派遣交換留学 ジョージア工科大学 2018年1月1日~2018年5月4日

派遣交換留学 ジョージア工科大学 2018年1月1日~2018年5月4日

留学時の学年:
修士課程2年
東工大での所属:
工学院 機械系 機械コース
留学先国:
アメリカ合衆国
留学先大学:
ジョージア工科大学
留学期間:
2018年1月1日~2018年5月4日
プログラム名:

留学先大学(機関)の概略

ジョージア工科大学は,米国工科大学の名門であり,世界的に見ても屈指の研究機関です.
学部・研究科の構成は東工大と似ており,工学・建築・理学・コンピューターサイエンス学部などが設置されています.中でも工学とコンピューターサイエンスの評価は高く,大学ランキングなどでは常に上位にランクインされています.

留学前の準備

米国の博士課程に進学するかどうかを決めるために,米国の博士課程の実情や日常生活の環境を実際に自分の目で確かめようと思い,比較的短期間の交換留学を決意しました.留学期間は数カ月だけだったため,修士課程卒業の時期はずらさずに済みました.

修士卒業後に就職する場合や,東工大の研究室でそのまま博士課程に進む場合も想定し,数カ月間の研究が,修士論文などの今後の研究の役に立つような留学にしたいと考えました.そこで,留学先の大学・研究室の選定には,

  • 東工大での研究内容と関連する研究を行っている
  • 東工大で所属する研究室には無い知見・技術を有している

という2点に配慮しました.

そこで,東工大の協定留学先の中でも,自分の専門の機械工学分野で優れているジョージア工科大学に狙いを定め,3つほど魅力的な研究室をリストアップしました.第一志望の研究室の教授には何度もメールを送ったのにも関わらず返信していただけませんでしたが,指導教員にメールを代送していただいたところ,受け入れを承諾していただけました.

英語力の向上には,オンライン英会話を利用しました.コスト・利便性にとても優れるのでお勧めします.

留学中の勉学・研究

前述の通り,本留学は研究が目的であったため,授業は履修しませんでした.しかし,J-1ビザの規定上,1セメスターで12単位は取得しなければならなかったため,自主的な研究を行うことで単位を取得できる実習形式のコースを履修しました.また,英語力向上のため,大学内のLanguage Instituteという語学学校が提供していた,リスニングやサイエンティフィックライティングの短期講座を履修しました.

研究については,東工大では実験を中心に進めていたので,留学先では解析(コンピューターシミュレーション)を行いました.滞在先の研究室の教授は,私の研究テーマに興味を示してくださり,関連する博士論文やソースコードなど,あらゆるデータへのアクセスを許可して下さったため,驚くほど自由に研究を行うことができました.しかし,それらの博士論文やコンピュータープログラムの作成者は既に卒業済みで,直接質問などをできる機会が限られていたため,新たな進捗を生み出すのには大変苦労しました.結局留学していた4か月間で目新しい結果は生み出せませんでしたが,教授が研究データを持ち帰ることを許可して下さったため,東工大に戻ってからも継続してそのテーマに取り組んでいます.

留学中に行った勉学・研究以外の活動

留学期間が4か月と限られていたため,もっぱら研究に集中していました.たまの週末に,インディーズのバンドのライブに行ったり,NBA(プロバスケ)の試合を見に行ったりして遊んでいました.

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

帰国して約1か月後に海外での国際学会に1人で出席しました.自分の発表が終了した後に,内容に興味を持って声をかけて下さった海外の研究者の方々と簡単ながらも英語で議論し,コネクションを作れたことが,留学による自分自身の成長を最も実感できた出来事です.

留学費用

渡航費:往復約30万円,住居費:約13万/月,保険料:約5万(AIU),奨学金:8万/月(JASSO)

留学先での住居

大学内の院生向けの寮を利用しました.申し込みはネット上で行いました.費用は高額でしたが,キッチン・バス・トイレ・洗濯機・乾燥機・ベッド・デスクなど設備はかなりしっかりしており,とても暮らしやすかったです.家具などを追加で購入する必要もほとんどありませんでした.また,大学から徒歩5分程度の場所にあるため,通学もしやすかったです.

ルームメイトは地元アトランタ出身のアメリカ人だったので,町の案内や,帰国時の荷物の送付など何かととても親切にしてくれました.

留学先での語学状況

学4か月前に受けたTOEFLでは93点でした.リスニング・リーディングはかなり良く,スピーキング・ライティングが悪かったので,特にスピーキングが心配でした.しかし,アメリカに到着してから最初の2, 3か月最も苦労したのはリスニングで,ネイティブが早口でしゃべると聞き取れないことが多くありました.南部の訛りなどの問題もあるかとは思いますが,やはり圧倒的にスピードが速いので,出国前からTV番組などを見て練習をしておくことをお勧めします.逆にスピーキングは,やろうと思えば自分のペースで話すことができ,相手もそれを待っていてくれるので,意思疎通ができないなどの苦労はありませんでした.

単位認定(互換)、在学期間

東工大での単位認定は行いました.在学期間の延長は行いません.

就職活動

私が利用した留学プログラムは,修士1年の1月から修士2年の5月までだったため,就活の時期とかなりかぶっていました.そのため,東工大の修士学生に一般的な,学内推薦の就活システムは利用することはできませんでした.ただ,留学中にスカイプでの面接に応じてくださった企業に応募したほか,帰国後(5月以降)にも自由応募で数社就職活動をしました.

留学先で困ったこと(もしあれば)

白米を恋しく思いました.炊飯器を買うか,鍋炊きのスキルを身に着けることをお勧めします.

留学を希望する後輩へアドバイス

留学を有意義なものにするには,明確な目的を設定することが不可欠です.研究でも,英語力の向上でも,友達をたくさん作るでも何でもいいので,最初から何かはっきりとした目標を持っていれば,留学中の様々な苦労を乗り越えて,行ってよかったと思えるような留学経験にできると思います.

この体験談の留学・国際経験プログラム情報

他の関連する体験談