派遣交換留学 ゲント大学 2018年9月10日~2019年7月6日

派遣交換留学 ゲント大学 2018年9月10日~2019年7月6日

留学時の学年:
修士課程1年
東工大での所属:
生命理工学院 生命理工学系 生命理工学コース
留学先国:
ベルギー王国
留学先大学:
ゲント大学
留学期間:
2018年9月10日~2019年7月6日
プログラム名:

留学先大学(機関)の概略

ゲント大学はブリュッセル空港から電車で1時間、シャルルロワ空港からバスで1時間半くらいに位置するゲントにある総合大学である。学生の数は42000人ほどで、キャンパスは半径5kmくらいの範囲に点在しており、授業間の休み時間に自転車でキャンパスを移動しなければならないこともあった。ゲント大学はベルギーの中でKU Leuvenと1,2を争うほどの名門大学であり、ヨーロッパの中でもレベルの高い大学として知られている。私が所属していたbiomedical engineeringでは、ゲントで最大の大学病院が講義の場所となることも多く、東工大では出来ない経験が出来た。

留学前の準備

修士1年の9月からおよそ10か月間、7月初旬まで留学した。ヨーロッパでは修士学生が研究室に所属するというのはメジャーではない為、講義のみの留学とした。その為、研究活動は一旦休止し、留年という形で卒業を一年遅らせる予定である。
向こうでは就職活動は特に行わなかった。ロンドンで日本人留学生向けのジョブフェアがあるようなので、留学中に就職活動をしたい方はスーツ等を持参した方が良さそうである。

留学情報は留学生交流課の方に1度相談させて頂き、その上で決定した。コース所属やLearning Agreement等、大学HPで調べたが中々分かりにくいことも多く、苦労した。

専門分野とは異なるBiomedical Engineeringというものを専攻した。医療機器について学べたり、実験では脳や心臓の解剖を経験できたりなど個人的には満足のいく内容であった。一方で、生命理工の所属である私にとってはプログラミングや物理系の知識を要する科目はついていけず、取得を諦めた講義が多かったのも事実である。

ビザの取得は集めるべき書類が多く大変であった。留学が決まったらまずは大使館にメールで問い合わせをすることをおすすめする。必要な書類についての説明を送ってもらえる。大使館に出向いたのは出発の1か月半前であった。発行はその翌日にされたので、必要以上に慌てる必要はなさそうであった。

住居は大学の寮をおすすめする。寮であれば入国後の警察による訪問が省略される他、ゴミなどの処分も業者がまとめて行ってくれるためそこは利点といえる。申し込み時に4つの寮から選択できたと記憶しているが、それらは隣接するうちのどれかというものなので大差はない。大学寮としてはやや高めであるが、各部屋にシャワーとトイレがあったので快適に暮らすことができた。寮以外に部屋を探すのは大変そうであった。

留学中の勉学・研究

授業は1年間で42単位を登録し、そのうち23単位を取得した。ゲント大学の決まりで1セメスター20単位以上登録しなければならないので登録だけして、興味のあるもののみ取得したといった具合である。

試験は普通の筆記試験に加えて、教科によっては口答試問にて行われるものもあり、単位の取得は容易では無かった。また、通常のセメスター後の試験に加え、8月から9月にかけて落とした単位の追試験期間が設けられている。もしどうしても取得したい場合は9月くらいまで滞在期間を確保しておいた方が良さそうである。

留学中に行った勉学・研究以外の活動

旅行はヨーロッパ各国の中でもかなりしやすい環境であった。ゲントの駅からLCC向けの空港であるシャルルロワ空港にはバスが出ており、そこからはヨーロッパ各地に格安フライトが飛んでいる。価格は時期や予約のタイミングによるが、例えばベルギーからギリシャのアテネに飛んで、たったの5ユーロのこともあった。学生の間に多くの国を見ておきたかったので時間を作ってなるべく旅行に出かけるようにした。結果、10か月の留学で23か国を回ることが出来た。

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

ブリュッセル空港に着いた瞬間に大きな不安を感じたことを鮮明に覚えている。初のヨーロッパで、一年弱という長期間を過ごすということで、先の見通しが立たず落ち着かない気分であった。留学の開始にあたって、なるべく旅行をする1年間にしようと自分の中で決めて留学に臨んだ。理由としては、せっかくヨーロッパを留学先として選んだのでEUのなるべく多くの国を自らの目で見ておくことは、将来的に学業よりもより大きな意味を持つであろうと考えたためである。結果としてシェンゲンエリア内の約8割程度、計23国を回ることが出来たので、EU内の土地勘や国ごとの文化の違いなどをかなり知ることができ大変満足している。

留学費用

  • 渡航費: マイレージ利用
  • 生活費: 月300~400ユーロ位
  • 住居費: 月444ユーロ(光熱費等込)
  • 保険料: 東工大を通じての契約のみ
  • 奨学金: 月8万円(JASSO)

ベルギーのレストランは比較的高く、20ユーロからといった具合である。学生用の食堂は3~5ユーロと安いので、自炊以外ではよく利用した。但し、学生証が無いと3倍近い値段になるため、到着後は優先して学生証の受け取りに向かうことをおすすめする。

留学先での住居

9月18日から大学寮に入寮した。(一斉入寮日)
それまでは現地の人にアポを取って、無料で泊まらせてもらっていた。(Couchsurfingというサイトを通じて。日本では知名度は低いが、ヨーロッパではそこそこ有名。)

寮の申し込みは出願後なるべく早く行うべき。私の場合、5/14に寮へ申し込み後、6/7に部屋が取れたとの連絡が来た。6月に入ってから寮に申し込みをした友人は寮に入れなかったとのことなので、注意が必要。尚、1年を通じてそれなりの人の出入りはあるので、もし取れなかったとしても途中から入れる可能性はある。

ゲント大学の寮では、(恐らく意図的に)同じ国出身の人がある程度同じフロアになることが多いそうである。同じ階に日本人が私を含め3人、また同フロアの7割ほどがスペイン人であった。もし気になる場合は、申し込み後にメールなどで希望すれば考慮してくれる可能性も無くはない。

留学先での語学状況

語学については、1年を通じて現地語はほとんど必要なかった。ゲントの人々は、若者~中年くらいまでの人のほとんどが英語を流暢に話すため、講義は勿論、日常生活においても致命的な状況に陥ることはなかった。また、オランダ語ではあるがオランダでのオランダ語とは少し異なる様なので、恐らく準備は難しいであろうし、不要であると感じた。英語に関しては、オランダ語のような訛りがある教授もいて聞き取りに苦労することも最初はあったが、周りの英語レベルが高いこともあって英語の向上という点においても良い留学先であると言える。

単位認定(互換)、在学期間

単位互換を行う予定である。
在学期間を1年延長する。

就職活動

インターンシップへの応募などを行った。秋にボストンで行われるジョブフェアに参加する予定。

留学先で困ったこと(もしあれば)

寮ではオンラインショップの商品を受け取ってもらえないので、日本と比べるとかなり不便で困った。なお、家族からの荷物や携帯のSIMカードなどは受け取ってもらえる。
夜8時以降や日曜日はスーパー等を含めほとんどの店が閉まるので、日本と同じ感覚で生活することは不可能である。

5月末に所得税に関する書類が届き、全てオランダ語で書かれていた。また、電話で問い合わせてもオランダ語かフランス語の自動応答を突破しなければならず、お手上げであった。

留学を希望する後輩へアドバイス

  • オランダ同様の自転車文化なので、自転車を借りることを強くおすすめする。(De fiets ambassade: 公営の長期レンタサイクルサービス)
  • 寮費の支払いは口座振替なので、現地で銀行口座を作ることをおすすめする。私はKBC bankで口座を作った。デビット機能も非常に便利だったのでおすすめ。
  • 携帯に関してはSIMフリー端末を持参した。通信会社はMobile Vikingを利用した。EU内の他の国でも追加料金なしで使え、非常に便利であった。

もし何か質問などあれば連絡下さい。

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