派遣交換留学 ウィーン工科大学 2019年3月~2020年2月

派遣交換留学 ウィーン工科大学 2019年3月~2020年2月

留学時の学年:
修士課程2年
東工大での所属:
環境・社会理工学院 建築学系
留学先国:
オーストリア共和国
留学先大学:
ウィーン工科大学
留学期間:
2019年3月~2020年2月
プログラム名:

留学先大学(機関)の概略

ウィーン工科大学は1815年にオーストリアの首都、ウィーンに設立された歴史ある国立大学であり、大学には8つの学部が置かれている。

留学前の準備

1年前

就職時期や取得単位、卒業時期などの兼ね合いから留学を視野に入れ、出願校を決定。同時に奨学金の受給を希望する場合はそちらの必要書類や面接準備も合わせて行う。

半年前

正式に派遣交換留学が決まったら、まず現地での住居を決定する。さらにビザ取得必要性の有無、ビザ取得が必要な場合そのための必要書類などをしっかりと調べておく。

1〜2ヶ月前

日本人がオーストリアに6ヶ月以上滞在する場合、ビザの取得が義務付けられている。そのために必要な書類(無犯罪証明書や戸籍抄本)の準備に追われた。さらには、感染症対策のためワクチン接種や語学学習・現地での連絡手段の確立などやるべきことは多いように思う。

留学中の勉強・研究

ウィーン工科大学では授業に登録し、現地での設計スタジオを受講した。この授業はドイツ語で開講されていたが、教授との週2回の設計打ち合わせとプレゼンテーションは英語でコミュニケーションをとることが許されていたため語学面での心配はさほど大きくなかった。この課題ではイタリアのトリエステという港湾都市を敷地とし、その一帯の再開発を行った。東工大では受講する学生全員で敷地調査をこれほどしっかりと行うことはなかったためかなりリサーチ部分を重視しているように感じた。最終的には数回の中間発表を通して、自分の設計案を図面と模型として提出し、一定の評価を得ることができた。ただ模型製作のための材料の調達など、ドイツ語の専門的な単語を駆使することは難しく苦心した。



留学中に行った勉学・研究以外の活動

毎週水曜日にウィーンに留学している日本人学生とウィーン大学の日本語科の学生が集まり勉強会が開かれており、そこで日本とオーストリアの文化の違いなどを議論する機会が多く大変貴重な経験になった。また、彼らからドイツ語を教えてもらいこちらは日本語を教えるといった語学面での交流も多かった。そのうちの何人かは現在日本に留学しており、これからも関係が続いていきそうで楽しみである。さらにウィーンには音楽留学をしている学生も多く、ピアノ・声楽・バレエなど普段あまり交わることの分野を学んでいる同世代との出会いもあった。同じ芸術というくくりで語れるが異なる分野を専攻している彼らからの気づきも多かった。

また、この機会になるべく多くの建築をしっかりと見ておきたいという思いから、旅行も積極的に行った。東工大から留学している同期たちと訪れたモロッコでは砂漠を訪れ、少数民族のテントに宿泊するなど忘れられない体験となった。

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

ビザの取得や大学での授業など、苦労した出来事は多かったがウィーンでの生活では何か困ったことがあっても身近で助けてくれる友人がいた。しかし何度か行った一人旅では旅先でのトラブルなどに自分で対処しなくてはならずコミュニケーション能力なども含めて大いに鍛えられた。留学終盤の1月に一人旅を行った際、たんたんと一つ一つ 建築を訪れ消化していっている自分に気づき1年間での成長を実感した。

留学費用

奨学金はトビタテ!留学JAPANに応募し事前準備金として25万円、月々16万円を受け取っていた。渡航費は往復15万円ほど、家賃は月6万円ほど、総額では250万円ほどかかったと思う。

留学先での住居

留学先では2回引越しをおこない、3つの住居に居住した。

3月〜6月

ウィーンで学生寮 とアパートの2種類の住戸タイプを経験したいと思い、ひとまず6月までは学生寮に応募した。日本からネットを通じて申し込み、前金なども全て日本から送金した。部屋はキッチン共有。

7月〜8月

到着後すぐに6月以降の アパートを探したが、なかなか見つからず東工大から留学していた友人にアパートを紹介してもらい9月からの契約を結んだ。

その間の2ヶ月間は6月以前に住んでいた学生寮を運営する会社に別の寮を紹介していただき、そちらに移った。完全個室。

9月〜2月

シェアハウスに移り、ルームメート3人と共同で生活を行った。私にとっては初めての経験でルームメートに彼ら母国の食事を作って貰うなど大変貴重な経験となった。キッチン・水回りが共有。

今回3つの住居に住み様々な経験ができたことは自分にとってプラスになった。ただ、最初の学生寮の契約を6月までとし、その後の住まいが決まっていなかったため、ビザ取得のために必要な住居証明書がなかなか手に入らず苦労することもあった。

留学先での語学状況

留学先の授業は基本的にドイツ語で行われており、留学生向けに英語の授業も開講されている。自分の受けたい授業を受講し、その内容をしっかりと把握するためにはドイツ語の習得が望ましい。しかし、都市部においては英語がほぼ通じるため、日常生活で困ることはほとんどない。1年間生活すると基本的なドイツ語の日常会話などはある程度問題なくこなせるようになった。

単位認定(互換)、在学期間

単位互換は行わない。また、在学期間を1年延長した。

就職活動

昨年末に一時帰国し、就職活動を行った。留学先ではそのための準備に多少の時間を費やした。帰国後はこのあと1年かけて修士論文を執筆し2021年3月に卒業予定。

留学先で困ったこと(もしあれば)

特になし

留学を希望する後輩へアドバイス

少しでも迷っているなら留学しましょう!!

充実した留学制度や奨学金制度、留学生交流課の方々の手厚いサポートもあり意志さえあれば留学できる状況が整っています。海外で研究を行うことはもちろん、異国の地で生活をすることで、これまでに気づかなかった新しい価値観にも出会えます。私にとってこの1年間は、間違いなくこれまでで一番充実した1年間でした。

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