Summer Exchange Research Program(SERP) マドリッド工科大学 2021年12月~2022年3月
留学時の学年: |
修士2年 |
---|---|
東工大での所属: |
環境・社会理工学院建築学系都市・環境学コース |
留学先国: |
スペイン |
留学先大学: |
マドリッド工科大学建築学部 |
留学期間: |
2021年12月23日 ~ 2022年3月22日 |
プログラム名: |
派遣大学の概要(所在地、創立、規模など)
私の派遣先であるマドリード工科大学は18世紀に開校した工学と建築学を専門とするふたつの技術学校が1971年に合併して開校した大学である。マドリード工科大学の各教室はマドリード中に散らばっており、統一キャンパスは存在しない。建築学部はマドリード市の北西部にあるモンクロアという場所にキャンパスがある。
研究室
建築図書室
留学準備など
私の留学のスケジュールは大まかに下の表のようであった。
SERPの選考はとてもスピーディーに行われた。私の場合は留学を決めたのが遅かったため非常にあわただしく準備をすることとなった。特に応募書類に書く研究内容や英語面接の準備などは所属研究室の先生や先輩に相談にのって頂きサポートして頂いたが、それがなければ留学もできていなかったと思う。
派遣決定後の派遣先の研究室とのやり取りについては、留学生対応担当の方と事務的な手続きについて、メールでやり取りをしながら細かく進めていった。また研究室の先生とも研究内容をメールで相談し、事前に関連する書籍を教えていただき予習するなど、国内でできる準備を行ってから渡航するようにした。
時期 : 出来事
9月中旬: 留学決意
9月中旬: 応募書類提出
10月初め: 学内面接選考、派遣決定
派遣先との調整、書類の準備など
12月末: スペインに渡航
3月末: 帰国
所属研究室での研究概要とその経過や成果、課題など
研究概要
タイトルは「欧州連合の統合的都市再生戦略とスペインにおけるその実践」である。この研究の目的は、ケーススタディによって統合的都市再生の概念や、先進的事例であるスペインでの政策の枠組みと制度運用、都市空間への影響について理解し、都市再生を通じて社会的包摂を実現する方法への示唆を得ることである。2010年頃から使用され始めた「統合的都市再生」という概念は1960年代から欧州や米国で行われた都市再生政策がジェントリフィケーションを引き起こし根本的な改善をもたらさなかったことへの反省と、それを踏まえた欧州連合での再生の実践から生まれた概念である。特に脆弱な都市部(社会人口統計学的脆弱性・社会経済的脆弱性・住宅の脆弱性)に着目した政策行動である点に特徴がある。
経過と成果
当初は別の事例についてのケーススタディを行う予定であったが、話し合いをした結果より自分の興味関心に近い政策事例を教えて頂いたため、途中で研究テーマの変更を行った。
成果としては文献調査から統合的都市再生の定義づけを行い、対象となる政策や自治体を選定したうえで現地調査などを行った結果、政策の制度的枠組みが明らかになった。
課題
3か月という短期間で収集した資料すべてに目を通すことが出来ず、空間への影響や社会的包摂を考えた都市への示唆を得るまでには至らなかった。ホスト大学の先生からは今後もし疑問点や協力してほしいことがあればメールしてくれればできるだけサポートするとおっしゃっていただいたので、今後時間をかけて取り組みレポートとしてまとめたいと考えている。
Sonia先生と研究室で
ケーススタディとして選択した トレホンデアルドス市の街並み
所属研究室内外の活動・体験(日常生活・余暇に行ったこと等)
研究室のコアタイムなどはなかったが、生活リズムを作るためにも平日は毎日通うようにしていた。大学まで行く道に見晴らしの良い公園があり、通学時や帰宅時にそこで本を読んだりコーヒーを飲んだりして過ごしていた。
休日は旅行に行くことが多く、スペイン国内の9都市(マドリード、バルセロナ、ビルバオ、サンセバスチャン、セゴビア、トレド、アランフェス、コルドバ、グラナダ)を訪れ、それぞれの街の異なる雰囲気を味わうことが出来た。また、研究室でできた同い年のイギリス人の友達とカフェやサンデーマーケットに行き遊んでいた。
留学中の東工大生と会う機会も多かった。偶然1つ上の東工大の先輩がマドリードに留学中であったため、その方とよくバルに出かけていた。帰国間近の3月には所属研究室の先輩でヨーロッパに留学中の方達とベルリンで会うことが出来た。
東工大の先輩とスペインバルへ
通学路の公園
留学先での住居(寮、ホームステイ等)、探し方、申し込み方法、ルームメイトなど
大学から紹介して頂いたAluni.netという短期間滞在できるシェアハウスを検索できるサイトで部屋探しを行った。私が選んだのは10部屋ある女性専用シェアハウスで、自身の部屋には机、ベッド、タンスなどがあり、その他キッチンなどの水回りやリビングは共用であった。
ルームメイトはヨーロッパ出身の人が多く、英語やスペイン語、イタリア語などが話されていた。同世代の人ばかりで、ホームパーティーを行ったり一緒に飲みに出かけたりと楽しく過ごすことが出来た。滞在中ルームメイトがコロナウイルスに感染し、リスクの高い状況に置かれたという悪い面もあったが、一緒に生活することで自然に友達になることが出来たことは本当によかった。
シェアハウスでのホームパーティー
留学費用(渡航費、生活費、住居費、保険料)など
渡航費:83310円(往復)
住居費:月70000円(510ユーロ、光熱費水道代込み)
保険料:43550円
今回の留学から得られたもの、後輩へのメッセージ、感想、意見、要望
今回の留学で得られたものはたくさんあるが、特に自信と異文化に触れる経験が得られたことが大きいと感じている。
3か月ではあるが一人で外国に行き自分のやりたい研究や旅行を満喫した経験は自信になった。また、留学先でできた友達との会話や行動の何気ないところから価値観や常識の違いに気が付くことも多く、他の文化に触れる面白さも実感した。例えば、専攻について話をしている際には将来はどの国で働くつもりなの?と返されることが多く、自分の生まれ育った国以外で働く選択肢があることが彼らにとっては当然のものなのだと感じた。私は日本以外で働くという想像さえしていなかったが、自分の可能性ももっと開けているのではないかと考えられるようになった。すぐに何かにつながるわけではないが、そのような小さな気づきがたくさんあり留学前よりも見識を広げることが出来たと感じている。
留学を考える方へのメッセージ
SERPは一般的な留学と比べると短いので物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、自由度が高くかつ気軽に挑戦できるよいプログラムだと思います。私自身、もともと海外留学に興味があったものの一歩踏み出せずにいたところ3か月のプログラムがあるということを知り、「3か月であれば自分でも挑戦できるかも」と考え応募することを決めました。非常に楽しく過ごすことができ得られたものは多く、後悔はないです。今もし留学に挑戦しようか迷っているのであればまずは思い切って応募してみるといいと思います。応援しています。
その他 留学先で困ったこと/帰国後の進路(就職・進学・長期留学)
3か月留学し卒業時期を遅らせずに就職を希望している。そのため帰国後の3月末から就職活動を行った。
この体験談の留学・国際経験プログラム情報
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