派遣交換留学 ミラノ工科大学 2016年10月1日~2017年2月28日

派遣交換留学 ミラノ工科大学 2016年10月1日~2017年2月28日

留学時の学年:
修士課程1年
東工大での所属:
理工学研究科 建築学専攻
留学先国:
イタリア共和国
留学先大学:
ミラノ工科大学
留学期間:
2016年10月1日~2017年2月28日
プログラム名:

留学先大学(機関)の概略

ミラノ工科大学は、ミラノ市内で唯一建築学部のある機関であり、その他デザイン学部、工学部を有する。キャンパスは全7つあり、ミラノにはうち2キャンパス(レオナルドキャンパス、ボヴィサキャンパス)存在する。

留学前の準備

私は、私費留学:2016年3月‐2016年9月、交換留学:2016年10月‐2017年2月だったため、帰ってきてすぐに就職活動、及び修士論文の準備に取り掛かる予定で留学しました。留学前は、留学終了後も見据えて気になる企業研究やOB訪問も行い、会社の雰囲気をつかみ、留学中にエントリーシートの下準備もしていました。

留学情報は、主に留学生交流課、過去留学をした先輩たちから入手していました。語学に関しては、留学半年ほど前から準備しており、特にリスニングに力を入れていました。特に一番手間がかかる準備は、留学先の部屋探しですが、私は運よく、私費留学のために必要な書類を作成している際に知り合った日伊翻訳家の方に紹介していただきました。

留学中の勉学・研究

留学前半は、スペインで活躍する建築家Ignacio Vicens y Hualde氏の 建築設計スタジオ(IC Advanced Architectural Design Studio) を履修していました。週2日のエスキース(スタジオでのディスカッション)と、月1の教授エスキース(個人面談)をしていただきながら、ワークを進めるやり方は日本とあまり変わりがありませんでしたが、日本と設計・空間の捉え方が全く異なっていたので、苦労もしましたし、また面白い部分でもありました。またはじめは英語で専門分野に関するディベートをするのに苦労しましたが、ワークを進めるにしたがって徐々に慣れていきました。作品自体は、3か月間かけてやる授業だったため、丁寧な作りこみができたと思っています。

後半は、建築保存スタジオ(Historical Architecture Preservation Studio)と、 建築材料に関する授業(Builiding Material)を履修していました。保存のスタジオでは、ワークショップのパートが3つに分かれており、それぞれ自国の建築保存制度の現状、自国の建築保存に関わる材料・技術の調査、ミラノ市内の歴史的建築での実測調査及び材料・保存改修の経緯の推察と改修方法の提案を行いました。日本とは異なる建築保存・改修や材料に関して学ぶことができたので非常にためになりました。また、建築材料に関する授業では、同じグループの学生がペルー出身だったということもあり、Adobe(日干し煉瓦)について調査し、プレゼンテーションを行いました。世界各国の建築材料の特性や事例を知ることができ、知識の幅を広げるという意味でよい授業だったと思います。

留学中に行った勉学・研究以外の活動

イタリア以外の国にも数ヶ所旅行しましたが、イタリアがとても好きだったため、旅行はほぼイタリア国内でした。40か所以上は回ったと思います。どの町も個性的でしたが、特に南イタリアが良かったです。

留学後半は、週に2回、3か月ほど、ミラノで活躍されているインテリアデザイナーさんのところでインターンシップをしていました。家具やアクセサリーをはじめ、展示会場の図面作成補助や模型作り等を行っていました。建築は空間を考える分野ですが、インテリアやアクセサリーは直接身体に触れるもので、常に人の身体の各部分を基準に考えるため、建築とはまた違った角度でデザインというものを知ることができるいい機会だったと思っています。

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

一番は語学だと思っています。はじめは自分が発言できないことに対して恥や、相手に対して申し訳なさを感じていましたが、だんだん、「理解してくれ!」と怒りのような、悔しいような感情を抱くようになり、そこからなんでもいいから話そう、という気になって、話すことに対する怯えがなくなっていったように思います。今でも完璧に話せるわけでは全くありませんが、とにかく話してみる、自分を表現してみることが大事なんだと思いました。また、帰国後に一番感じたのは、誰に対しても自分を素直に表現できるようになったことです。以前は(わざとではないのですが)人によって態度を変えたり、時には全く違う自分を演じたりすることがあったのですが、留学中に自分を素直に表現することが、仲良くなる一番の近道だということを自然に(?)身に着け、帰国後は誰に対しても怖気づくことなく、堂々とした態度で接することができるようになったと思います。

あとは、ヨーロッパと日本の違いを知り、日本がより一層好きになったというのも変わったことの一つだと思っています。

留学費用

渡航準備費用は航空券も含めて20万ほどかかりました。私の場合はパスポートの更新や、私費留学の手続き等にだいぶかかったと思います。住居はシェアハウス・一人部屋で月7万円(光熱費、wifi込)、その他食費・交通費・交際費等の生活費は月4,5万、旅行をした場合は月7,8万ほどかかっていました。日本学生支援機構から海外留学支援制度の奨学金(月8万)を受給、大学院生用の第一種奨学金(8万8千円)を借りていたので、生活に困ることはありませんでした。

留学先での住居

大学生向けの寮はありましたが、1部屋2人という形式が嫌だったため、申し込みをしませんでした。紹介してもらったアパートはシェアハウスでしたが、個室があり、自由に使えてよかったです。またルームメイト(大家さん)はイタリア人でしたが、日本語が堪能で、色々助けてもらいました。

留学先での語学状況

特になし。

単位認定(互換)、在学期間

留学中に取得した単位の認定(互換)は今後行う予定です。

就職活動

留学中にエントリーシートの下書き、自己分析を行っていました。ポートフォリオなど作っておくのもいいと思います。

留学先で困ったこと(もしあれば)

盗難被害にあった友人が多数いたため、自分にはないだろうと過信せず、常に注意しておく必要はあると思いました。日本のように暮らしていてはいけないと思います。また、イタリアは現地でvisaのほかに滞在許可証というものを申請する必要があるのですが、非常に手間と時間がかかり、覚悟しておいたほうが良いと思います。基本的にイタリア人は英語が苦手なので、イタリア語もある程度勉強しておいたほうが生活は楽しくなると思います。

留学を希望する後輩へアドバイス

留学は、かならず自分の将来に役に立つ経験だともいます。実際に経験してみないとわからないと思うので、少しでも気になっていたら、ぜひチャレンジしてみてください。

この体験談の留学・国際経験プログラム情報

他の関連する体験談