Summer Exchange Research Program(SERP) ソルボンヌ大学 2019年9月~12月
留学時の学年: |
修士課程1年 |
---|---|
東工大での所属: |
物質理工学院 |
留学先国: |
フランス共和国 |
留学先大学: |
ソルボンヌ大学 |
留学期間: |
2019年9月~12月 |
プログラム名: |
留学先(参加プログラム/受入れ機関)の概略
参加プログラム:C1:SERP(工系3学院学生国際交流プログラム)。渡航期間は9月~12月、派遣対象学生は派遣時期に修士課程1年生以上であること(面接の段階では学部4年でも構わない)。秋派遣の場合応募書類の締め切りが5月の終わりごろ、面接日が応募書類締め切りの1週間後となる。基本的にC1:SERPは夏派遣のみ対象であるが、いくつかの大学は秋派遣時に追加募集があった(ソルボンヌ大学、マドリード工科大学、ウィスコンシン大学等)。
受け入れ機関:ソルボンヌ大学(パリ第6大学)は、パリジュシュール通りを所在地とするフランスの大学で、国内に13校あるパリ大学の一つです。1971年に設立され、学生数34,000人(うち大学院生12,000人)、教官数2,700人を有する。
大学中央に位置するザマンスキータワーやその周辺の写真
留学前の準備
留学情報の入手方法、専門分野・語学の準備方法、留学先の研究室に所属した場合は、留学先大学の指導教員との準備、ビザ取得方法、住居の探し方など。
留学情報の入手方法:学部時代から、毎年4月に開催される留学フェアに参加して、自分が興味のある留学プログラムを探していました。募集時期になると大学からメールが来るので、興味のある大学の目星をある程度つけた後、本館二階にある工系事務室に訪れて、相談に乗ってもらいました。工系3学院のホームページでは閲覧できない過去の体験記も提示して下さるので何度も足を運ぶことをお勧めします。
専門分野・語学の準備方法:専門分野に関しては、現在の自分の研究領域に近い領域を選ぶと思うので、普段通り論文を読むなどをすれば問題ないと思います。語学の準備に関しては、研究室の留学生や、HUB-ICSでの留学生とのコミュニケーションを積極的にとることで対策をしていました。面接前には予め質問されることが公表されているので、その受け答えについて、オンライン英会話などを使って練習するのもよい手段であると思います。
留学先大学の指導教員との準備:私の場合、周りとは違い東工大の研究室へソルボンヌ大学からの留学生が来て、彼が帰るタイミングとほぼ同時期に私が彼の研究室へ行くという交換留学のような形で留学を行ったため、面接前からソルボンヌ大学の指導教官から推薦書も頂いており、その後も住居についてのアドバイスや渡航の時間帯、ソルボンヌ大学で行う研究の参考文献等、密に連絡を取り合っていました。
ビザ取得方法:3カ月未満でフランスへ留学する場合、ビザは必要ありません。
住居の探し方:留学が決定すると同時にソルボンヌ大学の事務員から大学のホームページの住居検索サービスを教えていただきました。それ以外にも日本館を含むCite Universityの学生寮やCROUS、Airbnb(アプリ)等、様々ありますが9月時期は現地の学生も住居を探しているため、なかなか好条件の住居を探すことが出来ません。留学が決まると同時に真っ先に住居を探すことをお勧めします。
留学中の活動及び感想
通常の活動以外に行った活動がある場合は、併せて記入してください。
学内:大学内では主にフランス語の授業と体育の授業(単位とは関係ない)をとっていました。フランス語の授業をとるためには留学前にオンラインでテストをして現在の語学能力をはかりました。私は下から二つ目のクラスで週二回2時間の授業でした。しかし、少しの文法と単語を知っている程度ではフランス語の授業をフランス語のみを用いて学習するのは非常に大変で予習・復習が欠かせませんでした。研究の忙しさが増すにつれ、フランス語の学習に十分な時間が取れず、最終的にはフランス語の授業をとることをあきらめる形になりました。体育の授業はバレーボールと筋トレの2つをとり、それぞれ週に一回1時間半の授業でした。ここが研究室外で唯一フランス人と仲良くなれる機会であり、体育はあまり得意ではありませんでしたが積極的に授業に参加しました。
バレーボールの授業風景
学外:休日は毎週どこかに旅行をしていました。初めの一カ月間は主にパリ市内の観光名所をまわりましたが、残りの2カ月はブルゴーニュ地方や南フランス、アルザス地方等のパリ遠方や、ベルギーにも訪れました。パリ市内や郊外は電車の定期券であるNavigoが必須アイテムであり、パリに着くと同時に駅の窓口で申請することをお勧めします。遠方を訪れる際には新幹線と似たTGVを利用してもよいが、割高であるためFlixBusを利用することをお勧めします。時期やどれくらい前に予約を完了するかで左右されますが、ベルギーのブリュッセルに行く場合、20€程度で行くことが出来ます。またフランスではストライキが非常に多く、事前に綿密に旅行計画を立てていてもTGVが動かないケースが多くあります。ほとんどの場合一週間前にはストライキの予定が報告されているので常に注意しておくことが必要です。私はストライキによってフランスの観光名所であるモンサンミッシェルに行くことが出来ませんでした。
凱旋門
ベルサイユ宮殿(超短期派遣メンバー)
ブルゴーニュ地方のワイナリーツアー
ストラスブールのクリスマスマーケット
留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード
他国の学生等との交流、海外における勉学・研究等の学校生活や日常生活を経験して、自身の成長を実感したことと思います。留学前に立てていた目標に対する達成度や苦労話など、何でも結構ですので、自身の成長を実感した中で一番記憶に残っているエピソードを記入して下さい。
成長を実感したことは主に大学内での研究や住居探しの過程で自分の状況を発信する力が身につきました。これまでいくつかの留学プログラムには参加してきましたが、それらはいずれも周りに数人の日本人がいる環境での留学であり、困難に出くわしたときはどこか周りの日本人に頼っていた部分がありました。しかし、本プログラムにおいて日本人は私一人で、自分のことは自分でどうにかしなければなりません。これが顕著に表れたのは研究過程と住居先です。
研究においてその進捗を報告するために、ほとんどの研究室では毎週ゼミが開かれると思います。しかしソルボンヌ大学では9月~11月はポスドクディフェンスが数多く行われるため留学中はゼミが1度しか開かれませんでした。その代わり、担当指導員に毎週1時間程度進捗報告を行う機会が設けられました。ここで、困ったことを報告することで効率的に実験を進めることが出来ました。これまでは自身の実験で何か問題が生じた場合、自分で解決しようとするあまり効率よく作業を行えていませんでしたが今回の経験を通してその部分は成長できたと思います。また、住居関係では留学が開始してもなかなか住む場所が決まらず、落ち着かない状況が続いており、その中で自分の置かれた状況を正確に伝え、助けを求めることで多くのフランス人が住居を提供して下さりました。このような経験は、危機的状況でしか出来ないと思います。安心して研究を行うことが最も大事なことですが、自分でどうにかするしかない環境で、私自身大きく成長できたのではないかと思います。
留学費用
航費、プログラム参加費、生活費、住居費、保険料、奨学金の有無など。
渡航費:約10万円、生活費:15万円、住居費:20万円、保険料:6万円、旅行費:10万円、奨学金:有り
留学先での住居
住居(寮、ホームステイ等)、申し込み方法、ルームメイト、その他。
初めの3日間は東工大に留学してきた留学生の家に泊まり、その後2日間は留学生の友人の家に、次の2週間はソルボンヌ大学で仲良くなった友人の家に泊まり、その後の5日間はAirbnbというアプリで好条件のホームステイ先を見つけましたが、家主と支払いのトラブルが発生し、5日間で出ることになりました。最終的にはAirbnbで見つけた韓国人のオーナーの家で2カ月ホームステイすることとなりました。申し込み方法は大学のホームページやCite University(学生寮)など色々あるが、9月発の場合、出発の二カ月前から準備しようとすると現地の学生が優遇されてしまい、住居を確保することは困難となります(長期滞在者が優先されるため)。
ホームページで好条件の住居を見つけることが出来なかった場合、アプリなども同時に利用し出発前に住居を決めることを強くお勧めします。私は家賃8万円以内を目指していたため中々条件を満たせませんでした。ルームメイトは気さくな人が多く、夕ご飯を一緒に買いに行ったり、お互いの国の分化について話したりすることが出来ました。
留学中に住み渡った場所と期間(Google map)
留学先での語学状況
例えば、留学期間中は○○語を使用。留学前のTOEFL等語学試験は、○○だったが、十分であったなど。
留学期間中は、基本的に英語で話していた。挨拶や簡単なフレーズは留学前や、現地の研究室の友達に教えてもらい使用していたが、英語が使えればフランス(観光地)は問題ないと思います。ただ研究室のメンバーは普段フランス語を使うので余裕があればフランス語を覚えることでより親密な関係になることが出来ます。
単位認定(互換)
留学中に取得した単位の認定(互換)を東工大で行ったか(行う予定か)。留学期間中に受講をしなかったため、単位の認定は行いません。
留学経験を今後、どのように活かしたいか
研究面では、元々の自身の研究以外のことをすることで幅の広い専門性を身に着けることが出来ました。そのため今後の自身の研究において問題点が生じたときに視野を広く、様々な角度から洞察できるようになりたいです。
留学先で困ったこと(もしあれば)
住居に関すること(詳細は「留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード」を参照)
留学を希望する後輩へアドバイス
自分に語学力がないからという理由だけで留学をあきらめないでほしいです。私自身、未だに英語を話すことに少し抵抗感があります。それでも留学を通して知り合う人々は学内の人と考え方や大切にしていることが異なるので色々な生き方について考えさせられます。また海外の研究室の雰囲気を味わえるのも工系三学院の留学プログラムならではだと思います。行かない選択をして後悔することはあっても、行って後悔することはないので迷っているのであれば、ぜひ挑戦してほしいです。
この体験談の留学・国際経験プログラム情報
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