自分の為になると私は思っています。留学をして得るものはあっても失うものは何もありません。留学ができるという環境は非常に恵まれた環境であることを意識して、目の前のチャンスを逃さないようにして欲しいと思います。

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