派遣交換留学 ベルリン工科大学 2019年9月1日~2020年7月31日

派遣交換留学 ベルリン工科大学 2019年9月1日~2020年7月31日

留学時の学年:
修士課程2年
東工大での所属:
環境・社会理工学院 建築学系 建築学コース
留学先国:
ドイツ連邦共和国
留学先大学:
ベルリン工科大学
留学期間:
2019年9月1日~2020年7月31日
プログラム名:

留学先大学(機関)の概略

ベルリン工科大学

留学前の準備

就職活動は留学終了後に行おうと思っていたが、コロナで途中帰国したため、夏のインターンのために準備をした。修士論文のテーマに関しては、留学前は動物福祉をテーマとしようと思っていたが、ドイツの林業の状況と日本の林業と建築の問題を知り、地元で林業をテーマにして書こうと考えている。

留学中の勉学・研究

留学中はベルリンの建築が形の力を失いつつあるという問題意識から、「儀式」を敷地に挿入することで形の力を取り戻そうと試みるスタジオ に参加した。フランス人と2人チームを組み、日本の茶事という儀式を挿入し、茶事の持つ見立てというコンセプト、敷地の持つヘテロトピアというコンセプトからシュルレアリスム的に茶室を再構築した。リサーチ、コンセプトメイク、具体的な案のスタディと密にコミュニケーションを取りながら順調に進めることができ、スタジオの 最終講評では高評価を得ることができ た。1/1 スケールで ディテールを考えることが求められていたため、施工方法などまで検討し、非常に有意義なスタジオとなった。

座学ではglobal city local space と Japanese trauma という授業を履修した。前者は世界的な難民問題や政治的な権力が及ぼす 問題等のマクロな視点をそれが世界の各都市にどのような影響を及ぼいているかというミクロな視点を論文や研究を参照しながら提示し、それぞれの問題と解決方法の一端を議論する授業だった。後者は日本の戦後の建築は敗戦や東日本大震災といったトラウマ的事件からどのような影響を受けたのかという分析を行う授業であった。

留学中に行った勉学・研究以外の活動

ボランティア、インターンシップ、旅行、スポーツなど、幅広く体験を記入してください。
旅行はドイツ国内、スペイン、ポルトガル、イタリア、オランダ、スイスに行くことができた。北欧やフランス、ベルギーも訪れたかったが、コロナの影響で断念した。各国で様々な建築を見ることができ、特に印象に残った建築はケルンの Insel Hombroich である。非常の広大な土地の中に点在する建物に美術品が展示してあるが、そこには何も説明 などなく、各々が自身で読み取ることを意図された空間であった。美術館というと、展示空間でアートを見て、インプットし、時々 想像を膨らませるという半ば強制的に芸術にひたる という人工的なアート体験 だが、ここでは 自然と建築、芸術が一体となっており、自由にアート (この場所ではアートと建築の境界が薄いが)にひたることができた。

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

留学を通して身についたと感じるのは生きる力であると思っている。ベルリンで生活して感じたのは留学しにきても、特に何もしな かったら 時間は過ぎるということである。日本にいると何かしら成果が求められる生活を送っていたが、ベルリンではそんなことはなく、各々が自由に過ごしたいように過ごしており、特に何か言われるわけではない。そういう自由さがベルリンのいいところであると思っているが、それに甘えていいというわけではないとも 思った。何かしら自分ですることを決めなければ、無味な生活を送ることになる。自由というのは何をしてもいいということでもあり、何もしなくてもいいということでもある。 生きる力というのはただ海外で生き抜く力というわけではなく、やることを見つけてそれに向かって生きる力ということである。ベルリンの人はそういう力を持っていると感じた。

留学費用

  • 渡航費:往復約12万円
  • 住居費:月約3万円
  • 保険料:月約1.5 万円
  • 通信量:月約3千円
  • 奨学金:月8万円

留学先での住居

留学生専用の寮があり、申し込みは留学の約1ヶ月前にメールで案内が送られてくるので、それに返信した。4つの寮があり、第2希望まで出すことができた。シャワー、トイレ、キッチン共有の最も立地がいいものにした。他の寮はプライベート度が高いものだったが、立地が悪かった。
1フロアに24人住んでおり、2つのキッチン、3つのシャワー男女別のトイレを共有していた。

留学先での語学状況

ベルリン工科大学の建築は英語で開講されているものが多く、ドイツ語は必ずしも必須ではないが、中にはドイツ語で開講されているものもある。スーパーやレストランでは英語も通じるがドイツ語を話していた。ドイツ人の英語は非常に聞きやすかったので、英語にはあまり苦労しなかった。

単位認定(互換)、在学期間

単位認定を行う予定である。在学期間は実際にベルリンにいた期間が7ヶ月、日本でオンライン授業を受けていたのが4ヶ月。

就職活動

就職活動は帰国後に初め、夏のインターンに参加する予定である。

留学先で困ったこと(もしあれば)

留学先で大変困ったことはクレジットカードのスキミングにあったことである。日本から新しいカードが届くまでは、予備のプリペイド式のカードで過ごしたため、事前に作っておくことをお勧めする。

留学を希望する後輩へアドバイス

留学では起こることすべてが刺激的で、とても短く感じられた。旅行では感じられないことが必ずあると思うので、ぜひ留学することをお勧めする。

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