派遣交換留学 スイス連邦工科大学チューリッヒ校 2019年9月1日~2020年8月30日

派遣交換留学 スイス連邦工科大学チューリッヒ校 2019年9月1日~2020年8月30日

留学時の学年:
修士課程1年
東工大での所属:
工学院 電気電子系電気電子コース
留学先国:
スイス連邦
留学先大学:
スイス連邦工科大学チューリッヒ校
留学期間:
2019年9月1日~2020年8月30日
プログラム名:

留学先の概要

ETH ZurichのDepartment of Information Technology and Electrical

Engineeringに所属していた。スイスの最大都市チューリッヒに位置する理工系大学。2021年度のQS世界大学ランキングでは6位にランクインおり、アインシュタインの母校でもある。

留学の準備

研究活動・就職活動について

留学先で研究活動をするつもりがなかったため、1年間在学期間を延長する予定である。就職活動については、それに伴い1年遅れで帰国後に行う。

留学情報の入手方法

ビザに関しては、スイスでは入国後に取ることが可能。ただし、私はフィンランドの空港の入国審査でいちゃもんつけられたのでしっかり説明できるようにしておくと良い。

留学中の勉学・研究

私は研究活動をしなかったので講義のみ受講していた。一般的にETHの講義は東工大に比べて理論を重視するため、数学的な能力を求められる。単位を取得するのが非常に大変であり苦労した。ただ、TAによる手厚いアシストがあるので有効的に活用すると良い。

グループによるプロジェクトがある講義を積極的に取るようにした。語学力の差から中心になれない中でどのような役割を担うのかの練習になった。また、自分の意見を主張することを求められることがあり、いい経験であった。
帰国後はオンラインで講義の受講とグループワークを行なった。時差のせいで夜中に行われることもあり体力的に大変であった。

研究をせずに講義のみを取ることに抵抗がある方もいるかもしれないが、講義のみの留学生は結構いたので心配することはない。
結果については、後期に専門科目で単位を取れたことは成長と言える。

留学中に行った勉学・研究以外の活動

自分の部屋にいることが苦手なので、休日や試験休みはどこに行こうかと常に考えていた。
スイス国内外問わず、たくさん旅行をした。下の写真はイタリアのミラノに行った時のものであり、インテルというサッカーチームのサポーターに混ざった。

他には2週間ひとり旅をした。
運動については学校のジムを活用していた。サッカーやバレーボールなど多くのプログラムがあり、他の学部の学生とも交流できる機会であった。その中でも、Kondiというエクサイズにハマった。体育館に100人以上の学生が集まり、音楽に合わせて有酸素運動をするものである。毎日あるプログラムなので是非参加して欲しい。
チューリッヒ湖が好きすぎてほぼ毎日散歩していた。12時間かけて70キロを1周した。

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

精神的にタフになったと思う。日本で当たり前にできることでも海外ではどうしたらいいか分からないことはたくさんある。例えば、定期の作成や住民票の提出だけでも苦労する。それらを乗り越えるためには自分から動かざるを得ない。また、友人を作るためには積極的にイベントに参加したり、人に話しかけたりしないといけない。このような外的な障壁を少しずつ乗り越えていくにつれて、タフになり楽観的に構えることができるようになった。

また、自分の意見をはっきり言えるようになったと思う。グループワークでチームのメンバーに「これはやった方がいいかな?」と他の人の意見を聞こうとしたら、「君はどう思う?君の意見を聞かせてくれ。」と返された。このことをきっかけに自分の意見を述べることの必要性を学んだ。また、同じの寮の日本人と明け方まで日本のことや将来のことを話し合うことがあった。最初は自分より優秀なメンバーに対して、自分の意見を言うことに抵抗があった。しかし、自分の意見を受け入れてくれたことをきっかけに自分の意見を言えるようになり、議論できるようになった。

留学費用

渡航費

ヘルシンキ空港経由の往復便チケットを16万円で購入した。

住居費

部屋によって異なるが、私の部屋は月6万円であった。加えて、寮から学校までバスとトラムを使って40分くらいかかるので、定期代が月1万円くらいかかった。

食費

全体的に物価は高いが、学食(下の写真)やスーパーを利用すればうまくやりくりできる。
海外電圧に対応したミニ炊飯器を日本から持っていき、ご飯を炊いて食べていた。米はスーパーで手に入るので日本から持っていく必要はないと思う。
ドイツのスーパーまで肉を買いに行ったりもしていた。

保険料

東工大で保険に加入していたが、ETH指定の保険にも加入しなければならなかった。両方、月1万円程であった。

奨学金

JASSOより月8万円の奨学金を頂いていた。

その他の費用

携帯料金が7000円ほどであった。

留学先での住居

WOKOという団体が管理している寮を割り当てられる。申し込みについては、WOKOから連絡が来るので必要書類を提出すれば良い。私が滞在していた寮は3階建であり、キッチンや冷蔵庫を40人で共有していた。家具は備えつけられており、水道とトイレが部屋に完備されていたので快適であった。他に必要なものはIKEAに買いに行った。(下の写真)

フラットという同じ階に住んでいる10人程でキッチンやシャワーを共有する形式の寮もある。フラットの方が留学生との距離感が近いので仲良くなりやすいと感じた。WOKOに提出する書類に希望欄があるのでフラット希望などと書くと希望が通るかもしれない。

留学先での語学状況

チューリッヒはドイツ語圏ではあるが、英語が通じるので問題ない。もし、ドイツ語を学びたい場合は学期開始前に2週間の集中講義があるので、申し込むと良いと思う。私は申し込みが遅く、枠が埋まってしまったので早めの申し込みをお勧めする。

英語に関しては、派遣基準の英語力では不十分であると感じた。英語ができればもっと仲良くなれたなと思うので実践に近い英語力を磨いておくことはお勧めしたい。

単位認定(互換)、在学期間

私が受給していた奨学金は単位認定が必要であるので、今後行う予定である。在学期間は1年間延長する。

就職活動

1年間在学期間を延長する予定だったので、留学中は就職活動を行わなかった。 ただ、就活している日本人学生や海外の学生と話す中でキャリアの方向性が見えた。

留学先で困ったこと(もしあれば)

銀行口座の開設方法からコロナの流行まで困ったことはたくさんあった。困ったことがあったら、友人や留学生交流課の方々に相談すると良い。

留学を希望する後輩へアドバイス

結果的にコロナの影響により途中帰国してしまったが、チューリッヒに留学したことに後悔はない。それはこのタイミングでなければ出会えない人と出会えたからである。帰国直前に彼らと集まって余った食料を食べたり、最後の景色を楽しむためにハイキングに行ったのもいい思い出である。

途中帰国を通じて「何が起こるかわからない」を体験した中で後悔しない決断をすることが大切だと感じた。留学をするか迷っている人は自分の決断に後悔しないようにして欲しい。留学が決まっている人はいつ帰国するか分からないという気持ちを持ちながら日々過ごして欲しい。
相談したいことがある場合は是非、個人的に連絡をください。

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