派遣交換留学 ウィーン工科大学 2024年2月14日~2025年2月28日

派遣交換留学 ウィーン工科大学 2024年2月14日~2025年2月28日

留学時の学年:
修士2年
所属:
環境・社会理工学院 建築学系 都市・環境学コース
留学先国:
オーストリア共和国
留学先大学:
ウィーン工科大学
留学期間:
2024年2月14日~2025年2月28日
プログラム名:

留学先大学(機関)の概略

オーストリアの首都ウィーンの理系専門の大学。学生数26,000人。ウィーンには大きめの大学がTUとウィーン大学、ウィーン経済大学の3つあるが、理系ならTUというイメージ。建築、都市、情報系など様々な学部があり、建築系も住宅、アート、歴史、ランドスケープ、環境などすべての分野を網羅するくらい機関がたくさんある。

留学前の準備

就職活動、修士・博士論文などとの兼ね合いを含め、修了までの計画をどう立てたか。

当初は2023年度の春出発で半年留学に行き、留学中と残りの半年で修士論文を書いて修士2年間で卒業する予定だった。就活は出発前に終わらせるのを目指していた。しかし、留学に行った先輩の話を聞いたり留学準備をしながら修士での学生生活を過ごす中で、せっかく留学に行くならば1年行ってみたいと思うようになった。
そして、滞在を1年にし、修論は帰ってきてから1年かけて行うこと、就職も帰国後に行う、修士3年コースにしようと思った。

その他

留学情報は科学大のホームページ、派遣交換留学のリストなどで情報をチェックしていた。学部生の頃にも留学に行きたくて、英語スコアが足りず申し込みできなかった経験があったため、その後試験を何度か受けていた。スコアはその学部生の頃に取得していたものを使った。申し込みは学部の頃と必要書類などがほぼ同じだったので苦労しなかった。留学先大学での指導教員は現地の留学生コーディネーターの先生が研究計画をもとに手配してくれた。授業履修がメインだったため、留学前に現地の指導教員の先生と密に連絡を取り合うことはなかった。
ビザは現地に行ってからの手続きがほとんどだった。留学前は戸籍や無犯罪証明書の取得などそろえておくべき書類は多少あった。住居はTUWienの推奨している民間の学生寮管理会社の持っている寮の中から決定した。事前に手続きをしていたが条件の良い物件は人気で希望は通らなかったので、早ければ早いほど良い場所に住めると思う。このような寮は一般のアパートよりは割高だと思うが、手続きの簡単さや洗濯、掃除などの設備については自分でそろえる必要がないので楽だった。

留学中の勉学・研究

授業は各セメスター、デザインスタジオという設計デザイン重視の単位の多い授業1つとレクチャーの授業を2つ、ドローイングの授業を取っていた。研究は自主的に進め現地大学の指導教員の先生に定期的に連絡してミーティングをしてもらうという形式で進めていた。学期が始まった当初はオリエンテーションやリサーチなどが多く、実際学校にいなければならない時間は週2、3日なので、時間があると感じていたが提出間際になってくると、作業時間も増え、研究なども進めたい、週末は旅行に行くこともあるとなると、結構余裕はなくなっていた。しかし、建築設計系でスタジオ1つ+レクチャー2つというのは私にとってはやりがいもありちょうどよい選択だった。

留学中に行った勉学・研究以外の活動

9-10月の2か月間現地の設計事務所でインターンシップを行った。現地のオフィスで働いたことは、ただ見学するだけでなく、毎日を現地の人々と共にするのでとても貴重な経験であった。主に学校を含む公共施設のコンペの手伝いをさせてもらったが、欧州のコンペの仕組みや建築や都市計画に関する現地の制度、デザインをするときの考え方など実物に即して多くのことを学ぶことができた。事務所のパーティなどのイベントにも参加させてもらい、働いている方々は仕事仲間だけど友達のような関係であったのが印象的だった。
旅行もたくさん行った。ウィーンは接している国が多く、地理的に欧州の中心にあるため、いろいろな場所に行きやすかった。夏に行ったヘルシンキではずっと行ってみたかった美術館に行くことができて幸せだった。日がとても長く、涼しくて心地よいさわやかな雰囲気が思い出に残っている。今まで歴史の授業などで学んだ、大聖堂や名作といわれる建築や場所を自分の目で見て体感できたことはとても貴重な体験だった。
ウィーンは美しい街で、博物館や美術館も多く、山も川も近くにあり、とても住みやすい街だった。暇があって天気が良ければよく街のいろいろな場所を散歩して開拓していた。1年たって離れるのが名残惜しかった。

Wien
Wien

Helsinki
Helsinki

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

オーストリアの公用語はドイツ語で、TUWienの学生は様々な国から来た人が多いが(東欧旧ユーゴスラビアの人も多い)基本的にドイツ語を話せる学生が多い。英語の授業を取っていても、ゲスト講師や先生がたまに忘れて、ドイツ語で授業が進んでしまうこともあった。ほかの学生もドイツ語を理解できるから問題なく進んでしまうため、自分が声を上げないと英語になることはない。そのような場面で最初は大勢の中で説明やレクチャーの流れを止めて声を上げるというのに抵抗があったが、何度かそういう状況に陥ったため、声を上げることに慣れていった。先生にも「忘れてしまうから、ドイツ語でしゃべってたら教えてくれ。声を上げることは日本では少し無礼なのかもしれないが、こっちでは言わないと自分が困るだけだよ」と言われたのが記憶に残っている。

留学費用

渡航費は片道10-15万円。行きも帰りも乗換ありの便を使った。家賃は寮だったため一般より高いと思われ、中心から30分くらいの郊外だったが月約10万円。保険料は1年滞在する場合国民保険のようなものに毎月1万円ほど払う必要がある。
物価は基本的に日本より高い、特に外食や食料品は物にもよるが2倍くらいするイメージ。交通費は学生だったため安めだと思う。

留学先での住居

大学の寮はなかったが、民間会社の学生向けの寮に1年住んでいた。申し込みは渡航前にネットで行った。個室はあり、ルームメイトとは2人で風呂とトイレをシェアした。キッチンはフロアで2つあり大勢とシェアした。キッチンは20人以上の人がシェアして、隣人の顔が特定できるほどの少人数ではないため、居心地はあまり良くなかった。
ルームメイトはイタリア人の研究者として働いている人で1年一緒に過ごし、休日に一緒に出掛けたりご飯を食べて話したり、だいぶ仲が良くなった。



留学先での語学状況

公用語はドイツ語だが、授業は英語でとっていた。公用語はドイツ語といっても、店員さんなども英語が話せる人が多く、ドイツ語を話さないといけない状況に陥ることは少なかった。ドイツ語を話して練習したいと思っても顔を見るとすぐに英語で話してくれてドイツ語の上達は簡単ではなかった。
英語はIELTS6.0の必要スコアを取っていたが、最初の頃は特にヨーロッパの人の英語を聞き取るのが難しかった。早かったり日本人からすると発音が良すぎて、聞き取れないことも多かった。後期のセメスターの方が耳が慣れたのかコミュニケーションが取れるようになった気がした。話す時も言いたい単語が出てこなかったり文法がめちゃくちゃになってしまったり思った通りに流ちょうに話すのはとても難しかった。

単位認定(互換)、在学期間

授業は単位互換はしない予定。修士1年で授業で必要な単位は取り切ったため、あとは修士論文の研究を1年行う。留学期間の分1年在学期間も延長した。

就職活動

留学先ではインターンシップをして海外で働くということにすごく興味を持った。英語を使ってコミュニケーションをとり難しいことも多かったが刺激的な経験だった。留学中は学校での授業や研究、滞在中しかできないことに時間をかけたいと思い、海外の生活を終えてから進路を決めたいと思ったので日本の就活はしていなかった。大多数の就職選考の流れとは違うスケジュールになってしまうが、帰国後から自分の成果をまとめて修士3年目も含め就職活動をする。

留学先で困ったこと(もしあれば)

夏休みに胃腸炎(食中毒)、クリスマスに熱と風邪になり体調面で苦労した。ただ加入していた海外旅行保険でお医者さんの手配なども困難なくできてありがたかった。

留学を希望する後輩へアドバイス

海外で生活し学習するのはとてもワクワクする環境なので、それが楽しみながらたくさんのことを学べることを願っています!

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