派遣交換留学 シュツットガルト大学 2021年9月1日~2022年2月28日

派遣交換留学 シュツットガルト大学 2021年9月1日~2022年2月28日

留学時の学年:
修士課程1年
東工大での所属:
工学院システム制御系システム制御コース
留学先国:
ドイツ
留学先大学:
シュツットガルト大学
留学期間:
2021年9月1日~2022年2月28日
プログラム名:

留学先大学(機関)の概略

ドイツ南部のBaden Württemberg 州の州都シュツットガルトにある大学。キャンパスは2つに分かれており、文系や一部の理系学科は中央駅近くのキャンパスを利用する。他の大半の理系学科は、中央駅から4駅(15分程度)のところにある郊外 Vaihingenのキャンパスを利用する。Vaihingen キャンパスは広大な森の隣にあり、キャンパス内に学生寮もある。
留学生全体では、ヨーロッパ、南米、中国、インドからが多く、日本人や韓国人は希少であった。私の所属していた研究所では、20人程度のメンバーのうちドイツ人がほぼ全てだった。

Stuttgart University

Stuttgart University

留学前の準備

留学計画

修士1年の8/31から2/28まで。書面上では2/28までだったが、後に記述するResidence permitを3/31までもらえたので旅行してから帰った。実際の帰国日は3/20。

就職活動 ・修士論文

就職活動に関しては夏インターンに10社程度応募。その中で一社だけ受かったため、そこの早期選考だけ留学期間中に取り組むと決めた。それ以外は帰ってからやろうと思っていた。

修士論文に関しては私の場合は卒業を伸ばさずに修了する予定だったので帰ってからやることに教授と相談して決めた。
卒業年度や修士論文といったこの辺の兼ね合いは教授との密な連携が必要になると思う。

情報収集

研究室の教授と仲の良い教授の元への留学だったので情報収集は簡単だった。昔、日本で博士を取り今はシュツットガルトに住んでいる知り合いを紹介してもらったので、その人に到着初日に寮まで案内してもらった。

留学先の研究室

前述のように留学先の研究所とは元々繋がりがあったのでメールでアプライしたら快く承諾していただいた。
ISYSという研究所に所属させてもらったが自分以外はドイツ人しかいなかった。
キャンパスとは完全に違う場所にあり敷地の広い研究室と、郊外にある巨大な実験室の両方を案内してもらった。しかし、コロナ禍だったというのもあり、研究室にはほとんど行かなかった。

滞在許可証取得

日本人はビザなしでドイツに90日まで滞在できるので,ドイツ到着後に現地でResidence permit取得の手続きをする。コロナ禍だったのでメールで事前にすべての書類を送り、アポイントを取った。9月の2週目にメールを送って実際に行けたのは11/5。これでも他の州に比べれば早い方らしく、人によっては半年間滞在許可証がもらえない人もいた。これがもらえないと海外旅行には行けないため、早急に取る必要がある。

奨学金

「トビタテ!留学JAPAN 」の奨学金に応募し、合格したが突然の期間制約(9ヶ月以上じゃないともらえない)により辞退。
そのため、シュツットガルト大学のあるBaden Württemberg 州の Baden Württemberg Stipendiumという奨学金をもらっていた。
この奨学金は派遣交換留学の担当の方から紹介していただいた。通過しやすい奨学金だと思うので、他が落ちたときの保険として応募しておいた方が良いと思う。

留学中の勉学・研究

授業

セメスターは10月の2週目あたりから始まるが、その一ヶ月前からドイツ語集中学習コースがあり、ドイツ語が高いレベルではない留学生はこのコースを受講しないといけない。このコースの中で、様々な国から来た留学生と知り合うことができた。最終的に特に仲良くしていた友達の1人もこのコースで知り合った。平日毎日5時間なのでなかなかハードだった。
同じメンバーと通期コースも受講した。これは週一回3時間なのでだいぶ楽になった。
専門科目は東工大の単位的にも足りていた+奨学金の必要単位も足りていた訳もあって履修しなかった。

研究

最初にやろうとしていた研究がコロナ禍での半導体不足の影響で中止になったため、2月初旬ごろにバタバタで新しい研究テーマを博士課程の方に振ってもらった。この博士課程の方には感謝しかない。週一回博士課程の方とミーティングしながら進めた。
東工大での研究とそこまで近くない分野だったため専門の知識に関してはわからないこともあった。しかし、プログラミングをメインにする研究テーマだったため、自分で調べながら博士課程の方に相談しながら何とか終えた。論文執筆・プレゼンテーションははしていない。成果はコードとスライドの提出で測られ、単位ももらえた。

単位

集中コース6ECTS、通期コース3ECTS、 研究6ECTSの計15ECTSを取得した。前述のBW奨学金をもらうためには12ECTSが必要だったので基準を無事満たせた。

留学中に行った勉学・研究以外の活動

ほぼ毎週末そして、研究・授業が全てオンラインでできたため、平日もたまに使いながらヨーロッパ各国を旅行した。合計17カ国を旅行し、周りからはcrazyと言われることも多かった。
他にも卓球のクラスを向こうで出来た友達と一緒に30€程度払って受講した。ガチの人もいれば緩く参加している人もいた。ドイツには公園や寮に卓球台が設置されているのでクラス以外の時間でも卓球をして楽しんだ。多いときは週4回卓球をしていた。

ベンツミュージアム
ベンツミュージアム

中央駅
中央駅

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

最初は留学に来たということでいろいろな国の人たちと親しくなろうとしていたが、最終的に自分と話が合う人が自然と絞られた。日本でもすべての人と親密なわけではないのと同様に、自分に合う人と親しくすれば良いのだとわかった。なんだかんだヨーロッパの人はヨーロッパで固まりがち(Erusmusというヨーロッパ内での交換留学制度があるのでそのグループで常に一緒にいる)というのも私の大学では多く見られたが、他の大学に留学してる日本人の話を聞くとそうでもなかったりするので、その辺はうまく適応していく必要がある。
韓国、台湾の人とはコンテクストの共通性が高く、話がとても合う。特に韓国とは国際的にはあまり仲良くなかったりもするが、最も境遇が近い国同士なので色々助けてもらえたし、将来についての話も盛り上がった。

留学費用

固定費
・航空券:往復 約 17万円 (ANA)
コロナ禍で大学から直行便を取れとのお達しがあったため念の為そうした。直前で行けるようになったためなかなか安い航空券を取るのは難しかったが、往復で取るとこの程度の金額で抑えられた。
 ・家賃:学生寮 274 €/月
 ・海外保険: 東工大指定の保険(動産保証付き) 約11,000円/月
 ・医療保険:ドイツの医療保険に入っていないと学生登録ができないので加入.大学斡旋のTKを選んだ.111€/月
 ・ドイツ語集中コース授業料:250€

細かい金額は計算したくないが合計でかかった費用は115万円(日本で負担した代替の額)+4,250€(奨学金総量) - 60€(最後に残った額)= 160万円程度だと思う。旅行に行きまくったためこの金額だが、そこまで行かなければ100万円程度で過ごせると思う。

留学先での住居

Vaihingenキャンパス内の学生寮に住んでいた。Stuttgart 大学だけでなく周辺の他の大学の人たちもここに住んでいる。シュツットガルトの家賃相場を詳しくは覚えてないが、ミュンヘンと並ぶドイツ国内でも家賃が高い地域なので、絶対に寮に入った方が良い。寮に入れない場合、かなり厳しい結末が待っている。
学生寮の申し込みは渡航前に大学からの案内通りに行った。初月家賃と敷金(計700€)を先に送金して支払った。
寮のタイプとしては、キッチンなどのリビング、トイレ、シャワー共用で各個人の個室があるタイプの所謂ドイツ語でのWGである。10人で一つのキッチンをシェアした。寮の外観が本当にお洒落で、生活自体は何不自由なく暮らせた。
私はAllmandring Iという場所に住んでいたが可能ならAllmandring 2,3,4もしくはStraussiに住んだ方がいい。多少家賃は高くなるが300€程度で住め、生活の質が確実に上がる。
具体的には綺麗なキッチン、シェアする人数の低下が見込める。

寮の様子
寮の様子

寮のランドリー
寮のランドリー

留学先での語学状況

留学前

学部2年生に混じってドイツ語初級の授業をとった。この授業のおかげでドイツに行ってからのドイツ語の授業が格段に楽になったのでオススメしたい。

留学中

研究室では英語を使っていたし、日常生活もほぼ英語で問題なかった。そのためドイツ語を勉強するモチベーションが上がらなかった。
とはいえ、ケバブ屋台、スーパー、レストラン、ベーカリーなどではドイツ語しか通じない人もいるのでその辺のドイツ語は覚えた方がいい。
ヨーロッパの留学生は英語が達者な人が多かった。
また、ドイツ語の発音がはっきりしているためか、ドイツ人の英語は 聞き取りやすいと思う。

単位認定(互換)、在学期間

システム制御系では専門科目の必修を海外での研究に置き換えられるかもしれないのでそれの手続きを教授と行っている。
ドイツ語コースは置き換えられるかわからないが、相談してみようと思う。
東工大の在学期間は変えていない(修士2年で卒業予定)。

就職活動

夏インターンからの早期選考の会社に絞って対策し、オンライン面接を2回受けた。11月に内定をもらえたためそこで終えた。本当は帰ってからもやろうと思っていたが、そこそこ本命の企業だったため納得した形で終えた。

留学先で困ったこと

気候

ドイツの冬は長く、基本的にずっと曇か小雨か雪 であったので日照不足を感じた。特に10月から寒いので10,11月は日本との差を大きく感じる。逆に1,2月は日本と同程度の寒さなのでそこまで問題はない。北欧では日照不足で鬱になる人が多いと聞くが、ドイツでも気分が沈むと思った。

騒音

自分の寮ではインド人がうるさかった。これに関しては本当に運なのでもうどうしようもない。
寮のFacebookグループがあるのだが、そこでも警察を呼ぶ呼ばないで揉めていることもあり、パーティ含めた騒音に対する意識は人によって違うことを再認識した。

留学を希望する後輩へアドバイス

派遣交換もいいと思いますが修士2年間正規留学もいいと思います。いずれにせよ、多くの困難があることは間違いないですが、一つずつ乗り越えれば大丈夫です。
留学中にブログを書いていたのでよかったら参考にしてください。手続き等の助けになれば幸いです。

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