派遣交換留学 ソウル国立大学 2021年9月1日~2022年2月28日

派遣交換留学 ソウル国立大学 2021年9月1日~2022年2月28日

留学時の学年:
修士課程1年
東工大での所属:
工学院 機械系 ライフエンジニアリングコース
留学先国:
大韓民国
留学先大学:
ソウル国立大学
留学期間:
2021年9月1日~2022年2月28日
プログラム名:

留学先大学(機関)の概略

ソウル国立大学(ソウル大学校・SNU)は韓国トップの国立大学であり、音楽学部やデザイン学部なども備えた総合大学です。キャンパスは、山手線のようにソウル内をまわる循環線である地下鉄2号線沿いに位置しており、路線バスも通るほど広大です。

留学前の準備

学部を3年半で早期卒業し、修士1年の春からの留学を予定していましたが、コロナの影響で学部4年卒業、修士1年の秋留学となりました。修士の3年卒業にすることも視野に入れていたため、1月の修士論文中間報告会に合わせて帰国するのかどうかは決めず出国し、結果的にビザいっぱい韓国に滞在し、卒業を延ばすことにしました。渡航許可が出国1か月ほど前に出たことと、コロナでイレギュラーなことが多く、出国直前はビザ、航空券、隔離先の確保、出国前PCR検査の日程調整で苦労しました。ビザ発行に3週間かかったり(通常は5日ほど)、フライトが毎日なかったりなど、考慮しなければならないことが多かったです。ビザ取得に必要な書類についても、確実な情報がネットになく、万全を期して考えうる全てを持って臨みましたが、その8割ほどは一瞬で返されました。今回の留学では、英語とともに韓国語も習得したかったため、出発の半年ほど前から勉強を始めました。韓国語能力検定を4月に受け、TOPIK2級を取得しました。留学中は思ったように時間が取れないため、日本で勉強しておいて良かったです。

留学中の勉学・研究

自分の研究分野に近いドラッグデリバリーシステムと組織工学に関する授業と、中級韓国語の授業を履修しました。どちらもコロナのためオンラインでの開講で、週に2回ずつ授業がありました。専門科目の授業は、それぞれの分野のコンセプトを学び、今現在行われている研究を紹介するという形式でした。東工大でドラッグデリバリーシステムの研究をしていますが、研究室に所属してから興味を持ち自分で勉強しながら研究を進めていたため、この機会に体系的に学ぶことで知識の整理ができました。韓国語の授業は、日本で勉強を始めていたため、クラス分けテストの結果で中級を履修することができました。小グループに分かれてのワークや会話練習、先生の工夫ある授業で、教科書的でない韓国語を学ぶことができ良かったです。習った文法は、友人との会話の中で使うようにしてアウトプットをするよう意識しました。韓国の大学は、10月ごろに中間試験、12月に期末試験があります。試験前のキャンパスは、24時間開館の図書館や各学科の建物、カフェで勉強する学生であふれていて、韓国の学生の高いモチベーションを感じました。そういった場所に行って勉強するようにしていました。

留学中に行った勉学・研究以外の活動

ソウル国立大学にはSNUBuddyと言われる団体があり、ソウル国立大生1人に対して交換留学生4~5人が1グループとなり、それがまたいくつか集まったグループで、韓国の文化体験や留学生同士の交流を行います。そこで出会った友人たちとご飯を食べに行ったり、チェジュやプサンに旅行に行ったりしました。ソウルには、美味しいご飯屋さんやおしゃれなカフェ、かわいい洋服屋さんがたくさんあって楽しいです。

チゲ
チゲ

ポックンパ
ポックンパ

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

学部2年の春休みに超短期派遣でシアトルに行ったとき、自分の思ったことを英語で伝えられず、結局日本語に逃げてしまったり、英語で会話することをためらってしまったりした経験がありました。それ以降タンデム制度の活用などをしながら、主に会話力の向上のため努力してきましたが、韓国で交換留学生たちと交流してみて、自分の英語力の足りなさに再度直面し焦りを感じました。しかし、こんなに英語を使える環境は今しかない、全ての会話が自分の英語力向上につながる、と考え、とにかく人と会って会話をすることに決めました。結果、12月ころから、英語と韓国語が上手になったと言われるようになり、自分でも会話しながらその成長を感じるようになりました。また、積極的に人との交流をしたことで、本当に様々な出会いがあり、今まで日本にいたら知らなかったこと、気付かなかったことを多く学びました。新しい考え方、価値観に触れ視野が広がり、物事を様々な側面から見られるようになったと思います。

留学費用

渡航費:1万円
寮賃:2万円/月
保険料:9万円/月
生活費:5万円/月
交通費:7000円/月
通信費:3500円/月
その他:交際費、旅費、洋服代など

JASSOの留学奨学金が受給できそうでしたが、コロナで9か月以上の留学のみ支給対象となり応募ができませんでした。JASSOの貸与奨学金と自分の貯金で乗り切りました。

留学先での住居

寮の申し込みをしましたが、空きが出ず、住む場所を決めないまま出国しました。ホテルでの隔離2週間の間にも追加受入の発表があったため、そこでの受入を期待していましたが順番は回らず、隔離先のホテルで出会った友人と同じ場所に住むことを決めました。1か月経った頃に受入が決まり、寮に移りました。2人1部屋トイレとシャワー付きで1月2万円ほどで格安でした。キャンパス内にあり、ソウル大入口駅の隣り、ナクソンデ駅からバスで10分ほどです。床暖房のおかげで、韓国の寒い冬でも室内では半袖で過ごせたので、とても快適でした。

留学先での語学状況

学部時代から派遣交換留学に行きたいと考えていたので、そのときに勉強して受験しておいたTOEFL ITPの点数で学内応募に出願できました。英語で開講された専門科目の授業は、東工大の大学院授業と似たような感じだったため、全く分からないという状況にはなりませんでしたが、初めての英語でのテストで、設問の理解と英語での回答は難しかったです。韓国語の授業は全て韓国語で行われましたが、事前に日本で勉強を始めていたため、ついていくことができました。生活では韓国語が絶対必要です。韓国語が全く分からない交換留学生がほとんどでしたが、街中でのハングル表記や、ちょっとした店員さんとの会話で苦労しているようでした。少しでも話せると、生活が楽になることはもちろん、韓国人との距離も縮まり、新しい出会いも生まれるため、現地語習得はおすすめです。

単位認定(互換)、在学期間

互換は行わない予定で、在学期間を1年延ばします。

就職活動

在学期間を1年延ばしたので、今後徐々に始めていきたいです。

留学先で困ったこと(もしあれば)

韓国はPM2.5による大気汚染がひどく、年末にそれ由来の風邪を引きました。コロナでなくとも、対策としてマスクが重要です。コロナの感染者経路を把握するため、どこのお店でもQRコードによる入店記録をする必要があります。QRコードには外国人登録番号を紐付ける必要があるのですが、その発行まで2か月ほどかかり、それまでは毎回手書きで記入していました。また、その番号と韓国のカードがないとオンライン上での決済ができず、外国人登録証と韓国の銀行口座を持つまでは不便なことが多かったです。

留学を希望する後輩へアドバイス

留学準備は大変ですが、留学先で出会った人々、得た体験は何にも代えがたいです。今しかない学生の時間を活用して、様々な経験をする機会を得てほしいと思います!

この体験談の留学・国際経験プログラム情報

他の関連する体験談