Summer Exchange Research Program (SERP) ケンブリッジ大学 2023年7月~9月

留学時の学年:
博士3年
東工大での所属:
工学院 システム制御系
留学先国:
英国
留学先大学:
ケンブリッジ大学
留学期間:
2023年07月03日~2023年09月29日
プログラム名:

派遣大学の概要

図1 ケンブリッジ大学 キングス・カレッジ
図1 ケンブリッジ大学 キングス・カレッジ


ケンブリッジ大学は、イギリスのケンブリッジに位置し、1209 年に創立された世界屈指の歴史と伝統を持つ大学です。学問の自由と研究の優秀さで知られ、31 のカレッジと 150 以上の学部、研究所から成る広大な教育機関です。

留学準備

図2 「Castle Street」学生 Studio
図2 「Castle Street」学生 Studio


【ビザについて】
中国出身であり、イギリスの ATAS(Academic Technology Approval Scheme)の審査がビザ申請の前提条件としてなっています(日本の方に対して不要です)。自分の経歴や専門に関して詳細に記入することが重要です。審査は2~3週間ぐらいかかりますので(ビザ申請より全然時間がかかります)、前もって準備したほうが良いでしょう。ビザの申請過程も手間がかかりましたが、必要な文書(カバーレターを含み)の準備と手続きは計画的に進めました。資料提出後、一週間でビザ申請が通り、パスポートが返還されます。
【住居ほか】
現地の支払い方法として、日本とは違って、現金はほぼ使われていなく、Contact less の Visa カードがメインになります。バスやロンドンの地下鉄でも、Visa カードそのままでチケット購入せず乗れます。住居に関して、学生寮などが 1 年間が基本ですので、三か月だけになりますのでちょっと困っていましたが、中国の「小紅書」というオンラインコミュニティを活用して、イギリスを離れる予定の学生から学生 Studio の宿泊施設を引き継ぐ形で、とりあえず 2 か月住居を確保することができました。最後の一か月は、AirBnB の民宿で何とかしました。

所属研究室での研究概要とその経過や成果、課題など

コンピュータグラフィックスとコンピュータビジョンの分野において「 Differentiable Depth-of-Field Splatting for Self-supervised Focal Stack Merging and Depth-from-Defocus」というテーマで研究を行いました。この 3 ヶ月間で合成データセットの生成、実世界データセットの取集、ネットワークのデザインとその実装、学習、テストまでを行い、複数の成果を上げることができました。しかしながら、一部の実験や手法の改良はまだ残っており、日本に帰国してからもリモートでの研究を継続しています。

所属研究室内外の活動・体験

図3 コンピューターラボ
図3 コンピューターラボ

図4 研究室の内部にある自分の席
図4 研究室の内部にある自分の席

図5 ケンブリッジのパブ
図5 ケンブリッジのパブ

図6 ブライトンの崖
図6 ブライトンの崖

研究以外にも充実した経験ができました。週末は研究室の同僚とパブで食事を楽しみ、親睦を深めました。また、イギリス国内ではブライトンやロンドンへの小旅行を楽しみ、異文化交流を深める貴重な機会となりました。

留学先での住居

先ほどのように、前二か月の住居にはオンラインで見つけた Student Studio を利用しました。快適なプライベートスペースが確保され、週 200 ポンドの費用で学生に適した環境でした。ルームメイトはおらず、個人のプライバシーを保ちながら生活することができました。最後の一か月は AirBnB でシェアハウスを探して、月 1000 ポンドの費用でした。

留学費用

渡航費は往復で約 20 万円、生活費は食生活によって異なり、学食では 5 ポンド、外食では15 ポンド以上、自炊であれば 10 ポンド以下で済ませることができました。保険料は 3 か月で約 4 万円でした。円安のためか、全体の物価は、東京の約二倍でした。

今回の留学から得られたもの、後輩へのメッセージ、感想、意見、 要望

この留学経験は、研究能力の向上だけでなく、国際的な視野を拡げる機会となりました。また、異文化交流による視野の拡大と柔軟性の向上は、今後の研究生活やキャリアにおいても大いに役立つと感じています。後輩の皆さんには、留学という貴重な機会を活かし、自分の専門領域だけでなく、異文化理解にも積極的に取り組んでほしいと思います。準備段階では、必要書類の準備に余裕を持って取り組み、現地での住居や生活環境についても事前に情報を収集することが大切です。また、現地でのコミュニケーションを円滑にするために、基本的な会話力の向上にも努めましょう。
感想としては、ケンブリッジ大学での研究は刺激的であり、最先端の研究に触れることができたのは非常に有意義でした。ただし、研究のペースや方法に自分なりの適応を見出すのには苦労もありました。今回の経験を通じて得た知識を東工大の自分研究室と共有し、双方の研究発展に貢献できるようなシステムを構築したいです。

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