派遣交換留学 シュツットガルト大学 2025年3月3日~2026年3月2日

派遣交換留学 シュツットガルト大学 2025年3月3日~2026年3月2日

留学時の学年:
修士課程1年
所属:
工学院 電気電子系・電気電子コース
留学先国:
ドイツ
留学先大学:
シュツットガルト大学
留学期間:
2025年3月3日~2026年3月2日
プログラム名:

留学先大学(機関)の概略

シュツットガルト大学(Universität Stuttgart)はシュツットガルトにある総合大学で、工学系が強いらしい。キャンパスは2つあって一つは街の中で、もう一つは森の中にある。理系は森の中にあるすずかけ台キャンパスみたいなところがメインで、キャンパス内には学生寮がたくさんある。また、キャンパス内に駅があり、市内中心部までは電車で10分とアクセスが良い。

大きな講義室
大きな講義室

研究室
研究室

留学前の準備

計画

学部時代からぼんやり留学してみたい気持ちはあった。学部2年のときに一度留学相談をして、その時は修士で留学した方が研究もできるし、まだいいやという気持ちで特に何もしなかった。時は過ぎ、本格的に動き出したのが学部4年冬。せっかく留学するなら1年間の長期で行きたいと思い派遣交換留学を考えた。その代わり在学期間は1年延長させて、修士2年の春から1年間留学して、留学後の修士3年の春に就活をして、その後修論を書くという計画を立てた。家族も指導教員も快く受け入れてくれた。

学内選考

卒論が終わってから語学要件突破のために英語の勉強を開始。私はIELTSにした。修士1年の4月に試験を受けたが突破できず、5月にもう一度受けて学内応募締め切り直前に何とか突破できた。留学先の研究室は特にコネはなかったので自分から研究室に所属したい旨をメールしたらすぐに返事をいただけた。その他必要な書類を揃えて、拙い英語でプレゼンテーションをして学内選考を通過した。留学が正式に決まれば後は順番に手続きを踏めば特に難しいことはなかった。

出発まで

留学までの期間は語学力向上のために英語のコミュニケーションの授業を受け、おさるのジョージを見ていたがあまりモチベーションが続かなかった。夏休みはドイツ語集中講座を受けた。それは割と楽しかった。冬になってくると手続きもどんどん増えてきた。住居に関しては留学先から学生寮の申込の案内が来てすんなり決まった。他の大学に行く人の話を聞いていると住居探しで苦労していそうだったので、シュツットガルト大学はかなり留学生に対して手厚い気がする。ビザは出発前に日本で取った。ドイツで取ろうとすると何か月かかるかわからないのでできるだけ日本で取る方が良いと思う。私の場合は出発1か月前に大使館に行ってギリ間に合ったが、もう少し余裕があると良いと思う。まず大使館の予約がなかなか取れない。

留学中の勉学・研究

Intensive Course German (6ECTS)

最初の1か月は週5でドイツ語集中講座を受けた。クラスメイトは自分と同じような境遇の留学生だったので何人かと仲良くなれた。私のクラスは韓国人とイタリア人が多かった。最初はお金もかかるし英語もままならないのにドイツ語の授業を受けるのは面倒だと思っていたが、そこで友達も結構できたし、ドイツの言語や文化も知れたので留学のスタートとしてすごい良い機会だった。

ドイツ語講座のメンバー
ドイツ語講座のメンバー

電波暗室(アンテナ測定中)
電波暗室(アンテナ測定中)

Summer semester (18ECTS)

夏セメスターは専門の高周波技術の授業を3つ、ドイツ語の授業を1つ履修した。授業は講義だけでなく実験や演習などのスタイルもあった。高周波回路の実験では3人で1つのグループになり毎回1つのレポートを協力して書いた。電磁界シミュレーションの授業では各個人に別々の課題が与えられ、どのシミュレーション方法が良いかプレゼンテーションをした。特にこのシミュレーションの授業はただでさえ言語面でも大変なのに内容自体が難しくてハードだった。と思っていたらアメリカ人がスティーブ・ジョブズみたいにプレゼンしだして自分の出来なさに落ち込んだ。とはいえお互い言語も文化も違う者同士で協力できたことやレベルの高いプレゼンに刺激を受けたことはすごく良い経験になった。

Winter semester (12ECTS)

冬セメスターは専門科目の授業2つと研究をした。専門の授業はどちらも講義と演習が週1回ずつあった。演習の時間では問題を解いて議論することで理解が深まった。研究では研究室主催のワークショップに向けてアンテナの設計・測定をした。そのワークショップはシュトゥットガルト大学の学部生にアンテナ工学の面白さを伝えるためにアンテナの設計や測定を体験してもらうもので、その中で披露するアンテナを3種類設計し、最後にレポートにまとめた。特別なことはしていないが短期間で様々なアンテナを設計できてアンテナエンジニアとしての基礎力が身についた。研究中は博士の方がついてくださり、わからないことは丁寧に教えていただいた。また、研究室内にはいろんな国の人がいて日常会話で異文化交流ができた。

直径100mパラボラアンテナ
直径100mパラボラアンテナ

八木宇田アンテナと虹
八木宇田アンテナと虹

留学中に行った勉学・研究以外の活動

Auf geht's

科学大陸上部なので、ドイツでも走ろうと思って地域の陸上クラブの練習に参加していた。ドイツには部活がなく、その代わりにそれぞれの地域にスポーツクラブがあって、子供から社会人まで汗を流している。陸上クラブは自分以外全員ドイツ人というローカルな環境だったが一緒に走ってしまえばもう仲間だ。自分と話すときはみんな英語で話してくれたが、ドイツ人同士はもちろんドイツ語だったのでその輪にはなかなか入れないもどかしさはあった。走っているメンバーを鼓舞するときはauf geht’s(アウフゲーツ)というと応援できる。行け、頑張れみたいな感じ。冬は日本では珍しい室内トラックで練習することができた。

いくつかレースにも出場した。大学のランニングイベントでは12kmの部で2位になって表彰された。夏休みはスイスに行き、マッターホルンを眺められるトレイルランの大会に出た。秋はベルリンマラソンに出たが、夏に走りすぎたせいで足を疲労骨折してしまい、25km地点で途中棄権した。ベルリンマラソンは何年後かにリベンジする予定。

走ることでいろんなことを経験できた。嬉しい楽しい辛い悔しいという感情が自分の留学生活を豊かにしてくれた。スポーツは言語の壁を越えられることも実感できたし、いままで走ってきて本当に良かったと思った。仲良くしてくれたチームのメンバーには感謝したい。

  • 大学のランニングイベント

    大学のランニングイベント

  • スイスのトレイルラン

    スイスのトレイルラン

  • ベルリンマラソン

    ベルリンマラソン

Spaziergang

ドイツ国内やヨーロッパのいろんな国に旅行したことももちろん楽しかったが、普段の何気ない生活も楽しかった。いろんな国の人とお互いの国の料理を作った。例えば、イタリア人には手巻き寿司、餃子を教えて、カルボナーラ、ラザニアを教えてもらった。インド人にはジャパニーズカレーライスを教えて、ビリヤニを教えてもらった。スプーンは使わず手で食べた。宗教上食べられないものもあってお互いの文化を知れた。

ドイツ人は“散歩”“Spaziergang(シュパツィアガング)”が大好きである。なぜだろうと思っていたが、近くに自然が多いし、日曜日はどのお店もやってないし、冬は日照不足で晴れたら勝手に散歩したくなった。住んでみるとドイツ人の気持ちが少しわかった気がして、こういう部分は旅行では味わえない経験だった。

  • ビリヤニ

    ビリヤニ

  • カフェ

    カフェ

  • カルボナーラ

    カルボナーラ

留学を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

現地に到着したときは留学バディがシュツットガルト中央駅に迎えに来てくれて、その後大学の寮まで案内してもらったり、一緒にsimカードをスーパーへ買いに行ったりした。最初は全然英語が喋れなくてこの先が不安だった。その時にバディと食べた学食。10か月後、12月にバディとクリスマスマーケットに行った。久しぶりにバディと会って会話しているときに、英語が上達してるね、初めて会ったときは何というか…()その時より良くなったと褒めてもらった。嬉しかったし、自分が気づかないうちに成長していることを実感できた。その時に飲んだホットワイン。

  • お散歩コース

    お散歩コース

  • Mensa(学食)

    Mensa(学食)

  • Glühwein(ホットワイン)

    Glühwein(ホットワイン)

留学費用

<月々の支出>
家賃:432€/月
ドイツの保険(TK):144€/月
交通費(Deutschland ticket学割版):39€/月
家のネット:10€/月
sim:9€/月
放送料:18€/月

留学前に閉鎖口座に200万円ほど預ける必要があった。そうすると閉鎖口座から毎月992€解除されて使えるようになるので、そのお金を月々の出費に充てた。その他、食費、生活費、旅費も基本的に閉鎖口座のお金で賄った。しかし夏休みは旅行でかつかつになり課金した。放送料はルームメイトとシェアできたので実質6€とか9€だった。

<一時的な支出>
航空券:20.4万円
ドイツ語講座:250€
海外旅行保険:10.7万円
ビザ申請:1.2万円
大学のサービス料:104€/学期
歯医者:758€

飛行機はJALの直行便を往復で取った。復路はセミフレックス運賃で出発日から1年以内であれば日程変更が可能だった。現地で歯が痛くなって歯医者で10万円以上飛んだ。2つの意味で痛すぎた。

<収入>
奨学金(JASSO):13万円 + 11万円/月 (2024年度派遣の場合)
研究アシスタント:2500€

ありがたいことにJASSOから給付型の奨学金をいただけた。また、2学期目は研究をしながら研究アシスタントとして現地の大学から補助をいただいた。どちらも金銭面で本当に助かった。結局トータルで掛かった自己負担額は100万円程度だった。

留学先での住居

留学先の大学から寮の案内が来て申し込んだ。寮はキャンパス内にあって学校へのアクセスは抜群、裏には森が広がっており静かで過ごしやすい環境だった。私の寮は3人部屋でルームメイトはシリア人やドイツ人だった。ルームメイトはいい奴で、自分が鍵を忘れて寮に入れなかったとき、深夜にもかかわらずドアを開けてくれたこともあった。ルームメイトが夜型で助かった。キッチン、風呂、トイレは共用で洗濯機や洗濯物を干すスペースは地下にあった。洗濯は1回2.1€かかったので週1回だけ使い、下着は手洗いした。寮が新しくて綺麗だったので特に不満はなかった。

外観
外観

部屋
部屋

留学先での語学状況

授業は英語で、研究室もインターナショナルな環境だったので英語だった。日常生活もドイツ人は英語をしゃべってくれるので英語でゴリ押せた。お年寄りはドイツ語しか喋れない人もいて、Deutschland ticketを買うときはおばあちゃんとドイツ語で対戦したが、知ってる単語やジェスチャーを使ってちゃんと買えた。よく使ったドイツ語は買い物のときに“カードで支払います”“mit karte bitte(ミッテカーテビッテ)”だった。

英語は苦手だったが、聞いたり話したりしていく中でわからなかった単語、ミスしたこと、言えなかったことは次できるようにその都度学んでいったら、徐々に聞き取りができるようになったり、言える表現が増えていった。上達のコツはたくさん使ってたくさん間違えることだと思う。恥ずかしいとか悔しいという感情が自分を成長させてくれた。1年たった今もペラペラではないが英語を話すことへの抵抗はなくなった。大事なのは伝えようとする気持ち。

単位認定(互換)、在学期間

修了要件にあと1単位必要で、せっかくなので留学中に取った単位を何単位か認定する予定。在学期間は1年延長した。その分学費はかかってしまうが、1年間海外で勉強・生活できたことはそれ以上の価値があった。

就職活動

留学中にインターンに参加することは難しいと思ったので留学前に1社の夏インターンに参加した。留学中は何もしなかった。帰国が3月のはじめだったので帰国直後に本選考に取り組んだ。

留学先で困ったこと

歯が痛くなって歯医者に行った。というのも出発直前まで歯科矯正をしていて万全の状態で出発することができなかった。治療はしっかりしてくれたので良かったが保険適用外で高額だったので、出発前はメディカルチェックをしっかり行うことをお勧めする。

留学を希望する後輩へアドバイス

少しでも興味があったらまずは留学コンシェルジュへ相談に行くと良いと思います。留学計画や費用のことなど色々教えてくれます。留学は準備に時間がかかるので早め早めに動いていくと理想の留学に近づくと思います。語学面で不安な方もいると思いますが、語学要件をクリアできているならなんとかなります。もちろん留学前に英語力をつけておくに越したことはないと思いますが、私は現地でビールを飲みながら鍛えました。

留学中は共通の趣味を持つ人やコミュニティを見つけると楽しいと思います。でも多分思っているより地味な生活が待っていると思います。写真を見てキラキラした留学生活を送っていると思うかもしれませんが、全然そんなことはなく誰とも話さず一日中家に籠っている日もありました。大変なことも多いですが、生きているだけで勝手に成長できます。自分のペースで肩の力を抜いて、新しい景色を見に行ってきてください。いってらっしゃいっ!

ビール祭り
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Hohenzollern城
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