派遣交換留学 ミュンヘン工科大学 2022年10月4日~2023年8月20日

派遣交換留学 ミュンヘン工科大学 2022年10月4日~2023年8月20日

留学時の学年:
修士1年
東工大での所属:
工学院 経営工学コース
留学先国:
ドイツ
留学先大学:
ミュンヘン工科大学
留学期間:
2022年10月4日~2023年8月20日
プログラム名:

留学先大学(機関)の概略

ミュンヘン工科大学(Techniche Universität München)TUMと呼ばれる。
ノーベル賞受賞者を19人輩出しておりヨーロッパ工科系大学でもトップクラスの名門校。2023年QS世界大学ランキングで49位(ドイツ国内では1位)キャンパスは3つありMünchen・Garching bei München・Weihenstephan/Freisingに位置している。

留学前の準備

就職活動、修士・博士論文などとの兼ね合いを含め、修了までの計画をどう立てたか

留学を計画するにあたって考慮することは2つありました。就職活動と修士論文の完成です。
前者については留学中にオンラインで選考ステップに参加できると考えていました。私の留学期間である2022年10月から2023年8月までは、まだオンラインでの面接が主流で一部のインターンシップもオンラインで行われていました。留学を計画した2021年12月ごろにオンラインでの就活が翌年も継続すると予想していたので就活には柔軟に対応することができました。
後者については教授と相談して調整しました。留学前までに研究テーマの決定と実証分析のためのデータ構築まで終わらせ、帰国後理論の深掘りと分析のブラッシュアップに努める計画を立てました。留学中は授業やセミナーに追われて自分の研究はできませんでしたがSemester Breakの間は時間を見つけて論文のリサーチを行っていました。

その他

FLAPを活用して既にTUMに留学した先輩から体験談などを聞いて情報収集しました。

留学中の勉学・研究

Winter Semester

●Asset Management
ポートフォリオ理論について学ぶ講義
LectureとExerciseに分かれており、ExerciseではExcelを使って演習を行う。
理論について証明も含めて丁寧に説明を受けることができ勉強になった。
最終回の講義ではAllianzからポートフォリオマネージャーを招いて講義が行われ直近での市場環境をベースにポートフォリオ選択を行う難しさなど実務家の意見を知ることができた。

●Private Equity
ヨーロッパを拠点に活動しているPEファンドから講師を集めてPE投資について学ぶ講義
各回で異なる実務家が登壇し各ファンドの特徴や理論と実務の違い・PE投資の今後の展望について講義が行われた。
ExerciseではExcelを使って買収企業と対象企業の財務諸表をもとに買収後の財務バランスや予想パフォーマンスの計算し投資を評価する演習を行なった。

●English Conversation
英語のスピーキングの講義
参加者は全員留学生で各回にトピックが与えられてそれについてグループで話す。テーマはドイツでの生活や最新テクノロジーや政治など多岐に渡る。

Summer Semester

●Advanced Seminar in Finace and Accounting:Empirical Asset Pricing
このセミナーは2つに分かれており、前半の3週間はLectutre形式でファクター投資について学び、後半はグループに分かれてファクター投資を活用したルールベースの取引戦略の構築する課題に取り組んで発表用スライドと論文を完成させた。
6月末から毎日大学に行き深夜までメンバーで取り組んできて本当に大変だったのですが自分の本当にやりたいことだったのでやりがいを感じました。留学終了間近の時に留学前から考えていた本当にやりたいことを叶えられて本当に嬉しかったです。
●Derivative
デリバティブについて学ぶ講義
先物・スワップ・オプションの順番で勉強していく。
オプションは数理モデルの説明を受けて勉強するため難しくはなかったが先物やスワップや金利や利払い頻度の種類別で裁定価格を算出する演習があり非常に難しかった。
●International Capital Financial Practice
国際投資をベースに投資活動について勉強する講義
他国への投資を考える際にリターンの計算手法やβの理論モデルなどを勉強する。ICAPMの理論モデルの変遷や効率的市場仮説の最新研究のリサーチなど自分の研究テーマに重なる内容を学ぶことができた。

TUMでの講義は内容的にどれも難しく試験勉強は大変でしたが勉強になることがたくさんありました。基本的に成績は全て試験のみで決まるので試験1週間前は特に緊張しました。
Winter Semesterでは1月にコロナに罹ってしまい2月の試験では満足いく結果を得ることができなかったのですが、Summer Semesterでは体調を万全に後悔なく勉強することができ望んで結果を得ることができました。

留学中に行った勉学・研究以外の活動

12月にはオーストリアにスキーに行きました。Ski GaudiというTUMとLMUの学生を中心にした学生団体が主催するスキーイベントに参加し四泊五日でスキー漬けの日々を送りました。ドイツやオーストリアの学生は子供の頃からスキーに慣れ親しんでいたのでスキーの技術も非常に上手でした。私もポール練習に参加してGSとSLを滑ってきました。
旅行はヨーロッパの主要都市へはほとんど全て旅行したと思います。パリ・ロンドン・プラハ・ローマ・アムステルダム・ベルリンなどSemester Breakや土日を使って旅行しました。



留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

成長を感じた瞬間は2つあります。
1つ目はコロナに罹患した時の出来事です。年明けの1月初旬に高熱と喉の痛みを感じた時、コロナになったと自覚しました。その時にパニックになることなく冷静に誰に連絡を取ることが必要か確認したり、ドイツ人でバディの友人にドイツでコロナに罹った時の療養法を聞いたり、日本人の友人に薬や食べ物を買ってきてもらう連絡を頼みました。後になって考えると熱に苦しみながらも冷静にパニックになること無くその時の自分に必要なことを淡々と進めることができていたので成長を感じました。ドイツに到着した時から寮の手続きや保険の加入・ビザの申請などで物事がうまくいかないことに耐性が既についていたのでコロナに罹っても冷静に対応することができました。
2つ目はSeminarでのグループワークの立ち振る舞いです。Summer Semesterで参加したSeminarでは自分以外全員、中国人のグループで課題に取り組みました。ここでは自分の考えている専門分野について英語で説明することができ成長を感じました。留学前に「自分の専門分野について英語で話せるようになる」、という目標を立てていたのでファイナンスについて自分の考え方をチームメンバーに伝えて彼らとのディスカッションを通して分析を行いました。最終的にはスライド発表とAcademic Paperを完成させたときに英語力や専門分野での知識や経験の獲得を感じたほかに、自分のやりたいと思っていたことが達成できたことにやりがいを感じました。これまでの大学生活で一番成長を感じることができました。

留学費用

渡航費:行きはカタール航空、成田発ドーハ経由で120,000程度
ドイツにおいて学生ビザを取得するためには生活費等のために十分な資金を有していることを証明しなくてはならないです。私が留学した際は1ヶ月あたり934ユーロ以上を滞在月分、閉鎖口座に入金する必要がある。私はこの934ユーロと奨学金から食費や旅行費を捻出した。
住居費:OlympiadorfというU3 Olympiazentrum駅にある学生寮に居住した。金額は3ヶ月ごとに1,100ユーロ前後(月によって100ユーロ程度変動する)
保険料:ドイツでは滞在するために公的保険に加入することが義務付けられているため加入した。(留学課から指定されたAIGの保険とは別にドイツでも加入した) 私はDAKという保険会社を選択した。1ヶ月に124ユーロかかる。(どの保険会社を選んでも公的保険の価格はほとんど変わらない)
奨学金:JASSOから月80,000円支給して頂いた。日本の銀行に入金され、ドイツでは必要に応じてデビットカードで支払った。

留学先での住居

U3 Olympiazentrum駅にあるOlympiadorfという寮に居住した。申し込み方法は9月頃に入金方法や契約書などがメールで送られてくる。入金は最初の3ヶ月は日本からWiseを利用して入金し、それ以降の月は閉鎖口座からの入金を受け取るドイツ銀行の口座から入金した。
部屋は1人部屋で1K。生活には困らない程度に広い。

留学先での語学状況

授業は全て英語で行われた。
生活ではスーパーや郵便局・外国人局ではドイツ語を利用しました。
留学前のTOEFLの点数は67点だったので最初の2,3ヶ月はSpeakingに苦労しました。

単位認定(互換)、在学期間

私は留学前に修士課程終了要件の単位数を講究以外取り切っていたので単位互換は行わない予定です。
在学期間は1年間延長しました

就職活動

留学中に就職活動も同時に行いました。私は志望する業界が決まっていたので選考に参加した企業数は15社程度でした。面接は全てオンラインで受け面接官に留学中であることや帰国予定の時期などを正直に全て伝えました。自分の状況を正直に伝え企業への熱意を素直に話すことで現地でのGDや最終面接などを免除されオンラインでの参加を許してもらえました。結果として志望する企業から内定をいただけたので留学と就活は両立できると思います。

留学先で困ったこと

一番困ったことはコロナに罹ったことです。異国の地で病気にかかると日本にいる時よりもストレスを感じたので精神的にも大変でした。

留学を希望する後輩へアドバイス

留学中は予期していなかったトラブルが頻発するので日頃から多くの知り合いを作っておくことが大切だと思います。日々のコミュニケーションが楽しくなるほかに万が一の時にお互いを頼ることができるので留学中はできるだけ多くの人と繋がっておくと良いと思います。

この体験談の留学・国際経験プログラム情報

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